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『※関ジャム便乗企画 誰かを想って書いた曲 スガシカオ編』

皆様、先日(10/15放送)の『関ジャム』はご覧になられただろうか。

『誰かを想って書いた曲』という特集だったのだが、なかなか興味深い楽曲が紹介されていて、以前俺のnoteでも取り上げた さかいゆうくんの『君と僕の挽歌』のスタジオ歌唱もあり、とても素晴らしい放送だったと思う。

やはり思い出が直接歌詞になった楽曲のリアリティーには、どんなイマジネーションをもってしても敵わないんだなぁと、改めて思った。

さて、関ジャムでは取り上げられなかったものの、『誰かを想って書いた曲』と聞いて、すぐ俺の頭に浮かんだのは、スガシカオさんの”あの曲”であった。
まぁ、このnoteを読んでくださってる方はお解りでしょうが、当方スガマニアなもので(笑)。

スガシカオさんの曲には、それこそ『誰かを想って書いた曲』が多く存在し、それは決して世間一般に広く知られる曲にはなってなくても、リスナーの心に深く染み込んでいくような、そんな楽曲揃いなのだ。

それでは紹介させていただきます。

『誰かを想って書いた曲 スガシカオ編』

1曲目:スターマイン(アルバム『労動なんかしないで光合成だけで生きたい』収録)

この曲は、スガさんが初めて”聴く人の顔とか、その人たちが暮らしている生活の風景を想像しながら曲を書いた”曲。
つまり、我々ファン一人一人の顔を思い浮かべて作ってくれた曲なのである。
何て優しい。何と嬉しい事なのだろう。

※それまで1曲もそういう曲は無かったんかい!というツッコミはご容赦くださいw

『あともう少しで届くかもよ 君一人で もうとべるよ』


2曲目:正義の味方(アルバム『Sweet』収録)

スガさんが少年時代、近所に住んでいた謎の一家。
いつもTVの音が家の中からしていて、とても平凡な家庭なのだが、毎日どの時間でも誰も働きに出て行ってる様子がない。。

誰がいつ、どうやって生活費を稼いでいるのだろう??

そんな謎の一家は、ある日突然、忽然と姿を消してしまった。

どう考えても夜逃げやん!と思うけど、それを”あそこの父ちゃんはきっと平和すぎて出番が無かった正義の味方で、やっと出番がやってきたんだね”と歌う、少年目線の無邪気さと大人目線の皮肉が込められてる、スガシカオにしか書けないぶっ飛んでる歌詞。

ちなみにサウンドは、超ファンキーで激烈カッコ良いです。
そのギャップに悶えてくださいw

『近所に知り合いもいない 町内会もでない とにかくテレビをみてる たまにはみかんも食う』


3曲目:獣ノニオイ(アルバム『イノセント』収録)

最新アルバム『イノセント』収録のこの曲は、スガさんが友人と錦糸町でお好み焼きを食べた帰りにスコールに遭い、びしょ濡れになった友人の女性の服が透け、ムラムラした気持ちが歌詞になったという、まぁいわゆるラッキースケベな曲w
しかし、そんな歌詞をこんなオシャレでドラマチックなメロディーに乗せちゃう所が、天才たる所以ですね。

ってか、このエピソードあちこちでスガさん話しちゃってるけど、そのご友人と気まずくなっちゃってないか老婆心ながら心配でなりません(笑)。

『無限にふり続く 夏の狂ったイタズラは この街の何もかも淫らな色に染めていく』


4曲目:さよならサンセット(アルバム『イノセント』収録)

スガさんが、ツアーファイナルを地方までわざわざ観に来てくれた友人たちと一緒にカラオケに打ち上げに行ったのだが、その帰りに突然倒れて帰らぬ人になってしまった友人の事を歌った曲。

この曲をリード曲として各音楽番組で歌っていたのは、その亡くなられた友人に届いてほしくて歌ってたんだろうな。。
歌詞に反してサッパリした気持ちのいいサウンドが、「ただ悲しむんじゃなく、前を向いて歩く姿を見ていてほしい」という、故人へのメッセージのようにも感じる。

