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Webサイトの種類と作成目的。8種に分類し詳細とサイト事例を紹介。

私はこれまで約2年にわたってWebサイトの制作に携わってきました。

ひとくちにWebサイトといっても、伝えたい内容と目的によって種類わけできます。一般的なWebサイトの種類は下記の通り。


  1. コーポレートサイト

  2. サービスサイト

  3. LP(ランディングページ)

  4. 特設サイト

  5. ECサイト

  6. メディアサイト

  7. コミュニティサイト

  8. Webツール


本記事では自身の理解を深めるため、各Webサイトの詳細と事例を紹介。

サイト制作を検討している企業様、Web制作を勉強中の方にとっては参考になると思うので、ご一読ください。


【結論】種類わけを意識しすぎる必要はない

今回8種の種類に分けましたが、あくまで特定の目的達成をかかげ、不要なものを削ぎ落した結果にすぎません。

実際、1つのサイトで会社紹介も集客も商品販売も出来たら嬉しいし、叶えられるなら全ての目的を達成するのが理想。

しかし、多くを詰め込むと目的への導線が複雑化し、結果的にユーザーに望む行動を取ってもらえなくなる……ゆえの種類わけです。

実務では種類分けを意識しすぎず、サイトを作る目的とユーザーの分かりやすさを天秤にかけることが大事だと考えています。

上記を踏まえて、下記、お読み下さい。

コーポレートサイト

コーポレートサイトは企業の詳細や活動内容をまとめたパンフレットのようなWebサイトです。企業の顔となり、顧客/株主/求職者などが主なターゲットとなります。


コーポレートサイト作成の目的

  • 顧客/株主/求職者に対して信頼性を高め、会社の雰囲気を伝える。

  • 問い合わせ機能の実装でオペレーターが不在の時間帯でも、問い合わせ受付を可能にする。

  • 製品情報、最新ニュースをすばやく社外へ発信できる。


コーポレートサイトの特徴

  • 企業のイメージに合わせて作成することで、実際に会社へ行かなくても社風を感じられるようなWebサイトが多い。

  • 海外顧客が存在する場合は、日本語と英語で切り替えられる。

  • 所在やメールアドレスなどの連絡先、お問合せ機能が実装されており、業務時間外でも問い合わせ受付が可能。


コーポレートサイトの具体例


サービスサイト

サービスサイトは特定の商品やサービスを紹介し、商品の販促やサービスの利用方法をわかりやすく伝えるためのWebサイトです。


サービスサイト作成の目的

  • 自社の商品/サービスの理解を深め、見込み顧客の購入を後押しする。

  • 自社の商品/サービス購入者の利用方法に関するサポートをする。

  • 自社の商品/サービスの作成に関する想い、ストーリーを掲載することでブランディングする(ブランディングサイトについては下記Q&A参照)。


サービスサイトの特徴

  • 商品/サービスに変更点や更新があれば、迅速にWebサイトへ反映させる必要がある。

  • ターゲット層にトンマナを合わせ、商品/サービスに興味を持ってもらうようなデザインにしている。

  • サイトが完成した時や更新の際にPR活動を行い、流入を高めているケースが多い。


サービスサイトの具体例


LP(ランディングページ)

商品/サービス/キャンペーンを認知させ、購入や申し込みなど直接的なアクションを目的とするWebページ。サービスサイトと似ていますが、アクションを第一目的としている点で異なっており、メンテナンスも頻繁には行わず単発的です。


