【相葉くん･の】アイドル性
相葉くんについて書こうと思うと書くべきことが多すぎるのでキーワード別で思いつくままに。
相葉雅紀はアイドルだ。大手男性アイドル事務所に所属するアイドルグループ嵐のメンバーなので、アイドルである。嵐は国民的アイドルなんて呼ばれたりもするし、相葉くんはジュニアのときからスーパーアイドル相葉ちゃんなんてニックネームをつけられていたし、バラエティでもドラマでもラジオでも「アイドルだから」「アイドルなのに」「アイドルだもんね」「アイドルですから」という冠をいつも背負い続けている。
そもそもアイドルって何なのかってすごぉく難しい問題なのだけど、本来は偶像って意味の英語なので人気のある若いタレントのことを総じてアイドルと言ってしまう場合もあるし、wiki曰く日本の芸能界では成長過程をファンと共有し、存在そのものの魅力で活躍する人物がアイドル、らしい。なるほどな。確かに存在そのものよりもひとつの芸が売りとしてあれば、歌手とかダンサーとかアーティストとかミュージシャンとかシンガーソングライターとかお笑い芸人とか俳優とか声優とかになるわけだ。もちろんひとつの芸があっても存在の魅力が強ければアイドルだと言われたり自分で謳うことも可能。それはもう自称の問題だ。所属事務所がどう自称「させるか」という話もあるけど。ちなみにPerfumeは自称アイドルである。
ひとつの芸があってそれを名乗っていれば、そこへのプロ意識って分かりやすいけどアイドルのプロ意識ってじゃあなんだろう。人間的魅力といわゆるアイドル的パフォーマンス(歌って踊ってファンに愛想を振り撒く)と、恋愛的投影をされていることを受け入れて表面上だけでもきれいな存在であること、あと弱みとか成長過程をある程度さらけ出すこと？ここでスターとアイドルの違いってのがあるね、スターは完璧でいればいいけどアイドルは成長過程をファンと共有するべきとされているのだ。そういう意味でジャニーズ事務所とか48、46グループがアイドルなのは、なんとデビュー前とかテレビに出られる選抜の前から見せちゃうし、売れてないグループと売れてるグループ、あるいは個人、の上下関係が一般人で見ても明らかだし、っていう「弱み」を見せるシステムがもうできてるんだよなあと思う。
さて、ジャニーズ事務所にバスケがしたいと思って入った、つまりアイドルになろうと思って入ったわけじゃない相葉くんはそんなシステムのなかでアイドルになった。しかし相葉くんには、自分でそうは思っていないかもしれないけど天性のアイドル性みたいなものがある。なんだろう、とにかく自分がアイドルですと気負わずに言えるのが、すごい。
アイドルという呼称ははときに馬鹿にされる。アーティストとかのほうがかっこいいし、なんとなくおちゃらけたイメージ。それに自分で自分のことアイドルって言うと、私は存在を愛されていますよ～って言っていることにもなりかねないし、ひねくれた一般人だとそこに自意識を感じてしまう。ジャニーズ事務所のタレントを見ていても、意外と含みなくアイドルという言葉を使える人って少ないなと感じてしまう。ある程度以上の年齢の人々はときに「アイドル(笑)」とネタにしてしまうし、若い子達はときにアイドル以上のものになりたい、と無意識にアイドルという存在を下に見てしまう。アイドルとして消費される自分に抵抗を感じていても諦めすぎていてもなんかなあと感じる。ある程度売れていてファンのありがたみを感じている人たちはわりとアイドルについて真剣に考えている感じがして嬉しいのだが、それにしても真剣に考えすぎて「アイドル」であることをやけに背負ってしまったりはしている感じが伝わってきちゃう。
ナチュラルにアイドルなんで、って言えるのがすごいっていうのはそういうことだ。いやもしかしたら相葉くんだって色々考えているのかもしれないけど、それを表に出さないのはプロだ。嵐は比較的そういう人の集まりだけど、その中でも最もナチュラルだ。気負ってない。そしてアイドルに向いている。
例えば、男性は可愛いと言われるのを元来そんなに好まないけれどアイドルだとそう言われがちだし可愛いほうがいい。相葉くんはとても可愛い。なぜか女の子座りができたり茂みを歩いていたら頭にお花がくっついちゃったり風船の割れる音にビビりまくったりする。しゃべり方が舌ったらずで可愛いし言葉選びもキスじゃなくて「ちゅー」とか、ベリーキュート。霊感強いのもなんか可愛い。あとおバカなので、可愛い。漢字が読めないとか英語が喋れないとか忘れ物が多いとか変なこと言うとか。携帯と間違えてテレビのリモコン鞄に入れてくるとか。可愛いという言葉はアイドルととても相性がいい。可愛いのはけっこう、弱みだからね。そして可愛いという褒め言葉をも相葉くんはナチュラルに受け入れることができる。可愛いね！え～ほんと？ありがと！みたいな。めちゃナチュラル。松潤だと「可愛くねーよ！」になるしニノだと「知ってる♥()」になるからね。たまに「うそ～はずかし～///」ってなってるときもあるけど、また可愛い。
