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サロン開業② 物件選びガイド

前回は、これから独立開業や他店舗展開を目指す方へ、頑張り続けるには大義と欲が必要とお伝えしました。今回は、開業を実現するための物件選びについて触れたいと思います。

【市場調査と物件選び】

1、勝てる市場を選ぶ

出店を検討する際、多くの方は自分が働いているお店の近くや、憧れだった地などへ出店を考えられる方も多いと思います。ただ、そのエリアが本当に開業に適しているのか、経営を長く続けられるエリアなのかを見極める必要があります。オススメの方法は、気になる複数のエリアをHOTPEPPER Beautyなどで、競合相手となりそうなサロンの予約状況を見ることです。予約が埋まっているサロンが多ければ、そのエリアは供給(サロン数)より需要が高いことが分かります。こういうケースは2種類あり、一つ目が穴場のエリアであるケース。新興住宅や新設学校が増えたりし、エリアの人口が増えているケースです。二つ目は商業テナントの供給量が少ないケース。こういう場合は根気強く地元不動産屋さんにアタックしたり、空きそうな物件の管理会社へ連絡するなどし、物件を掴むことに注力します。

2、物件と内装で差をつける

美容室はメニューや薬剤で差別化するのがとても難しい業態です。だからこそ、物件選びと内装が差別化させれる大きなポイントです。

①立地や物件スペック
人通りの多い通りや目につきやすい場所にある物件はもちろん、ちょっと癖がある物件だけど格安というのも面白いです。安ければその分他に予算が使えるからです。物件スペックはガラス面が多かったり、外の景観が綺麗だったり、天井が高いなどは良いサロンを作りやすいです。ただし、必ず電気ガス水道について、内装屋さんも交えて管理会社に確認してください。先日、ガスが通せると聞いていたはずなのに直前でガス会社が許可をせず、電気温水器で対応しなければならなくなり、余計な出費と共に高額な光熱費になりえるリスクを背負うこととなりました。確認してもそんなこともあります。サロンは一度出店したら簡単には移転できないので、物件選びにはこだわりましょう。私は出店すると決めてから、納得できる物件に出会うまで3年くらいかかる場合もあるくらいです。

②内装会社選び
(1)内装業者選びのポイント

ある程度の相場観やデザインの方向性が定まるまでは、複数の内装会社に見積もりや提案をもらうことをおすすめします。正直、東京を含む一都三県は選択肢が多いためそこまで内装会社選びに困るケースはないと思います。問題は地方です。思い描く内装のデザインはあれど、それを適切な価格で実現してくれ、かつ美容室として使いやすい配置を実現してくれる内装会社が少ないのです。まずは、美容室を手掛けたことがあるか確認してください。特に、スタッフやお客様の動線を理解しているか、使いやすいコンセントの配置やブレーカーの落ちない配置を知っているか、シャンプー台周りの使い勝手を理解できているかを確認すると良いと思います。

(2)内装の相場感
相場に関しては、エアコンや設備系の設置状況や、物件の老朽化等で相場は大きくブレます。一般的に10坪〜15坪程度なら内装費用は坪55万円〜80万円ほど。15〜25坪程度だと坪45万円〜70万円ほど。25〜40坪程度だと坪40万円〜65万円ほどに収まることが多いです。ただ、天井壁床をどんな素材を使うのかでかなり変動しますし、外観を作る作らないで100〜300万円くらい変わります。そして、昨今、原材料が高騰し、職人不足もあり、コロナ前より2〜3割内装費が上昇しています。そして、先ほどの坪単価以下でも内装は作れますが、経験上、素材の原価を落とすため、老朽化が早いです。また、既製品の利用が増え、サイズ感がチグハグになったり、チープに見える可能性があります。

今回のポイントまとめ

まとめ

【市場調査と物件選び】についてお話ししましたがいかがでしたでしょうか?私はこれまで30店舗以上の出店を経験しました。年々、物件選びはうまくなっていますが、それでも日々反省することが多いです。物件選びで勝負の半分は決まるので、こだわっていきましょう。次回は銀行からの資金調達についてお話ししていきます。

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