とりとめ日記(106)平安朝の光と闇

二月某日。大河ドラマ『光る君へ』第五話「告白」を観た。
今作は(内容的にも環境的にも)闇夜が深い時代である。夜に使う照明具は灯火や松明などだ。貴族の大邸宅は燈明を惜しまなかったろうが、一歩外に出たら星や月の光がまばゆかったろう。
作中で兼家が安倍晴明に妃への呪詛を迫り、晴明に断られると、灯火を消し始めた。二つあった灯火のうち、一つが消えた瞬間、奥の御簾にゆらりと人影が見えた。その瞬間ぞくっとした。あの時代にしかできない演出で、政治家の闇をあらわにする仕掛けに、思い出すだけでわくわくする。
来週も楽しみだ。

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