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オリンピック開幕男子バレーボールチームメダルへの道 準々決勝イタリア戦その2

イタリア戦が終わった次の日、私は京都の観光を続けました。

まずは、昨日のお礼参り。負けてしまったけれど、みんなが力を出し切ってすごい試合を見せてくれたことがありがたかったと。それを紙に書いて納めていただきました。

そのあとの予定は、太秦、嵐山方面。
高橋藍選手の出身地です。
行く前は楽しみだったのですが、昨夜の敗戦があったので、ちょっと辛いなあと思いながら、でもせっかく予定に入れたので予定通りに行くことにしました。

太秦の映画村は家族が行きたいと言っていたのでついて行く感じでした。
でも行ってみたら、
「ああ、ここはYouTubeで藍ちゃんが、子どもたちと入っていたお化け屋敷だなあ」
なんて思って。

そんなことを思っていたら、やっぱり昨日の試合が頭をよぎってきてしまいました。
昨日終わったときは、あまり悔しいと思わなかったのに、悔しいと言う思いが出てきて
「やっぱり勝ちたかったなあ。勝てた試合だったよな。あと1本だったのに。」
と言う思いが湧いてきました。

そして、映画村のあとは、藍ちゃんおすすめのコーヒーショップへ。
カツサンドとフレンチトーストがおいしいと言うことだったので、それを頼みましたが、ほんとに美味しくて、今まで食べたことのない味でした。
夫も息子も、美味しいと言って大満足でした。
お会計をするとき、マスターの奥様に
「とっても美味しかったです。高橋藍選手が美味しいと言っていたので、来たのですが。」
と言うと、
「ああ、そうなんですね。
負けられましたね。」
と言われて、一瞬言葉が出ませんでしたが、
「はい、とっても残念でした。」
と言って店を出ました。

そのとき、
「ああ、負けたんだ」
と思いました。

「負けましたね」でも「負けちゃいましたね」でもなく、

「負けられましたね」

藍ちゃんを知っていてリスペクトしている、その言葉が胸に刺さりわっと、泣きたい気持ちになりました。涙が溢れ出てきました。一人だったら声を上げて号泣していたかもしれません。

やっぱり私、負けて欲しくなかった。勝って欲しかったんだ。
でも、その気持ちに蓋して、受け入れられなくて。

西田選手が終わったあと、結構スッキリした顔していて、
「全部出し切った。悔しいけれどしょうがない」
と言っていて、私も同じだよなと思っていたけれど、次の日
「悔しくて眠れなかった」
とコメントしていて。

そうだよ。そんなにスッキリ割り切れる訳ないじゃん。
自分に正直に言葉にして伝えないと。

私だって同じじゃない。ちゃんと受け入れなきゃ。

負けず嫌いの私が、みんな頑張ったんだから負けてもしょうがないって、そんなことないでしょ?勝って欲しかった。もっと見たかった。もっと騒ぎたかった。
寂しいよ。悲しいよ。

ああ、言葉にしたら…
なんだか力が抜けました。

そして泣いたら少し落ち着きました。

選手たちは、終わった後みんな泣いていました。
石川選手は、ブランにもたれて泣いていました。

「赤ちゃんみたいに」
ってコメントしていた方がいましたが、ほんとに赤ちゃんみたいでした。

今まで、キャプテンとしてどれだけ自分を律していたのだろう。調子が上がらないとメディアにも言われてどれだけプレッシャーを抱えていたのだろう。
そこから何とか這い上がって、 それでも最後は自分の責任だと。
そんなに背負わなくていいのに。
他のメンバーだってそう思っていただろうし。
でも石川選手本人がきっと、それではいやだったのかもしれないなと。そう思うことで自分の力を発揮してきた今までの実績があるから。

でも、最後解放されて、ブランに泣きつくことができて、本当に良かったなあと思います。

きっと、この写真見るたびに私は大泣きするだろうなあ。
辛いでもない、嬉しいでもない。
なんだろう、張り詰めた糸が切れたような。僕、よくがんばったよねなのか、辛かったようなのか。

でもこれは言葉にできないです。
ただ、見ただけで泣けてしまう光景でした。

ああ、一つわかっていることは、私はずっと石川選手を見てきた。追ってきたということです。
だから、泣けるのだと思います。

他の選手も同じ。
関田選手の手を繋いで泣いている小野寺くん。ガラシやお母さんに抱きついて泣いている藍ちゃん。
そしてブランは一人一人に声をかけて一人一人とハグして目を真っ赤にして。

勝って欲しかったけれど、こんなすごい光景、こんな美しい光景、二度と見られないのかもしれないと今は思います。

東京オリンピックとは全然違う光景でした。
順位は同じ7位。

東京のときは
ここからいく!とみんなが次に向かっていた。
それが今回は、先のことは考えられない。
このチームで戦うことはもうない。
寂しくて辛くてそしてやりきったという思いもあって。

感動と言う言葉で私はまとめたくない気がしています。

選手たちはみんな同じ感想を言っていました。

「このチームが大好きです」
と。

本当に私も大好きです。
ほんとに寂しくてもう見られないのは悲しいけれど、
応援してほんとに良かった!!

この日のことは、ずっと忘れないだろうし、私の中ではNo.1の試合です。

選手の皆さん、スタッフの皆さん、ブラン監督、本当にお疲れ様でした。

そして
たくさんたくさんありがとう💕💕


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