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映画の中の「多様性」をどう評価するか
最近は欧米の新しい映画を見たときに「あ、多様性に配慮してこういう描写になってるのか」と感じることが増えてきた。
俳優やスタッフの人種や性別をこれまでより多様に、テーマも「多様性」、という構えで映画が作られる新しい流れは、それ自体はいい。んだけど、それがなんというか「型だけ」になってしまい、中身がまるで薄い映画・ドラマが出てきている。
そうした映画を見ると、逆に作品の「多様性」を支える柱が崩れて
笙野頼子「返信を、待っていた」の問題点
今さらながらようやく笙野頼子「返信を、待っていた」を読んだ。
以前スペインにいるとき、ツイッターで、群像に掲載されたこの作品の抜粋を目にし、そこに新宿の飲食店ベルクについて中傷、デマが書かれているらしいことを知り、ぼく自身それに関してツイートしたことがあった。だから、帰国したら自分の目で確かめなければ、と思っていた。
1 作品にふれる前に
新宿ベルクは、ホットドッグなどが美味しく、何度も通って