LPの目的

  • ユーザーに購入、申し込みなどのアクションを起こしてもらう。

  • 素早くユーザーの興味を惹き、流し見のユーザーに対しても訴求する。

  • 伝えたい内容を広く認知してもらう。


LPの特徴

  • Google広告などを利用し、SEOに弱い状態でも顧客へ認知させている。

  • 分かりやすく簡潔に情報を整理し、ユーザーを飽きさせないよう派手でメリハリのあるデザインが多い。

  • インデックスさせると主サイトよりも検索結果が上位になり、ユーザーを困惑させることがあるのでnoindex設定が設定されている(詳細は下記Q&A参照)。


LPの具体例

LPは広告を利用する関係上、期間限定な場合も多いため具体的な参考ページは掲載しません。

下記、LPに特化したギャラリーサイトを参考させていただきます。


特設サイト

ある特定の目的やイベントに関連して制作されるWebサイトです。具体例として採用サイトや周年記念サイトなどが身近に感じられるかと思います。


特設サイトの目的

  • コーポレートサイトやサービスサイトの一部として紹介するには過剰な情報を分割し、ユーザーの負担を軽減する。

  • 現状のサイトに掲載するべきではない内容をわけることで、主サイトの一貫性をたもつ。

  • 特設サイト経由で主サイトや商品/サービスを新たに認知してもらう。


特設サイトの特徴

  • 主サイトとは異なる「情報を伝えたいターゲット層に合わせたデザイン」で訴求が可能。

  • 情報の公開期限が終わればすぐにWebサイトを閉鎖できる。

  • リブランディングの効果測定ができる。


特設サイトの具体例


ECサイト

Electronic Commerce。電子商取引サイトの略称でインターネット上で商品やサービスを販売するためのWebサイトです。


ECサイト作成の目的

  • Webという新たな販路を増やすことで、商品の売り上げ向上を目指す。

  • 店舗では並べられない商品の販売を可能にする。

  • 顧客情報を収集し、マーケティング戦略を立てる。


ECサイトの特徴

  • 24時間いつでも商品を購入することができる。

  • 店舗よりも豊富な品揃えを用意できる。

  • 店舗に比べてスムーズに商品を探すことができる。

  • ユーザーの購買行動を分析し、戦略を立てることができる。


ECサイトの具体例


メディアサイト

ニュース記事や動画などのコンテンツで構成されるWebサイト。ユーザーは特定の事柄ではなく、様々な情報を求めて来訪します。企業が自社の商品に関する情報をまとめたオウンドメディアや、特定の事柄に関しての情報が集められたキューレーションサイト(まとめサイト)なども存在。


メディアサイト作成の目的

  • アフィリエイトや広告収入など外部からの報酬を受け取る。

  • オウンドメディアの場合、商品/サービスに関して豊富な情報があることを示して安心感を与える。

  • 新規顧客を取り込む。


メディアサイトの特徴

  • コンテンツが膨大になるので、わかりやすいサイト設計が求められる。

  • コンテンツの積み上げが必要になるので、完成に時間がかかる。

  • 紙媒体と比べて頻繫な更新が可能で、信頼性を高めるなら更新が必須。

  • 会社名等ではなく知りたいことを検索して訪れるので、新規顧客の獲得につながる。

  • パスワードを設定することで、特定のメンバー限定で社内研修等をeラーニングできる。


メディアサイトの具体例


コミュニティサイト

コミュニティサイトは利用者同士が交流できるサイトです。SNSや5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)などが例として挙げられます。


コミュニティサイト作成の目的

  • ユーザーのリアルな声を集める。

  • ユーザーとのコミュニケーションをとる。

  • 商品/サービスの周知を促す。


コミュニティサイトの特徴

  • 会員登録制度を採用しているサイトが多い。

  • 不適切なコメントを取り締まったり、管理の手間がかかる。

  • 特定の目的を持ったユーザーを集めることが多い。


コミュニティサイトの具体例


Webツール

画像作成、キーワード検索、お絵かきなどの機能が備わったサイトです。ざっくりとしていますが、これまでの分類に当てはまらない「その他」だとお考え下さい。


Webツール作成の目的

  • ツール利用による作業効率化。

  • アフィリエイトや広告収入など外部からの報酬を受け取る。

  • 自社商品/サービスをアピールする。


Webツールの特徴

  • アプリケーションをダウンロードしなくてもサイト上で利用が可能。

  • ~回以上の利用は有料など、制限がある場合がある。


Webツールの具体例


Webサイトの種類に関するQ&A

以上が各Webサイトの詳細と事例の紹介でした。ここからはまとめきれなかった内容をQ&A方式で紹介します。


Q. ホームページがないと融資の審査結果に影響が出る?

取上げ(審査の可否のこと)にホームページの有無は考慮していない。

有限会社メルシー「ホームページは融資の可否に影響する?銀行マンに聞いてみた」

巷では、ホームページがない会社は融資が通らないという話があるようです。Web制作会社からの営業として広まったのか。確かな出所はわかりませんが、ホームページがないと融資が得られないという正式なソースは見つけられませんでした。

