とりとめ日記(17)旅立ちサンデー

十一月某日。祖母を見送った。成人してから火葬場で収骨までやるのは初めてだ。
告別室から火葬エリアへは直通になっていて、ずらりと窯が並んだホールに出る。煉瓦造りのレトロな駅舎のようだ。ハリポタ好きの私は「最終巻に出てきた駅に立ってるみたいだ」と感じた。
死者はここで「身体」から完全に解放され「心(魂)」となり、旅立っていく。生者の干渉できぬ遠くへ、あるいは近くへ。
私は嗚咽混じりに「いってらっしゃい」「大好きだよ」と声をかけた。
全てが終わり、祖母の骨壷(祖母はかなり骨がしっかり残っており、満杯になった)を抱えて帰路に着く。
喪服のまま小さな姪と甥と枯葉で遊ぶ。笑顔で見上げた空は、澄み切った青だった。


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