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『ビバラ!オンライン2021 で印象に残ったアーティスト総集編』(前編:5月1日〜5月3日)

2021年5月1日〜5日の5日間、さいたまスーパーアリーナで2年ぶりに有観客で開催されたVIVA LA ROCK2021。

開催時はSNSやTVのワイドショーなどでいろいろネガティブな事を言われたりもしていたが、公演終了から1ヶ月が経過した現在、あの日フェスに参加したスタッフ、アーティスト、観客の誰からも“あの5日間が原因の感染“は確認されていない。

そう。VIVA LA ROCKは、音楽は、勝利したのだと胸を張って言いたい✨

そして、前回までの記事で5回にも渡って主催者である鹿野淳さんのOP挨拶を紹介したが、その鹿野さんの心意気に応えるように、アーティストたちも最高のパフォーマンスを見せてくれた。
俺はオンラインのみの参戦では有ったが、オンラインを観て強く印象に残ったアーティストを紹介していきたいと思います。
(前回までの記事でもチョコチョコ書いてましたが、それの総集編です)

5月1日(初日)

✨✨KEYTALK✨✨

初日のトップバッター。つまり5日間のビバラのトップバッターという事で、相当なプレッシャーが掛かっていたはずだが、「みんな、ルールさえ守れば目一杯楽しんでいいんだぜ」と教えてくれるような圧巻のパフォーマンスで、見事に大役を務め切ってみせた。
ステージ側も観客も手探り状態だったはずだが、このパフォーマンスで一気に会場の空気がほぐれたのを感じ、ライブバンドKEYTALKの真髄を見せられたような気がした。

ちなみに、いつもは一杯ひっかけてからステージに立つらしい巨匠こと友将くん(ギター&ボーカル)も、アルコール禁止のルールをしっかり守ってシラフでステージに立ったそうで、トークコーナーで「お酒が入ってないんで歌詞が飛びそうになりましたw」とか言っておりました。どういう事⁉︎ww



✨✨インナージャーニー✨✨

実はちゃんと曲を聴いたのは今回のビバラ!オンラインが初めてに近かったりしたんですが、凄く良かった。
ボーカルのカモシタサラちゃんの真っ直ぐな歌声と、”演奏するのが楽しくて仕方ない!”という気持ちが溢れてるギター、ベース、ドラムの一体感に感動。
特にニッコニコの笑顔で叩くドラムのKaitoには、ついつい目を奪われてしまう。
いいなぁ、インナージャーニー。今後も要注目。



✨✨SHISHAMO✨✨

トップバッターのKEYTALKだけではなく、初日に登場したアーティストはみんな、とんでもないプレッシャーと戦ってたはず。
なのに、何でこの3人はどこまでも自然体で、どこまでも(いい意味で)緩いんだ!笑

出てくるなり、声の出せない観客に向かって「ビバラローーック‼️‼️」と煽るように叫ぶ宮崎朝子(ギター&ボーカル)。
観客が(声出し禁止のため)レスポンスできずに困ってるのを見てニコニコニヤニヤしながら、またもや「ビバラローーーック‼️‼️」と叫び、自分たちでウケてゲラゲラ笑うSHISHAMOの3人😅

そんなに緩いのに演奏が始まれば、もはや貫禄すら感じられるパフォーマンス。(1回演奏ミスってやり直したけど、これもライブの醍醐味!笑)
そして、この日聴いた『明日も』は、ホントに胸に響いた。
こんな時代だからこそ、こんな状況だからこそ、音楽の未来がかかったフェスの会場だからこそ、音楽ファン一人一人の心を熱く優しく抱きしめてくれるような。。

♪ 痛いけど走った 苦しいけど走った
報われるかなんて 分からないけど
とりあえずまだ僕は折れない
ヒーローに自分重ねて
明日も♪

泣くしかないやん、こんなん!😭

『明日も』に続くラストの曲が『明日はない』なのも、とてもとてもSHISHAMOらしかった。
いいライブだった。



5月2日(2日目)

