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会社員時代に感じていた結婚に関するモヤモヤについて

このnoteでもことあるごとにチラつかせてきたが、今年の初めに新卒から勤めていた会社を退職した。現在はフリーランスとして在宅で仕事をしながら、ポルトガル渡航の準備を進めている。こう書くとちょっとは格好がつくが、実際には28歳(になりたてホヤホヤ)にして小学生の夏休みみたいな日々を過ごしている。これからのことを不安に思わない日がないでもないが、どちらかというと期待の方が大きい。

収入は減ったし、だけど保険料やらなんやらでお金は出ていくし、ポルトガル行きのビザはなかなか発行されないし、でも、「なんとかなるじゃろ〜」と心のどこかで思っていられるのは、家族や友人の支えのおかげである。

こんな感じなので、これといった人生設計というものが私にはない。何歳までに結婚したい、子供がほしい、という考えもない。結婚したいと思える人が現れたらするかもしれないので、別に結婚したくないというわけでもない。そしてそんなふうに考える私のことを、今は「それでいい」と思っている。

家族から結婚の圧を感じたことはないし、親しい友達とはまだ結婚以外の話題でケタケタ笑い合っていられる。しかし、家族や友人、そしてどんな私でも受け入れてくれる可愛い愛犬だけが世界ではないので(当たり前)、社会は容赦無く結婚の圧をかけてくる。会社員時代は特にしんどかった。

1月までの約4年間、私は日系の大手メーカーで営業職として働いていた。全社的に見ても女性社員より男性社員の比率が高く、役員も男性ばかりの企業ではあったが、私の所属する事業部・部署はとりわけ女性が少なかった。営業職の女性社員は、私の上に1人だけ。先輩は同じ部署で、同じ仕事を10年以上続けながら、残業や休日出勤をしないと捌けないほどの業務量を常に抱えていた。

男性社員がこのような働き方をしている場合、プライベートを犠牲にする辛さは同じように感じているはずだが、その忙しさに彼らはプライドを持っているように感じたし、上司からも評価されることが多かったように思う。

一方で、30代後半で未婚だった先輩に対する周囲の意見は冷笑的で尊敬のないものであった。

「結婚してたら少しは幸せだったかもなー」と言ったのは、その先輩本人ではなかった。別の部署の男性社員が、彼女の境遇に対して同情的に言い放った。私はこの発言にとてもモヤモヤしていたにも関わらず、乾いた笑いで反応することしかできなかったのを、今でも後悔している。

結婚をしていたら幸せなのだろうか。捌いても捌いても捌ききれない仕事に、責任感を持って向き合っていたあの先輩は、不幸せなんだろうか。彼女の幸不幸は、結婚している/していないで簡単に決めつけられてしまうのか。

もちろん、そんなの間違っている。プライベートの話を自分からあまりしない先輩だったので、そもそも結婚願望があったかもわからない。何に幸せを感じる人なのかも、みんな詳しくは知らなかった。だけど、「仕事でプライベートを犠牲にしたせいで結婚できなかった哀しきアラフォー女性」のレッテルを貼られてしまう。

結婚は経験になるのに、結婚をしないことは「経験をしていないこと(未熟)」のように捉えられがちである。結婚で「幸せを手に入れる」と考える人は、独身を「手に入れられなかった人」と判断するかもしれない。だけど、「結婚をしていない」こともそれは立派な経験であり、幸せを手に入れる手段にもなり得るはずだ。


先日、親しい友人の結婚式に出席した。友人とその夫を見ていると、人生を共に歩むパートナーがいるということは、とても心強いだろうなと羨ましく思った。そして何より、彼女が彼女にとって最高のパートナーと出会えたことを、改めて心から嬉しく感じた。
アラカン母の友人には、どういうわけか未婚女性が多い。彼女たちは趣味の海外旅行や推し活にお金と時間をかけていて、とても自由に暮らしている。そういう自由な暮らしにも、私はとても憧れるのだった。

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