『ヒリヒリ赤く 腫れた傷みたいな色のサンセット』



5曲目:真夜中の虹(アルバム『THE LAST』収録)

末期癌を患った親友を見舞いに行ったものの、何も気の利いた言葉もかけれなかったスガさん。
帰りの飛行機の中で彼への想いが溢れ出し、その想いがそのまま歌詞になったのが、この曲。

「ナメクジ色の心を現実はメッタ切りにした」

「夜の十字架は たとえハリウッドスターでもはずせない」

「いつかまた君と歌う日が来たら 七色の歌がいい」

必殺の一行と言っていいフレーズが次々と登場する、スガシカオの独立後の最高峰とも言える歌詞が、本当にヤバい。

ちなみにスガさんは昨年、学生の頃からの大切な友人を亡くし、その友への想いがこの曲の歌詞に重なり、しばらく”真夜中の虹封印宣言”をされている。

また、いつかライブで聴ける日を、ゆっくり待っていたいと思います😂

『許されるなら君の痛みを ぼくのレスポールで粉々にしたい』


6曲目:お別れにむけて(アルバム『FAMILY』収録)

この曲、天国に旅立ってしまった凄く近しい人の事を歌っている曲なんだけど、本当に意味深で、とてもとても悲しい歌詞。

以前スガさんはアルバム『THE LAST』のインタビュー記事で、「ある出来事が1回終わって、自分の中でドキュメンタリーだったものが思い出に変換されたあとの言葉じゃないと歌詞にならない」と言っていたけれど、まさにそういう曲なんじゃ無いかと思う。

『君はどう・・・?やさしく笑えるの・・・ ぼくにはできないから そこから上手にしかってよ』


7曲目:ヤグルトさんの唄(アルバム『Acoustic Soul 2』収録)

スガシカオさんの歌詞には、両親が登場する事がしばしば有る。
ただ、あくまでもその表現としてはドライと言うか、どこか俯瞰して家族を見ている所があったのでは無いかと思う。

この曲は、そんなスガさんが、歳を重ねて少しずつ弱ったり衰えたりという部分を見せ始めた母親(ヤグルトさん)に、ストレートに愛と感謝を歌った曲。
だからこそ、通常のアルバムではなく、ライブ会場と通販のみで販売する”プライベートアルバム”に収録されたのであろう。

『人はみんな誰かの命を支えて生きる 愛情にくるまってると それに気づかない』


8曲目:木曜日、見舞いにいく(アルバム『4 FLUSHER』収録)

癌で入院中の父親を見舞いに行った日の事を淡々と綴る歌詞。
陽だまりを感じるような穏やかなメロディー。

でも、言葉の端々に愛を感じて、虚しさを、寂しさを感じて、それがココロの奥に住む弱い部分を揺さぶってくる。

スガさん本人も「今までで一番よく書けた歌詞」とコメントしているが、個人的にもスガさんの楽曲でトップ10に入るくらい素晴らしい歌詞だと思う。

『あなたがもう言葉にしなくても ぼくにはわかるから・・・ 続いてゆく全てのことが 永遠じゃないこと』


9曲目:ふるえる手(アルバム『THE LAST』収録)

『木曜日、見舞いにいく』は父親が生前に書いた曲だけど、この『ふるえる手』は亡くなった父親を想い、赤裸々に親子の関係性を綴り、感謝を歌った曲。

そしてTHE LASTというアルバムは、「50歳までに最高傑作のアルバムを作る」と宣言していたスガさんが見事に有言実行してみせた、それまでの音楽人生の集大成のアルバム。

そんなアルバムの1曲目にこの曲を持ってきた事。
「何度だってやり直せばいい」と背中を押してくれた父親への深い深い愛情を感じる。

『いつかのぼくの結婚式で そのふるえる手が見たかった 不器用な言葉と・・・』


10曲目:深夜、国道沿いにて(アルバム『労動なんかしないで光合成だけで生きたい』収録)

そしてスガさんの父親に捧ぐ曲3部作(←俺が勝手に呼んでる)最後は、父親とのリアルな想い出を綴ったこの曲です!

