自分を受け入れられなかった日々
今となっては昔のことだけど、
まだ私が高一だった頃、
「ありのままの自分」ってやつを愛せなかった。
家族や友人達に存在を否定されてきた経験から、
素の自分は誰にも愛されないんだと気付いた。
だから自分らしさを隠して、
みんなに好かれるであろう偽りの自分を、
ずっと演じていた。
性的マイノリティーへの理解のない家族には、
Xジェンダーであることを知られてはいけなかった。
望まれる、理想的な「長男」として生きなきゃいけなかった。
当時、学校での私の口癖は「すみません」「ごめんなさい」。
何かあるごとに謝り、謝罪に謝罪を重ねる日々。
謝って許してもらって、嫌われないようにしようなんて、甘えた考えだけど、
当時の私は至って真剣だったし、必死だった。
本当に、嫌われるのが怖かった。
ひたすら自我を出さないように心がけた。
特に、数年間の片想いの末に、
お付き合いし始めた彼女さんには、
絶対に嫌われたくなかった。
そうこうしているうちに、自分らしさが何なのかわからなくなっていた。
みんなに受け容れられているのは偽りの自分。
本当の自分を好きでいてくれる人なんていない。
そう本気で思ってた。
理想の自分と余りにも無様な現実との乖離に苦しむ日々が続いた。
私は生きている価値なんてない人間なんだと。
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