✨✨アイナ・ジ・エンド✨✨

キュートな衣装で登場したアイナ。
最初におずおずと「アイナ・ジ・エンドです。」と自己紹介した時には緊張してる?と心配になったが、歌い始めるとやはり踏んできた場数が違う。
切々と歌う『金木犀』の時には、守ってあげたくなるくらいの儚さ、か弱さを感じるのに、一転『誰誰誰』の時にはエキセントリックな凄みを感じさせる。
そして、「以前ビバラに呼んでいただいて、その時(津野)米咲さんに“このコード、アイナに合うと思うよ“とかいろいろ教えてもらって。そのコードを使って作った曲です。」というMCからの『きえないで』の美しさ。

BiSHの時の圧倒的な歌も素晴らしいが、ソロでの歌唱とダンスは、「これが裸の私」と言われてるような熱と、アイナが大好きな存在や音楽に対する愛を凄く感じるパフォーマンスだった。
たった35分間なのに、濃密な舞台を観てるかのようだった。



✨✨小林私✨✨

トークコーナーにゲストで出てきた有泉智子さん(MUSICA編集長)が、ぜひ観てほしいとイチ押ししてたが、何とも不思議な存在感。

ステージに登場するなり、自前のタブレットのタイマーを30分にセットし、「これ(タイマー)が鳴ったら、途中でも僕帰りますんで」と、飄々とした語り口でスタート。
美しいルックスなのに「来る時雨凄かったんで、こんなにスタッフさん感染対策頑張ってるのに、“荒天のため中止“とかだったら面白かったですよね。」とかの本気とも冗談ともつかない毒のあるトークも、シンガーソングライターなのに現役美大生なとこも超個性的!
これでいて歌い始めると魂の叫びみたいな歌声なんだよなぁ。面白い。

あっ、ちなみにタイマーは最後の『生活』という曲の途中で鳴りました笑



✨✨ニガミ17才✨✨

以前から気になっていて今回もとても楽しみにしてたのだけれど、やっぱり凄かった。
圧倒される程変態的な音楽性(褒めてます)に感嘆。
ビバラ直前にドラムの小銭くんが家庭の事情で脱退してしまいどうなる事かと思っていたけど、サポートのkyonと岩下優介(ベース&ボーカル)の掛け合いもバッチリで素晴らしかった。
ま、ドラムにめっちゃ無茶振りするから、kyonさん自身は大変だったと思うけどw

“時間が余ってしまった”とHIPHOPや演歌のリズムで観客の手拍子を煽った岩下くんの盛り上げ方も流石としか言いようがない。

そして最後に言い放った「僕たちの名前なんて覚えて帰らなくていいです。そのうち嫌でも覚えるような活動をこれからして行くから!今日は、”どんな音楽も楽しいんだ“って事だけ覚えて帰ってください!」って言葉は、本当に最高にエモーショナルだった。



5月3日(3日目)

✨✨the telephones✨✨

やっぱりVIVA LA ROCKと言えばこの人達、the telephones。
ボーカル石毛くんの「ビバラローーーック!」のご本人様登場感が凄い笑

豪華メンバーが集った3日目のトップバッターに相応しいハイテンションなパフォーマンスで、さいたまスーパーアリーナを見事にディスコに変えてみせた。
主催者鹿野淳さんを小道具として使う辺りも、彼らにしかできない。流石ですw

そして、その一方で埼玉県外から参加してる観客に対して「さぞや肩身が狭いでしょう?でも、守るべき事をちゃんと守れば大丈夫!」と“楽しんでいいんだよ“という事を優しく伝える彼等の姿勢は、きっと観客の心に響いたに違いない。

最後は、「ありがとう!(観客)みんなと素晴らしいビバラのスタッフに、愛を贈るぜーー!」と叫んでからの『Love&DISCO』。
ビバラのオリジナルグッズに身を固めた衣装も含めて、埼玉愛、ビバラ愛を全身で表現した、最高のトップバッターだった。



✨✨ Awesome City Club✨✨

今、最も旬なアーティストと言っていいだろう。
カッコ良くてオシャレで、でもどこか懐かしさも感じるサウンド。

俺が参戦した2019年には野外の無料ステージで歌っていた彼らが今年は一気にULTRAステージ。
こういうステージのランクアップにサクセスストーリーを感じるのも、フェスの醍醐味の1つだと思う。
この日のパフォーマンスからは、もはや貫禄すら感じられた。

