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毎日作曲することの重要性とそのコツ(日常的に作曲すると感覚が磨かれて、楽に曲が作れるようになる)

あらゆることと同じように、作曲も繰り返しやるほどに上達します

また、常に曲作りをしているとそれが習慣となって、取り組むこと自体が大変ではなくなっていきます。

この点について、以前に以下のようなツイートをしました。

ここでつぶやいているとおり、少し作曲から離れるだけでその感覚はかなり衰えてしまうため、上達を目指す場合には毎日曲作りに関する何かに取り組むことをおすすめしています。

これを踏まえ、こちらでは「毎日作曲をやること」の大切さと、そのためのコツについて解説してみます。


作曲は作曲で上手くなる

曲作りは「自分の中にインプットした音楽をオリジナルなものに変換してアウトプットする行為」です。

そのため、上達するためには必然的に

  • 音楽を聴くこと(=インプット)

  • 音楽を作ること(=アウトプット)

が求められます。

そのうえで恐らく「作曲したい」と考える多くの人が音楽を日常的に聴いているはずなので、上記のうち前者にあたる「音楽を聴くこと」は努力をせずとも実施できていることになります。

問題となるのが後者の「音楽を作ること」で、これは「さあ、作ろう」と実際に行動を起こさない限り満たすことができません。

やることによって上達できる

上記で述べた「インプット」と「アウトプット」を考えるにあたり、重要となるのが「作曲を上達させてくれるのは『作曲』そのもの」という点です。

こちらについては、以下のページでも解説しています。

つまりこれは「やることによって上達していく」というような概念で、その理由としては

  • 作曲の作業そのものに慣れるから

  • 作曲する感覚をつかめるから

などを挙げることができます。

上記別ページでも例として述べていますが、例えば英会話や料理、他にもスポーツなど、何かを上達させたければとにかくそれを何度も経験するのが一番です。

また、もっと身近なところでは仕事などにも同じことがいえるはずです。

毎日同じ仕事に取り組んでいると必然的にやるべきことに慣れて、より高い精度や品質で作業をこなせるようになっていくものです。

毎日作曲することは上達への近道

これが、こちらでテーマとしている「毎日作曲をやることの重要性」に通じるものです。

日常的な行為として頻繁に作曲に取り組むことで、上記で述べた通り作曲の作業そのものに慣れ、作曲する感覚をつかめるようになっていきます。

言い換えれば、(やったりやめたりするのではなく)毎日の作曲を通して常に曲作りを経験しておくことが作曲を上達させるうえでの近道になる、ということです。

毎日作曲をやるためのコツ

ひとえに「毎日作曲をやる」といっても、それを実現するのは思いのほか難しいものです。

これ以降は、どのようにそれを実行していけばいいのかという点についてより詳しく考えていきます。

1. 作曲に取り掛かるための敷居を下げる

まず真っ先に思い浮かぶのが「作曲に取り掛かるための敷居を下げる」という点です。

これは、簡単にいえば「作曲にすぐ取り掛かれる環境(状態)を作ること」を意味します。

作曲のスタイルによってもその環境はさまざまですが、例えばギターやピアノなどを使って作曲する場合には、具体的に以下のような案を挙げることができます。

  • 楽器をすぐ手に取れるようにしておく

  • 思いついたメロディやコード進行をすぐに記録できるようにしておく(録音環境、ノート、ペンなど)

このように書き出すとあまりに当たり前だと感じられてしまいますが、例えばギターをすぐ手に取って瞬時に作曲に取り掛かれる状態があるだけで、作曲に向かう労力は大きく軽減されます

■作曲にPCのみを使用している場合

作曲にPC(DTM)のみを活用している人は、DAWソフト立ち上げたり、周辺機器やスピーカー・ヘッドフォンを準備をしたりと、状況によっては作曲に取り掛かる際に時間が掛かってしまうことも多いはずです。

これには、例えばスイッチひとつですぐに環境を回復できるようにしておいたり、常に作曲用のPCとDAWソフトは立ち上げっぱなしにしておくなど、いくつかの対応策が考えられます。

最も理想的なのは瞬時に作曲できるよう別途楽器を用意することで、普段DTMを使って作業をしている人でも曲アイディアのスケッチ用に別途キーボードなどを用意できると望ましいです。

