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紅麹とシトリニン:見え隠れする健康リスクと恩恵

はじめに

近年、健康食品としての紅麹が注目されています。その主な理由は、紅麹に含まれる「モナコリンK」という成分がコレステロール値を下げる効果があるとされているからです。しかし、紅麹には「シトリニン」という腎臓に有害な可能性のあるカビ毒が含まれている場合があり、これが健康被害を引き起こすリスクも指摘されています。この問題は日本だけでなく、ヨーロッパなどでも報告されており、注意が必要です。

紅麹の効果とは

紅麹は、コレステロール値を正常に保つために世界中で利用されています。臨床試験では、紅麹の摂取によりLDLコレステロール(悪玉コレステロール)および総コレステロールが有意に下がることが示されています。

シトリニンのリスク

一方、紅麹に含まれる可能性のあるシトリニンは、腎毒性を持ち、健康被害を引き起こす可能性があります。欧州では紅麹サプリメント中のシトリニン基準値の設定や、紅麹製品の摂取前の医師相談の推奨など、そのリスクに対する注意喚起が行われています。

安全な紅麹の選び方

紅麹の中にはシトリニンを生成しない菌種もあります。日本で主に利用される紅麹菌M. pilosusはシトリニンを生成せず、ゲノムにもシトリニン産生遺伝子が存在しないため、比較的安全とされています。

注意が必要な人

紅麹のサプリメントは、コレステロール値を下げる可能性はありますが、すべての人に安全とは限りません。特に子供や妊娠中・授乳中の女性、高齢者、筋肉や腎臓、肝臓に障害のある方は使用を避けるべきです。

使用上の注意

紅麹サプリメントは医薬品ではないため、服用中の薬や既存の健康状態によっては避けるべきです。特に、HMG-CoA還元酵素阻害薬やフィブラート系薬を服用中の場合は、紅麹の使用は避けるべきとされています。

おわりに

紅麹はコレステロール値を下げる可能性を秘めた健康食品ですが、含まれる成分や個々の健康状態によってはリスクも伴います。安全性や健康への影響を十分に理解し、必要に応じて専門家と相談しながら利用することが重要です。

以上


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