『SUGA SHIKAO TOUR 2019 ~労働なんかしないで光合成だけで生きたい』の大阪オリックス劇場公演に参加した際、この曲を歌う前のスガさんのMCが凄く素敵だったので、以前書いたレポから転載したいと思います。

スガ「んっとね。。俺が小中学生だった頃の話なんだけど、、俺の両親はジミヘンが大好きで、いつも我が家の生活は、音楽と密接に繋がっていました・・・なんて事を言ってみたかった!ww」

観客「(笑)。」

スガ「俺の家はさ、音楽不毛地帯でさぁ(笑)。我が家には、3枚のアナログレコードしか有りませんでした。1枚は、母親の所有物である『美空ひばり大全集』。もう1枚は父親所有の『※演歌・歌謡曲ヒット集』、そしてもう1枚は俺所有の『クラシック名曲集』、その3枚のアルバムが、我が家に流れる音楽の全てでした。」

(※スガシカオさん本人からご指摘があり、お父様所有のレコードは『演歌・歌謡曲ヒット集』ではなく、『高橋竹山 津軽三味線の全て』との事です。うろ覚えで、大変失礼いたしました💦)

ジッと聞き入る観客。

スガ「そんな環境からシンガーソングライターになったのって、奇跡だよね(笑)。でね、そんな音楽環境の家庭なものだから、俺の父ちゃんは俺がデビューしてからも俺には何にも言ってこないし、全然音楽に関心がないみたいでさ。俺もJ-POP界隈の話とか父ちゃんにしても仕方ないし、何にも仕事の話はしなかったんだよね。そんな事してるうちにガンで亡くなっちゃって。」

スガ「俺、独立した年からSNS始めて、結構いろんな人から直接メッセージ貰ったりするんだけど、ある時SNSで父ちゃんの担当だったって看護師さんからメッセージもらって。」

スガ「“スガさんはライブのMCでお父様の事をコミュ症だって仰ってますけど、私の知ってるお父様は、とても明るくて優しくて、よく笑う方でした。”って。そんな父ちゃん見た事無いからビックリして。」

スガ「それでさ、父ちゃんは結構長い間入院してたんだけど、担当の看護師さんが代る度に、“ウチの息子が歌手をやってるんだけど、今度CDが出るんです。良かったら聴いてやってください。”って宣伝してたんだって。。」

スガ「『木曜日、見舞いに行く』って曲があって、その曲は父ちゃんの入院してる病院に見舞いに行った時に浮かんだ曲なんだけどさ。ちゃんと父ちゃんは、その曲の事も知ってて、“この曲は私の所に息子が見舞いに来た時の事を歌ってるんです”とか言ってたんだってさ。」

このエピソード聞いて、もう涙止まらなくなりました。
そして、、スガさんがkokuaの『砂時計』に書いた歌詞。
あれは、やっぱりお父様の、“一人息子である止戈男”への想いを想像し、言葉にしたモノだったんだろうと確信し、胸がいっぱいになりました。。

スガ「俺には一言もそんな事言わなかったけど、ちゃんと“ミュージシャンスガシカオ”ってのを認識して、応援してくれてたんだなぁって、今更知って。そんな父ちゃんとの、俺が小中学生時代の頃の事を歌ってる曲です。『深夜、国道沿いにて』。」

『食べ終わったら いつも父さんパチンコ行くから 先帰るね お菓子たくさん取ってね』


以上!スガマニアの端くれである私けんりきが、独断と偏見で選んだ『誰かを想って書いた曲 スガシカオ編』でした。

ここに紹介した以外にも、スガシカオさんには昔酷いフラれ方をした元恋人との事を書いた曲も多数あり、(ライブのMCで「曲にする事で慰謝料を貰っている」と発言する程w)その曲たちも良い曲揃いなので、また機会があれば紹介させていただこうと思います(笑)。

現在、超名盤『イノセント』のアルバムツアーと、弾き語り120分1本勝負のHitori Sugar Tourを並行して開催中のスガさん。
ライブに行けば、ここで紹介した曲の中から聴ける曲があるかも??

過酷なツアーですが、最後まで健康で無事完走できる事、そして1公演1公演が痺れるような最高のライブになる事を、心から願っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
サンキューベイッ‼︎😉


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