ちなみに、新曲『またたき』終わりでatagi(ギター&ボーカル)が”いろんな想いや葛藤も有ったけど、今日ビバラのステージに立てて本当に良かった“という胸が熱くなるようなMCの後に、「それでは、最後の曲です。聴いてください。『またたき』。」と盛大に曲名を間違えたのは、ある意味この日のハイライト笑
あ、もちろん最後の曲は『勿忘』でした😊



✨✨スガシカオ✨✨

個人的大本命のスガシカオさんだけは、少しだけプチライブレポ風に。

スパイダー柄?のオシャレTシャツで満面の笑顔で、お馴染みの最強バンドメンバーと共に登場したスガさんを見ただけでグッときてしまう。
スガさんはアコースティックツアー中にコロナ禍に突入したので、フルバンドでの演奏を観るのが画面越しでも本当に久しぶりだったので😭

いきなり♪子宮にグルーヴをぶちこんでいこう♪の酷い歌詞wでお馴染みの『FUNKAHOLiC』からスタートし、いつもフェスでは“よそ行き“のセットリストなのに、「えっ、これワンマンでしたっけ⁉︎」って思うくらい濃厚なFunk Musicを連発!
スガシカオと言えば『夜空ノムコウ』とか癒し系のライブなのかなぁ?って思って観てたSS外(スガマニア以外)の観客、度肝抜かれただろうなぁ笑

極めつけは、「もっともっとFunkの渦を作っていくぜ!みんなも自由にノって自由に楽しんでくれ‼︎」と煽ってから、ワンマンでも滅多に演らない(と言うか数え切れない程ライブに行ってる俺でも聴いた事がない)『性的敗北』!
最後の♪世界中のどこかで誰かが今日も愛をささやいてる♪の無限リピートが狂気すら感じるほど美しく、画面越しの参戦なのにトリップしそうになった。。

安定の『午後のパレード』の盛り上がりで会場が一体になり、多幸感に包まれる中スガさんがマイクを握った。。

「ありがとう!今日はさ、声も出せないし、モッシュもできないし、お酒も飲めないし、、みんなにはかなり辛い状況を強いての開催になりましたが、こんなにたくさん集まってくれて、本当にありがとうございます!そして・・・本当に、やれて良かったね。」

この”本当に、やれて良かったね“って言い方がたまらなく優しくて、、もう観てて涙溢れてきました(ノд<。)゜。
たぶん、この言葉はステージ上には居ない鹿野さんや有泉さん、スタッフの一人一人に対しても語りかけてたに違いない。

「いろいろ規制は厳しいと思うけどさ。今日、さいたまスーパーアリーナでこうやってフェスが出来たっていうのは、大きな大きな証になったんじゃないかと思います。この先も、もう少し厳しい状況は続くと思うけど、俺たち(ミュージシャン)もいろんな所から音楽を届けて、音楽が止まらないように頑張っていきます。」

「だからみんなも、大変だと思うけど音楽を楽しむ心の余裕を持って、また音楽を待っていてください。今日は本当に、このステージに立てて、みんなの前で歌を歌えて幸せでした。本当にありがとうございます。」

こんな優しくあったかい言葉に胸がいっぱいになる中、Duranの歪みまくったギターが鳴り響き、最後に歌ったのはやはり『Progress』。
♪あと一歩だけ前に進もう♪のメッセージは、こんな時代だからこそ、より深く、優しく、強く、聴く人のココロに響いたに違いない。

「また昔のような、めちゃくちゃなロックな感じで会おうぜ!」

そう叫んだスガさんのキラキラした笑顔と、ファン以外を置き去りにしてでも伝えたかったコアなFunky Grooveに、間違いなく音楽のパワーと、俺たちファンとの絆を感じた、そんなパフォーマンスだった。

