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「UXデザイン」と「インサイト」から【行動】を深く理解する

2023年9月末から、素敵なご縁をいただきUXデザインを学ぶ機会をいただきました。

それまでは、自分自身と接点のなかった「UXデザイン」
当時の私と同じように、この記事を読む方にもUXデザインに馴染みない方がいらっしゃるかもなので、少し説明させていただきたいのですが…少しかじった僕の説明よりも、より理解が進む記事があるので貼り付けておきます。

私が普段、クライアントの行動をより良い方向に向けてサポートするお仕事をする中で、記事の主である江渕さんとUXデザインに接点があり学びの機会をいただきました。

行動が繰り返される仕組み

このアカウントで公開している他の記事でも取り上げていますが、行動には学習する(繰り返される)ための仕組みが存在します。

この行動の原理原則を研究する行動科学が「応用行動分析学(以下ABA)」であり、僕はこの原理原則とコーチングなどを組み合わせてクライアントの目標達成をサポートしています。

行動を理解する「ABC」

行動が繰り返される仕組みを考えるときには、ABC分析を用いて分析を行います。
ABC分析は、行動を理解するための基本的な重要な考え方(視点)です。
ABCにはそれぞれ意味があり

A:Antecedent/先行刺激
B:Behavior/行動
C:Consequence/結果

を表しています。

私たちの行動は
先行刺激を受け、行動が生起し結果によって繰り返されるか否かが決まる。
といったプロセスを踏んでいます。

ABAでは、この流れを分析することで特定の行動の生起頻度をコントロールすることができ1980年代から発達支援の現場や、動物園水族館での大型動物の飼養管理に応用されてきました。

ABAという視点で行動を見ると、増やしたい行動の頻度を増やし、減らしたい行動の頻度を減らすことができるので、コーチングと合わせることで目標達成に必要で重要な行動を作り、結果的には人生を変える習慣にまで落とし込むことができるようになります。
(さらっと書いてますが、結構大変です笑)

UXデザインで考えるユーザーのインサイト

少しUXデザインの話に戻ります。
前にあげた記事から抜粋させていただきました。

UXデザイン(User Experience:ユーザーエクスペリエンス)は、製品やサービスの使用者が経験する感情や反応、挙動を改善し、ユーザーにとってよりよい体験を提供するためのデザインプロセスです。

UXデザインのフレームワーク、ダブルダイヤモンドモデルとは?江渕大樹/株式会社VERSAROC

とのことなのでUXデザインでは、ユーザーの体験に注視することが非常に重要なことがわかります。この点で、非常にABAと親和性があると感じました。

そしてUXデザインを考える際に、ユーザー視点が重要ですが、そこで出るのが「インサイト」という言葉です。

インサイト(insight)は英語で「洞察・見抜くこと」という意味です。ビジネスやマーケティングの分野では「顧客や消費者の隠れた本音」を表す言葉

Google

このインサイトを通してユーザー自身も自覚していない行動の心理的背景を理解することが、ユーザー理解につながるとUXデザインの学びの中で感じました。

では、ABAにおけるインサイトとはどの部分なのか。
個人的な興味がすごく湧くポイントです。
その結果が、ABC分析における「A」です。

Antecedent/先行刺激

ABAにおけるAは簡単に「行動のきっかけ」とお伝えすることが多いです。
ただ、この行動のきっかけは非常に奥深く、知れば知るほど深い世界と感じます。

私たちは意思を持っていますが、先行刺激は無意識に僕らの行動に作用し行動をコントロールすることもあります。
(むしろ、その方が多い気もします)

先行刺激は「行動のきっかけ」です。

その特定の刺激は、ある場面で特定の行動を引き出し、直後に結果を生みます。これを繰り返し経験し、学習することで動物は行動を獲得しています。

例えるなら…
赤信号(先行刺激)で足を止め、青信号で足を進める。(雑な例…)

これを繰り返し経験することで、信号に従って安全に目的の対岸へ移動する行動を学習します。

この先行刺激になる「信号の色」は意識的・無意識的に「結果」を連想されるものになり、分かりやすい言葉で言い換えるなら「報酬」と結びつきます。

今回の例で言うと、報酬に当たる部分は
赤信号で足を止めることで「安全が手に入った」
青信号で足を進めることで「道路を渡り目的の場所に到達できた」
という感じでしょうか。

確立操作

さらに、この先行刺激に大きく影響を与えるものが「「確立操作」です。

確立操作は、特定の刺激や状況があるときに行動が効果的になるように影響を与えるプロセスを指します。確立操作によって、行動の変化を引き起こす前に特定の条件や要因を整えることで、行動が起こりやすくなります。

(個人的には動機づけという認識で、行動の結果の効果を最大にできる状態に心身ともに設定が完了されたイメージ)

確立操作には、「お腹がすいている」といった内部的な状態や、「特定の物が欲しい」といった外部的な状態が含まれます。これらの要因が行動の発生を助長するとされています。例えば、飢餓状態(お腹が空いている)が確立操作となり、それにより食べ物を求める行動が増えるといった具体的な事例が考えられます。(自然に起きる場合もあればそうでない場合もあります)

この確立操作が、結果に対して感じる「価値」に大きく影響します。
結果は行動を繰り返すために重要なため、行動を起こす動機の理解にとても大切になります。

例えば「飲み物を飲む」という行動1つを取ってみても
【確立操作】
・運動した後で喉が渇いている
・気温が高くなっている
・体温が高くなっている
・食事の時間が近づいていた
・周囲に飲み物を摂っている人がいる
・飲み物の広告や看板を目にした

と、行動を起こさせる動機につながる要因が考えられます。
こうした視点を深く考え形にするUXデザインは、人の行動の理解をする上でも非常に魅力的に映ります。

これを読んでいるあなたも、上記の確立操作が起きている時に飲む飲み物は特別な1杯になると感じませんか?

逆に、上であげた状況と全く逆で
・飲み物を摂った直後で喉が渇いてもない。
・お腹もいっぱい
・運動もしてない
・疲れてもない
状態であれば、飲み物を飲むという行動が出にくい。(ですよね?)

最後に

私たちの行動は「周囲の環境」や「内部的な状態」に大きく左右されます。
また、ほとんどの行動には、行動が起きるきっかけが存在しています。

この行動が起きるきっかけである「先行刺激」に、人の行動動機が隠れており、それが目に見えない心理の奥深くまで続いているという魅力。

やっぱり行動は面白い。
そして今回、UXデザインを学んで理解を深めることで、行動の原理原則を突き詰めて、もっと深い深度で人を理解することができるかもしれない。
そんなワクワクを感じています。

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