見出し画像

エネルギーまちづくり塾を受講してみた!⑦

第2クールの新築編が終わり、第3クールの改修編に入りました。今週は住宅の改修編です!
ちょっと今回は細かな技術的なポイント的なのもまとめとこうと思います!

1 住み繋ぐ価値

日本ってなんとなく、いえづくりというと新築するっていう価値観が多いですよね。中古マンションのリノベなどはちらほら耳にしますが、中古住宅を買って改修とかリノベーションってなかなかハードルが高いイメージ?なのかわかりませんが、家づくりといえば土地を買って新築!という人が大半ではないでしょうか。日本だと古くなると住宅の価値は下がりますが、海外では逆に上がります。そういったこともあり、海外では住宅の流通の割合は中古の方が圧倒的に多いです。

国土交通省 「既存住宅流通市場の活性化」 資料より

日本は木造が多いという建て方の違いや、地震が多いという地理的な違いもあるので、簡単に同じようにとは言えませんが、きちんとした改修や維持管理をすれば価値が下がらない、もしくは上がるような市場になれば、親とか祖父母の家を改修して、子や孫が住み繋ぐみたいな価値観が増えていく気がします。そんなことを言ってる私も今いえづくりを新築でしていますので、偉そうなことはなにひとつ言えませんが。笑

2 耐震と断熱はセット

価値の話をしましたが、改修やリノベーションをする際に大事になってくるのが、「耐震」と「断熱」です。よくリフォームだ〜と言って、設備だけとか、壁紙だけとか、見栄え的な部分に手をつける場合がありますが、価値を上げるという意味合いからすると、住まいとしての基本的な性能である「耐震性」と「断熱性」の向上の方がよっぽど大事です。ただ、調べてみると消費者側が求めているのが「見た目のきれいさ」や「設備や仕様などのスペックの低さ・古さ」のようです。

国土交通省 「既存住宅流通市場の活性化」 資料より

見た目や設備的な性能はいずれまた経年によって劣化していきます。「耐震性」や「断熱性」は工法や材料の技術革新はあるものの性能自体の経年劣化はほぼ無いためそこの価値は下がりませんよね。資産的な価値の面からも最初に手をつけるべきは「耐震」と「断熱」です。昨今の空き家の問題も、「耐震」と「断熱」がしっかりすれば市場的に価値は向上するはずなので、本来なら買い手、借り手が増えるはずです。先の資料にある通り消費者側も本来の価値をきちんと見定め、求められるようにならないといけないですね。

3 住宅の断熱改修のポイント

断熱改修のいいところは、この部屋だけとかコストに合わせてとか、段階的にも可能なところです。さらに、以下のとおりいくつかポイントがあったので簡単なまとめです。
(1)断熱
まずは窓。サッシについては、①サッシ入れ替え、②カバー工法、③インナーサッシ(内窓)、④断熱ブラインドの4つの方法があり、この順にコストも安価になっていきます。特にインナーサッシは、コストも安めで断熱性、気密性が上がるし、遮音性も上がるのでおすすめとのこと。窓の断熱性を上げると結露を抑えられるので、カビやアレルギーの軽減という効果もあります。また、アルミサッシではなく、樹脂サッシがおすすめです。ガラスについては最低でもペアガラス、コストが許すならトリプルガラスへ。
次は屋根と床。屋根は夏の日射を、床は冬の床下からの冷気を遮ります。屋根は厚みを気にしなくても良いので、高性能グラスウールという種類の断熱材を二重にしたりするとコスト的にも良さげ。床は発泡系の固形の断熱材を用いることが多いようです。
最後に壁。こちらは状況によりグラスウールを使用したり、発泡系を使用したりです。
(2)気密
気密をする目的はふたつ。ひとつは、隙間風の防止。そしてもうひとつは、室内の湿気を含む空気を断熱層へ通すのを防ぐこと。断熱材の中には湿気に弱く、カビが生えてしまうものもあったりします。また、気密層の位置に気をつけろとのことで、基本は、室内側から仕上げ、下地、の次にくるのが気密層です。その他、気密シートを貼り上げる位置やビス穴、コンセントカバー周りなどの気密対策が施工的には大事とのこと。改修の場合、中々気密性能をとるのは難しいようですが、出来るところは徹底した方が良さそうですね。
(3)換気
住宅だと第一種換気か第三種換気になりますが、いずれにせよ「全熱交換型」の換気システムが必須です。詳しくは以下の新築編で説明してました。

4 ハウスメーカー住宅の闇

ハウスメーカーで建てた家の中には、改修やリノベーションが出来ない場合があります。型式認定って聞いたことあるでしょうか。同じ部材を使うことや同じ作り方をすることを事前に認定を取っておくことで、確認申請の審査が短縮され、工期を短く出来る住宅です。確認申請っていうのは、こういう建物を建てるけど、建築基準法に照らして問題ないすか?という申請のことです。ハウスメーカーの中には、この型式認定を取った住宅をつくるところも結構あるんですね。たくさん早く供給するための手段のひとつだと言えるでしょう。そういった家だと、いざ何十年後かに改修やリノベーションしようとなった際に、認定を取ってることで確認申請を受けていた仕様に手を加えてしまう形になるため、問題となるわけです。可変性や柔軟性という点ではデメリットですよね。供給側のメリットが住まい手側のデメリットとして現れてしまう住宅は果してどうなのかなと個人的には思いました。

5 面白かったこと

断熱改修時における細かな施工のポイント的な内容もいくつかあったのですが、意外と簡単というとかなり語弊はありますが、思っていたよりシンプルな話だなと講義を聞いていて思いました。もちろん改修の場合、剥がしてみてわかる問題もあるわけで、新築に比べたら住まい手も設計者や施工者も気にかけなきゃいけない部分は多くありますが、単純にめんどくさいからという理由で改修を諦めるのはもったいないなと感じました。あるものを大事にする手段として断熱改修は今後かなり重要になるはずです。

今回もだいぶ長くなってしまいました。簡潔に書く訓練をしなければ!
来週は、共同住宅の改修編です。お楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?