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他業界の倒産から美容サロン業界が学ぶこと


はじめに:経済の波に直面する美容サロン業界

こんにちは。円安やコスト高など、日々さまざまなニュースを目の当たりにしていますが、それに比例して倒産のニュースも増えています。私たち美容サロン業界は、これから何を学び、どのような対策を講じるべきかを、他業界の倒産事例を交えて考察したいと思います。

まず、これらの事例から美容サロンが学ぶべきことは3つあります。①コスト(原材料)高に備える、②レッドオーシャン市場での生き残り方、③これらを踏まえた美容サロン業界の予測、です。

①コスト高の現実と対策

焼肉店やラーメン店など飲食業の原材料率は30%前後と言われています。円ドルがコロナ禍前後で1.5倍になったことで、輸入品の多い牛肉や小麦粉の仕入れ価格も1.5倍以上になりました。つまり、原材料費が30%から45%に上がるということです。ラーメン屋は1000円の壁があり、それ以上の値上げが難しいとされています。仮にこれらの企業がこれまで5〜10%の利益が出ていたとしたら、原材料費が15%上がることで、これまでの利益が15%減り、-5%〜10%の赤字に転落する可能性があります。私たちも原材料に比例して値上げを行うか、コストを下げるかを検討する必要があります。

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②レッドオーシャン市場での生存戦略

美容室、ネイル、マツエク、エステなどのサロン業界と同様に、非常に競争が激しい(この状態をレッドオーシャンと言います)歯医者業界での倒産が増えています。レッドオーシャンの業界では、大きく2つの戦略があります。1つ目は差別化戦略、例えば、特定のサービスに特化したサロンや歯医者などです。2つ目はコスト戦略、他の店舗とは違う価格設定で競合が真似できないようにする戦略です。サロン業界は、特に差別化が重要です。我々は、強みを際立たせ特化するか、価格で攻めるかを検討する必要があります。

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③美容サロン業界の未来予測

大企業と中小企業、大都市と地方を分けて考える必要があります。上場企業を中心とした大企業は値上げに成功して増収増益を達成しており、日経平均株価の最高値を更新しています。一方、中小企業は減収減益が続いています。自サロンの拠点が大都市にある場合、顧客の所得増による恩恵が見込まれますが、コロナ後のテナント料の急騰には注意が必要で、新規契約はもちろん、契約更新時の値上げを想定していく必要があります。地方では、中小企業に勤めるお客様が多いのですが、これらの企業では減収減益が顕著で、単価の低下や来店周期の伸びが予測されます。

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まとめ:危機管理とチャンスの活用

美容サロン業界の景気は少し遅れてやって来ます。ピンチとチャンスは表裏一体ですが、高い利益率を意識することが何よりも重要だと思っています。高い利益率があれば、値上げするか否かの選択が可能ですし、差別化を図るための投資も行えるからです。経営者は、どんな状況でも、雇用を守り、会社を存続させることが求められる使命。厳しい状況を乗り越えた先に成長が待っているので、このブログを通じて、ともに成長していきましょう。

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