Sto Lat
皆さんじいじやばあばには、会ったりしましたか?人生100年時代、どうぞ、これからも愉しんでいきましょう。
ポーランドでは、誕生日をお祝いする時に日本で定番に歌われるハッピーバースデートゥーユーの歌ではなく、Sto Latという歌が歌われるそうです。「万歳!100歳!長寿」のような意味。
「長生きしてね。」
的な歌詞ですね。先日、これを聴いていて、ポーランドに行ってみたい、と、思ってしまいました。
ポーランド国立放送交響楽団ジャパンツアー2022の千秋楽。
台風の影響で雨が降ったりやんだり、この湿気の多い中でのツアー、体力をリカバリー、メンタルもどのように調整するんだろ、大変なツアーだったのだろうなぁと予想する。先日の山下公園は、雨のち曇り。台風のわりには、波は凪に近く、穏やかな海でした。台風は過ぎ去り、その余韻の風が吹いているようでした。
最終日の始まりの音楽は、ツアーの終わりが近づいてしまうため、寂しさが増す始まりに聴こえました。
終わってしまうのか。やがて、その終わりは充実感に変化していきました。
自分で弾いているわけではないのですが、
ツアーの11日間を噛み締めるように、聴いていたら、序曲から涙がとまらなかった。なぜか、個人的なことをあれこれ思い出し、たのしかったなぁと振り返っていた。マスクの下で、すすり泣きをハンカチで抑えていた。
そして、初めて聴いたのは、いつだったか、小学5年生の頃だったと思い出した。
ちょうど、その頃、ラジオ番組の音源を探す担当をしており、主催の方から、すごい少年がいるから聴きに来て、と、言われて聴きに行きました。
それは、孤独を背負うような背中に見えました。その背中は、背筋が伸び、クラシックピアノを弾くような背中でジャズを弾いたのでした。たしかにずいぶんすごい少年がいるものだな、と、その軽やかな響きを覚えていました。
リトルピアニストなんて言葉は当てはまらない。ピアニストじゃないか、と聴いていて思った。
話してみれば、なんだかツノ口で、怒っているのか、何にも言っていないのに、と、何かに抗い、厳しい世界を知った後のように、とんがっており、早々と思春期を迎えているようでした。自分の世界を持っているようで、全く未知の空間、余白を持ち合わせているように思った。しかし、全く目が合わないし、相当私のこと嫌がっているんだな、と、引いて見守ったが、少し、イジリたくなり、感想を聞かれたので、少しいじわるな感想を伝えた。内心はエンタメの世界にやってこい。その時にそう思った。
その後、わたしは産休に入り、その時の仕事から離れ、その少年のことをしばらく忘れていた。そして、音楽を聴かない日々を送っていた。
コロナ渦中で、YouTubeで偶然見かけた手と背中の弾き方が気になり、ん、この響きは、もしかして???と、記憶を辿り始めた。
大人になったあの少年は、当時の宣言通り、開成に行き、東大に行ったようだ。その後の進路には、音楽家を選び、どうやら、抗いながらも青年になり、紆余曲折しつつもピアノを弾いていたのか、と、思うと、その迷ったかもしれない時間も愛おしく思えた。
軽やかな響きを聴き、また、音楽を聴いてみようと思った。
おかえり、bravo、おめでとう、ありがとう!!!
その時を待っていたよ。そして、待っていたのは、わたしだけではないはず。みんなに愛され、次の旅に出るらしい。
一つの旅は終わり、わたしは、自分の落とし物があったかもしれない。と、振り返っていた。
ショパン国際ピアノコンクール、楽しい日々だった。
ボンボヤージュ。
次はどんな旅になるのでしょうね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?