とりとめ日記(7)来たれ、蝕

十月某日。私は双眼鏡を持ち、自宅の周りをコソコソ移動していた。
ここ半月ほど、家で寛いでいると屋根裏あたりから鳩の鳴き声が聞こえるのだ。最初は「アレは次蟾か(十二国記参照)!」とわくわくしていたのだが、毎日まいにち夜中までポッポグァグァと鳴かれるし、麒麟も来ないしで、夢想逃避はすぐ終わった。
鳩が棲みついてるなら、白い贈り物が落ちているはず。掃除をする場所を増やす鳩は敵である。
不届きな鳩は、二匹いた。なるほど、夜な夜なガサゴソしてたのは睦み合ってたわけか! ケッ!
巣はどこかというと、自宅敷地内に限りなく近い隣の廃アパートだった。
嫌いな掃除から回避できたので、鳩に無血開城を願い出るのはやめにした。

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