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【最終回】自分を受け入れられなかった日々

最終回です。
前編、中編は上のリンクから!


翌朝、私は彼女さんに、
一晩考えた結果を伝えた。

確かに彼女さんの言う通り、
私は今までずっと本当の自分を隠していたこと。
それが本当に苦しかったこと。
だけど、自分は一人だと思ってたのは間違いで、
本当はちゃんと見てくれてたことに気が付けなかったこと。
本当に伝えるべきだったのはごめんなさいじゃなくて、
「ありがとう」だったこと。
時間はかかるかもしれないけど、本当の自分を取り戻して、
ありのままの自分でもう一回彼女さんと向き合いたいこと。

「ん、良かったじゃん」
短い答えの中に、全てが詰まっていた。

こうして私は、本当の自分を取り戻すための第一歩を踏み出すことができた。
だけど勿論、一朝一夕で元通りってわけにはいかなかった。

もはや自分が何者だったのかわからない上、
やっぱり本当の自分でいること、自我を出すことに恐怖があったし、
不器用なもので、とにかく色々と苦労した。

もう二度と戻れないんじゃないかって不安が何度も頭をよぎったし、
私はなんてダメなんだろう……って、
またお決まりの「私なんか」に陥ることだって多々あった。

だけどその度にまだ生きよう、
生きて自分を取り戻そうと思わせてくれたのは、
ひとえに彼女さんの存在だった。

自分に嘘をついたって何も生まれない。
「結局、人間はありのままの姿が一番美しいんですよ」って昔、
私の大切なフォロワーさんが仰ってた。
今は、本当にその通りだと思う。
いや、昔もそりゃそうだと思ってた。
だけどわかった気になってて、その本当の意味まではわかっていなかった。

これを読んで下さった皆様も、「私なんか」に陥るかもしれない。
そしたら、その時にふと、この当時の馬鹿だった私の話を思い出して欲しい。

自分に嘘はつかないで。
それは絶対自分を苦しめることになるから。
それから自分だけじゃなくて、
それを見る周りの人をも傷つけうることも、忘れないで。

人間、「ごとき」「なんか」なんていう不名誉な飾りがつく人はいない。
人はみんな、そのままの姿が美しいから。
完璧じゃないその姿が個性だし、それがあるから私は人が大好きだ。
どうか、「不完全な自分」を、受け入れてあげてほしい。
愛してあげてほしい。

お付き合いを始めたばっかりのころに彼女さんがふと言った言葉で、
三回に渡って続いたこのお話を一旦締めようと思う。

「ありのままの君でいて」。

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