そんで女子にキャーキャー言われる男性アイドルなので当然かっこよくなきゃいけないが、まあそりゃ顔は当然かっこいいとして、それ以外でも相葉くんはとてもかっこいい。壁ドンが流行ったときバラエティでやらされたんだけど、彼は肘からがっつりドンしたのでめちゃめちゃ女の子と顔が近くてファってなった。なにそのオリジナリティ。爆モテだ。いわゆるかっこつけるのとかも、まあ若干ふざけちゃうときもあるけどお得意。担当贔屓でなく嵐の中でグラビアに一番幅があるのは相葉くんだよなとはずっと思っている。被写体としての才能がある。スタイルがよかったりファッションセンスがあるのもかっこいいよね。
そして歌を歌い踊ること。シンガーでもダンサーでもないアイドルは、技術じゃなくてファンに向かって一生懸命やってくれることがその一番の価値なので、もちろん技術がすごかったらすごいけど、上手じゃなくてもいい。相葉くんの歌もダンスも、きっと世間から評価されるようなレベルではない。もちろん普通の成人男性には絶対できないクオリティですよ？でも技術で言ったら上には上がいるって話だ。だけど私は相葉くんの歌とダンスが大好き。急に主観でごめん。相葉くんの特徴のある深い声が歌うメロディーも、長い手足ちょっと持て余すようにしゃかりきに踊るダンスも、めちゃくちゃ魅力的だ。得意じゃないという自負があるからこそちょっと必死な感じが、とても良い。彼がアイドルとして評価されて東京ドームとかMステとかでその歌とダンスを披露してくれるのは最高だ。あと、着実に昔より今のほうが歌もダンスも魅せ方が上手くなってるから成長を感じてとてもアイドル。
アイドルは、不況の時代に流行ると言われている。暗い時代に笑顔をもたらす。その子を見ているだけで明るい気持ちになれる。それもアイドルの大事な役割だ。相葉くんはめちゃくちゃ好感度タレントである。それも最近ぐいぐい好感度を伸ばしている。なんで？世間が今さら相葉くんの魅力に気づいた？CMの本数とかすごい顕著だしよく分かんないランキングとかもすごい上位にいる。弱みを見せるのもアイドルだから、暗い部分でファンを獲得するタイプもいるけど、相葉くんはそういう意味の弱みをほっっっっとんど見せない。まあなんかハワイコンサートで泣いたり、病気になって不安だったり、そういうのはあるけど必要のない部分はまじで見せない。プライベートが想像できないし、ドラマの共演者さんにも現場でも「相葉くん」そのままだよというコメントばかり貰っている。明るくてちょっとおバカでピュアでキラキラアイドルな相葉くんというキャラは、それがある意味素なので崩れない。ある意味と書いたのは、家に帰ってビール開けた瞬間にやっとオフになるとか自分で言ってるし、本当は器用でせっかちなことをプライベートで仲良しの二宮くんや風間くんに暴露されそうになるとキャラが崩れるからやめろって言うし、作られてはいるのだ。けど誰だってそうじゃない？表の人格は別に嘘ではないよね。とにかく相葉くんのそのキャラクターはデビュー18年目にしてめちゃくちゃ強固。裏を見せたくない、見せられない、っていうのはたぶん本来の性格上のものなんだろうなと、思うけど(私もわりとそうだから)そのボロの出なさが仕事に繋がってるんだから、最高じゃないですか。思想が強くないしなにかを否定しない、人を傷つけない、つまり単純にいい人だってのもありつつ、ピュアで分かりやすそうなキャラなのにいまいちどんな人かよく分からないのって、めちゃアイドルだ。
なお相葉くん、色んな書類とかの職業欄に書く職業については
会社員です。会社員ですよ。契約してるのでー。一応会社員ってかきますねー。だってそこになんて書く？なんて書ける？嵐？職業・嵐？(レコメン相葉リミックスより)
と自身のラジオで発言している。
タレントぉ？なんかさあ自分から…なんかさあ鼻につかない？(略)だってタレントってさあ直訳してみ？天才だからね！天才だよ職業自分の欄に天才！天才って！ちょっといらっとくるわ！(レコメン相葉リミックスより)
ですって。会社員です。書くときはね。
は～今回もくそ長いね。アイドルらしいアイドルの肯定をつらつら書いてしまったが、アイドル「なのに」というギャップだって魅力だろうし、アイドルであることをどう活用するかはその人次第。ただ、相葉雅紀はとてもアイドルらしい、ということが言いたかった。ジャニーズのオーディションで何か特技ある人～と言われて手をあげなかった少年は、特技なんかどうでもいい、存在していることが価値になる生き方を見付けた。そんな彼は今35歳、アイドル人生が事務所加入日からはじまったんだとすればアイドル歴は20年を超えている。ちなみにウインクはできない。
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