ありがとう(ノд<。)゜。




✨✨ Creepy Nuts✨✨

スガさんは(個人的に)別格として、5日間の配信で俺がベストパフォーマンスだったと思ったのはCreepy Nuts。
HIPHOP勢唯一の出演という事で多少のアウェイ感は有ったはずだが、それをものともしないパフォーマンスは、流石に踏んできた場数が違う。

『よふかしのうた』『合法的トビ方ノススメ』『顔役』と上がるしかない”THE Creepy Nutsな曲”を立て続けにぶちかまし、一気に会場を1つにしてしまった。
特にR-指定が「知ってるかい?今日のライブ、飛び跳ねるのは”合法“らしいぞ!」と叫んでからの『合法的トビ方ノススメ』はヤバかった。
画面の前で思わず「最高!」と叫んでしまった笑

そして、2018年にVIVA LA J-ROCK ANTHEMSのゲストとして登場した時にパフォーマンスした曲を、アルバムで正式にカヴァー(アルバムでは菅田将暉くんがゲストボーカル)した事をMCで報告したR-指定。

「レコーディングにはANTHEMSのメンバーが全員弾きにきてくれました。なので、この曲のサンプリングには(昨年天国に旅立った)津野米咲さんの音も入ってます。音楽というものは、例え本人が居なくなっても、こうやって残って、繋がっていきます。」と語った後に想いを込めて披露された『日曜日よりの使者』は、あまりにカッコ良く、あまりに感動的だった。

最後の、日本の音楽シーンでの彼らの存在を絶対的なモノにしたと言っても過言じゃない『かつて天才だった俺たちへ』によってもたらされた高揚たるや。
画面越しから見ても会場が”この2人について行けば間違いない”という多幸感に満ちていた。



✨✨秋山黄色✨✨

昨年の『ビバラ!オンライン2020』に続いての出演だけど、実は正直昨年は、個人的にはそれほど印象に残らなかった。
でも、このコロナ禍でライブができない状況の中、音楽シーンでの存在感をグングン大きくしてきてるだけに、どんなライブをするのかなぁと注目していた。

ステージに登場し、バンドメンバーと共に音を鳴らし始めるやいなや、抑え切れない思いを吐き出すように彼は叫んだ。
「俺が噂の秋山黄色です。よろしく!」

そこからのパフォーマンスは、何と表現すればいいかもう・・・圧巻だった。
この日(3日目)は王道ロックと言うよりはPOPとFunk、あとソウルにHIPHOP、更にはお笑い芸人さんたちと、様々なジャンルが混在している日だったのだが、その中で”これぞロック“というモノを見せつけるかのような、強烈なパフォーマンスだった。
あっという間の30分だった。

最後の『やさぐれカイドー』のカッコ良さと言ったら!
床を転げ回りながらギターをかき鳴らす黄色くんは、どこまでも真っ直ぐにロックしていた。
“噂の秋山黄色”は、オンラインMCのダイノジの2人が言葉を失うほど、マジで凄かった。


✨✨ ORANGE RANGE✨✨

3日目のトリを務めたORANGE RANGE。
独立してインディーズに戻ってからメディアへの露出も激減したけど、俺は今のORANGE RANGEの肩の力が抜けたスタンス、凄く好きです。

冒頭でHIROKIが「もう皆さん、充分でしょ?レキシさんでいっぱい笑ったでしょ?藤井風くんで音楽はもうお腹いっぱいでしょ?俺らの時は沖縄の風だけ感じてください。」とか言いながら『以心電信』『ロコローション』と誰もが知ってる代表曲を連発し、一気に観客のハートを鷲掴みにしてしまった。

そして「新曲演ります。」と言った後の拍手に対して「あれ?藤井風くんが“新曲演ります“って言った時の方が拍手が大きかったなぁ〜ww」と観客をイジるのも18年選手の貫禄か。
いや、俺には”今をときめくアーティストにも絶対負けねー“っていうプライドにも感じた。

トリだけに許されるアンコール曲は、恐らく誰もが待ってたキラーチューン『上海ハニー』。
懐かしさも感じながら、それでもORANGE RANGEという一時代を築いたスーパーバンドが、まだまだリアルタイムで走り続けてる事を強く感じる、そんな最高の1時間弱だった。



後編に続きます。

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