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エネルギーまちづくり塾を受講してみた!⑥

今週も楽しく書いていきます!

戸建て、共同住宅ときて、今回は公共建築の新築編です。正直すげー難しかったです。建築やってきておきながら、まだまだ知識不足を感じました。
そして、お膝元の話なので、耳の痛い話もありつつ、行政の縦割はなんとかできんもんかと改めて思いました。

1 地域最大の不動産オーナー

国や自治体ってすごい量の建物を所有しています。仙台市を例に挙げると、約360万㎡。東京ドームでいうと約78個!(言ってみたかった笑)ちなみにこれは公営企業と呼ばれる水道、ガス、交通、病院関連の施設とかは除いてます。すげー量ですね。内訳でいうと、学校が4割、市営住宅が2割、その他スポーツ施設やら、庁舎関係やら、コミセンとかの地域施設やら、福祉施設やら諸々です。

仙台市公共施設の「見える化」-公共施設のいま-(令和元年度実績) 本編より

また、日本の国や自治体が所有する公的な不動産の資産規模は、民間企業が所有する不動産と同レベルの資産規模であることがわかります。

国交省 土地政策の中長期ビジョン(国民生活を豊かにする不動産のあり方ビジョン) 資料より

まさに、国や自治体って地域最大の不動産オーナーというわけです。

2 公共建築が先を走るべき意味

国は2050年までに脱炭素を掲げています。建築の分野も例外はなく、それを実現するために、省エネという部分で建築物のZEB化(ZEBの意味等は後述します)、創エネという部分で太陽光の設置などが義務化も含め検討が進められています。そして、これはもちろん公共建築、民間建築すべてが対象です。となった時に、公共建築はやはり一丁目一番地なわけです。公共建築が出来ていないもしくは取り組んでいないことを民間建築も進めて下さいなんて言えないですよね。住宅などは感度の高い工務店さんなどが国の基準よりはるかに断熱性能の高い住宅をつくっています。非住宅においてももちろん進んでいる民間建築もあるとは思いますが、やはり先を走らなきゃ行けないのは公共建築なわけです。
仙台市も公共建築の断熱性能を変えていかなければいけないということで、昨年度からせんだいエネルギーまちづくり(公共施設断熱実証実験)を進めています。

3 公共建築の省エネ化における課題

講義の中で、公共建築の省エネ化において課題ではと挙げられていたのが、公共建築の発注の精度と公共建築のあり方の見直しです。公共建築の場合プロポーザルによって発注者の選定などを行うことが多いですが、その要件整理やシュミレーションの精度の問題と、人口減少や働き方が変わることによりコンパクト化・複合化していくべき、そもそも公共建築として建てる必要はあるのかなどファシリティマネジメント的な考え方のもとあり方自体を見直すべきという問題です。公共建築も時代の変化に柔軟に対応するために考え方や手法などを前提から変えていく必要があるということだと解釈しました。

4 省エネ関連指標が複雑すぎ問題

冒頭にすげー難しかったと書いたのは、非住宅系建築物の省エネ建築物に関連する指標が色々なものがありすぎて非常に分かりづらいということです。一応建築をやってきたのでひと通り名前は知っていたものの、住宅系に比べると複雑すぎて説明しろと言われるとうまく説明できないなというのが正直なところです。非住宅系建築物の脱炭素化がなかなか進まない要因としてこういった複雑さというのもひとつ問題なのではと感じました。まずは、省エネ建築の基準のひとつであるZEB(ゼブ:ネットゼロエネルギービル)です。住宅でいうZEHです。減らすエネルギーと創るエネルギーで、本来使用するエネルギーが正味ゼロとなる建築のことです。この中にも4つ種類があります。緑色のZEB以外(ニアリー、レディ、オリエンテッド)はダウングレード設定です。この3つはそもそもネットゼロになってないんだからZEBって呼べないじゃん、そんな設定いらんくね!?と個人的には思います。

環境省 ZEB PORTAL HPより

あとはPAL*(パルスター:非住宅系建築物の外皮基準の指標のこと)。住宅でいうところのUa値ですね。あとはBEI(一次エネルギー消費量)。これはその建築物が年間にどのくらいエネルギーを使うかという一次エネルギー消費量の削減割合のこと。BEI=0.6とすると、エネルギー消費を40%削減できる建物だよということ。その他、建築物の各種性能評価では、環境面だとCASBEE(キャスビー)やLEED(リード)、省エネ性能面だとBELS(ベルス)、健康や快適性などの面だとWELL(ウェル)、不動産の価値やファンド的な面だとGRESB(グレスビー)など。色々ありすぎるので詳しくは以下に説明ありです。

これらの各種認証制度は非住宅系建築物の省エネ化を今後後押しするのではという要素で、海外では労働環境契約の条件などにこれが記載されていたり、不動産価値評価と連携したりしているそう。つまり、こういった認証を受けた建物じゃないと企業として良いスタッフが取れない、投資が受けられないなど不動産市場としての影響をもろに受けるということです。SRI投資やESG投資などがもっと日本でも広まれば、かなり進んでいく気がしました。

5 面白かったこと

かなり個人的な感想ですが、行政の縦割はなんとかならんかと冒頭に書きました。公共建築の省エネ化の割と大きな壁ってそこな気がして面白かったというかまたそこかというか笑。脱炭素・エネルギー→環境部署、建築→建築部署、健康・快適→健康福祉部署、コスト→財政部署、地域経済→経済部署というように様々な要素が絡む上にそれぞれに担当部署があり、かつ、公共建築ってそれを所管する部署が一つの部署っていうのは稀で多くの自治体の場合担当部署が分けられている場合が多いはず。例えば、学校→教育委員会、市営住宅→住宅政策部署、地域施設→市民部署、福祉施設→健康福祉部署などというように。縦割り問題は何をするにも壁になりますね泣。逆を言えば行政が一丸となって進めにゃならんというわけです。仙台市も頑張るぞ、おー。

さて、来週からは第3クールに入り、改修編です。お楽しみに!

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