融資の審査まで携わった経験はないので正確な回答は致しかねますが、ホームページ以外で企業の情報を伝える手段を持っていないのであれば、ホームページを持たないと企業活動が不透明になります。そういった意味ではホームページの有無で融資に影響が出るのは本当でしょう。


Q. ブランディングサイトは紹介しないのですか?

ブランドの価値を高め、顧客や取引先と社会全体に、自社と自社の商品やサービスを「独自のもの」として認識してもらい、他社と差別化を図る取組です。

三井住友銀行「ブランディングとは何をすること?意味や目的、向上の方法を解説」

今回の種類分けでは「ブランディングサイト」を(かなり悩みましたが)紹介しませんでした。

ブランディングの意味は様々な解釈がありますが、大きな意味として他社との差別化であると考えられます。

サイトが増え始めた昨今、Webサイトは情報を伝えるだけのツールを飛び越え、コーポレートサイトでもLPでも自社の特徴を反映した独自の見せ方をしていることが主流。

つまり、ブランディングはどの種類のサイトであれ、自然と必要になっていると考えたからです。

また、商品の魅力を伝えるサイトがブランディングサイトだと定義すると、「サービスサイト」がジャンルとして似通っている部分が多く、私としては包括していると認識しています。

以上の理由から、本記事ではブランディングサイトとしてのジャンル分けは行いませんでした。

あくまでWeb制作新参者としての考えですので、ご意見がありましたらご教授いただけますと嬉しく思います。


Q. ポータルサイトは紹介しないのですか?

ポータルサイト(portal site)とは、利用者がインターネットにアクセスし最初に訪問するサイト(Webページ)のこと。ポータル(portal)は入り口や門を意味する言葉である。

ITreview「ポータルサイトとは」

ポータルサイトは簡単にまとめると、コンテンツへたどり着きやすくするための玄関口です。

コンテンツを取り扱っている観点から、メディアサイトの中の1ページ(または検索機能)と考えられるので今回の種類分けからは外しました。

GoogleやYahoo!などのWebサイト自体の玄関口もポータルサイトという定義になっているようですが、そこまで行くと今回の「Webサイトの種類」という主旨からは離れるので、それらは対象外にしています。

ブランディングサイト同様、新参者の意見ですので、ご指摘があればご指導いただけますと幸いです。


Q. ポートフォリオサイトは紹介しないのですか?

ポートフォリオはクリエイターやアーティストが自身の実績を相手にアピールするためのものです。主な用途としては、転職や就職活動の選考で使用されるほか、SNSなどで自身の活動を発信するためのアピール用にも使用されます。

デジハリオンライン「ポートフォリオとは?意味や作り方・ポイント、おすすめサービスなどを一挙紹介!」

Web制作を勉強し、就活を目指す段階になると耳にするのがポートフォリオサイト。

引用の通り、作成目的は自分の実績を相手にアピールすることです。

つまり、サービスサイトの一種として考えられるので今回は外しました。

こちらも意見があればぜひコメントください!


Q. 複数のサイトを持つデメリットはある?

サイトが1つ増えるわけですから、もちろん管理の手間は増えます。たとえば、ドメインを新規で取得する場合は、ドメインの管理・更新の工数が増えますし、企業情報などに変更があった場合は、コーポレートサイトと採用特設サイトの両方を更新しなければいけません。どちらか一方は最新情報に更新してあるのに、一方は古い情報のままだと、両方のサイトを閲覧している応募希望者は混乱してしまいます。

kibidango「「採用特設サイト」は必要?」

Webサイトは作って終わりではなく、その後の効果測定や更新作業など、作ってからが本番です。

複数のサイトを運用するとそれだけ手間がかかりますので、作成後の運用まで検討する必要があります。


Q. 企業名とサービス名が同じ場合はコーポレートサイトとサービスサイトを分けて作成するべき?

サービス名と会社名が同じ場合、コーポレートサイトにサービスサイトを統合したほうが、自社の知名度アップにつながることがあります。

SiTEMANAGE「コーポレートとサービスサイトは分けるべき⁉それぞれの役割と構築のコツ」

今回はコーポレートサイトとサービスサイトを分けて紹介しましたが、サービスがそのまま企業の紹介となっている場合もあります。

上記の質問で回答したとおり、持っているサイトが増えれば増えるほど管理の手間がかかりますし、訪れるユーザーも分散してしまうので、絶対にサイトを分ける必要はありません。

下記、コーポレートサイトとサービスサイトが合わさった参考例を紹介します。


Q. 1ページで完結するサイトはどういう種類に分類されるの?

Webサイトとは、インターネットにある同一のドメインを持つ複数のWebページの集まりのことです。

SEDesign「Webサイトとは? ホームページとの違いや種類を紹介」

昨今では「企業情報」「商品紹介」など、伝えたい内容ごとにページ分けを行わず、全て1ページで紹介するサイトも増えています。

元々複数のWebページの集まりをWebサイトと呼ぶそうですが、ページ数がどうあれ、コーポレートサイトとして整理されているなら種類としてはコーポレートサイトになるでしょう。その他の種類でも同様です。

結論でも述べていますが、あまり種類分けに捕らわれる必要はありません。

事業規模が小さく、ページを分けることで中身がスカスカになる場合は、1ページでまとめた方が離脱を防げる可能性がありますし、ページ数が少なければ納品までのスピードも早まるというメリットがあります。


Q. LPを作ると主サイトに影響が出る?

LPをインデックスさせてしまうと、LPの評価本体サイトであるWEBサイトの評価と連動してしまうため、全体の評価が下がり上位表示されづらいサイトになってしまいます。

さらに、LPへのユーザー流入数が本体サイトより多くなってしまった場合、会社名などで検索するとLPが検索結果の上に表示されてしまうことがあります。こういった問題を回避するために、インデックスされないようLPにはnoindex設定をしたほうがよいとされています。

Infinity-Agent Lab「【簡単解説】Webサイトとランディングページの違いとは?」

主に制作担当として知っておきたい内容ですが、LP作成の際はインデックスさせると主サイトに影響が出るようです。

制作依頼を行う場合も予め制作会社に対応の有無を確認しておきましょう(その制作会社の意図によって付与されている場合もあると思います)。

<meta name=”robots” content=”noindex”/>

調査方法はHTMLファイルに上記のコードが記入されているか確認します。

Google Search Consoleを利用しても確認が可能です。

下記、参考サイトになります。


Q. コーポレートサイトの中にブログ機能を実装したい。

今回の種類分けはあくまで一般的な分類で、現実的には各サイトを複合したサイトも多く存在します。具体例としては下記の通り。

  1. コーポレートサイト×メディアサイト
    例:ブログ機能の実装。

  2. コーポレートサイト×ECサイト
    例:飲食店など、会社紹介と共に商品の購入が可能。

  3. メディアサイト×コミュニティサイト
    例:コンテンツへのコメント機能の実装。

1の具体例で紹介したように、コーポレートサイトにブログ機能を実装しているサイトは広く知られています。

例えば、株式会社LIGはブログ記事で集客を行いつつ技術力を示し、自社のシステム開発やWeb制作事業への導線を引いている秀逸な成功事例です。

しかし、メディアサイトの説明でも述べた通り、ここまでの完成度に至るには一般的なコーポレートサイトを作るよりも遥かに時間を要します。

当然、通常よりも機能を追加すると料金も膨れ上がるので、費用対効果をしっかり検討することは必須でしょう。

ブログ機能を実装したい場合は、noteのような外部のサービスと連携させる方法もあります。

0から立ち上げた自社サイトよりも素早くユーザーの目に触れさせることが出来るので、素早く効果を実感できるかもしれません。


素敵なWebサイトをまとめたギャラリー

実際に自分でWebサイトを作成する、または作成を依頼する場合、どのような目的でサイトを作成するかも大事ですが、どんなサイトにしたいかという希望を持っておくと話が進みやすいです。

普通に生活しているとあまり目につきませんが、世の中は素敵なサイトであふれています。

最後にそんな素晴らしいWebサイトをまとめたギャラリーサイトを共有しますので、ぜひWebサイト作成の参考にしていただければ幸いです!


下記、Web制作に関する詳細な学習内容をまとめています。

自身の業務での参考用ですが、もし興味があればご一読ください。

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