2. 作曲を定時で行う

毎日作曲をするうえでのコツとして次におすすめできるのが、作曲を「定時で行う作業」にしてしまう、というやり方です。

上記で述べたように、曲をアウトプットしていくにはなんとなくアイディアが浮かぶのを待つのではなく、「さあ、やろう」と自ら行動を起こしていくことが求められます。

これを行うためには、そもそも根本的にスケジュールを見直すことも大切です。

■作曲に使える時間を見極め、設定する

作曲には物理的に時間が掛かるため、毎日作曲に取り掛かるということはその分そこに時間を割くことを意味します。

そのため、自分の日々の行動を見直し、どのポイントでどれほど作曲に時間が使えそうかを改めて考えることも必要となります。

例えば、

  • 寝るまでにある2~3時間のうち1時間を作曲に使う

  • 早起きして、出勤/登校する前の30分を曲作りにあてる

など、時間をなんとか調節すれば毎日30分から1時間程度を捻出することは恐らくできるはずです。

また、日常生活が忙しすぎてその時間すら設けることができないという人は…残念ながらこちらでテーマとしている「毎日作曲」を実現できません。

【補足】つまり「毎日作曲すること」は「忙しい日々の中でそこに時間を割く覚悟を持つこと」とも言い換えることができます。物理的に時間が掛かるのは避けられないため、「忙しい」「時間がない」と言って先延ばしにしていたら作曲は決して上達しません。

3. やることを定型化する

毎日作曲を続けていくうえでもうひとつ効果的なのが「作業の定型化」です。

これは前述した「定時で行う作業にする」というコツに似ており、やることを「定型的な作業」にすることであれこれと頭を悩ませることなく、瞬時に作曲に取り掛かることを目的とするものだといえます。

これを実現するうえでおすすめなのが、「楽器の弾き語りでメロディを考える行為」です。

以下はそのポイント【1】~【5】です。


【1】 定時になったらギターを抱える、またはピアノに向き合う

まず、既に決めた「定時」になったらあれこれと考えることなく楽器に向き合います。

この「あれこれと考えることなく」という点が、作曲を定時化してしまうことの効果ともいえる部分です。

【2】 上記と共にレコーダー(スマホのボイスメモなど)と筆記用具を用意し、作曲メモを録音/記録できる状態にしておく

あわせて、作曲を行う上では自分の生み出したものを記録することが重要であるため、この点の環境を整えます。

スマホのボイスメモならすぐに手に取れて、またノートやペンなどもあらかじめ用意しておくことができます。

【3】 楽器をコードで弾き、そこで思いつくメロディを「ラララ…」などで口ずさむ

準備が整ったら、定時の時間の中で思いのままに楽器でコードを弾き、メロディを歌って考えていきます。

これが、こちらでテーマとしている「毎日作曲する」という行為そのものとなります。

コードが思い浮かばない人は、別途コードブックや既存の曲のコード譜などを用意し、それを参考にしてみるのもおすすめです。

【4】 少しでもメロディらしいものが思いついたら、それをすぐにレコーダーに録音し、コード進行は書き留める

「3」の作業を通してメロディが考えられたら、それを弾き語りによって歌い、レコーダーに録音します

またあわせてコード進行をノートに書き留めることも忘れないようにして下さい。

この時、コード進行に通番を振ったり時間などを併記しておくと、録音の音源とコード進行を簡単に紐づけることができるようになります。

【5】 あらかじめ決めた時間の間、それを続ける

「定時化」によって決めた時間の中で上記の行為を続け、作曲のアイディア(メロディとコード進行)を溜めていきます。


作曲したものを本格的に曲として組み立てる

上記の「定時化」「定型化」によって生み出すことができたメロディやコード進行は、別の時間を使って改めて吟味し、実際に1曲へと展開させていくことができます

このように

  • メロディやコード進行を考えること

  • 1曲をきちんと作り込むこと

というそれぞれを分けて行うことが、毎日の作曲を1曲の完成へと結びつけるうえでのポイントにもなる部分だといえます。

■毎日の作曲では「感覚を磨く」を重視するのがおすすめ

そもそも、毎日の作曲によって「1日に1曲完全に作り上げる!」というように、質の高い曲を連日完成させていくのはほぼ不可能です。

かといって、1曲に対して数日を使って曲を完成させていく場合にも、良いメロディやコード進行が出なかった際には作曲が進んでいかないことになるため、このページでテーマとしている「毎日作曲をする」の本来の目的とは少しずれるようにも思えます。

これらを踏まえ、日々の作曲は上記で述べたように「メロディとコード進行を生み出すこと」に重きを置くのがより理想的で、それによって目的としている「作曲する感覚を磨くこと」を満たすことができます。

■一週間~二週間で1曲の完成を目指す

もちろん、思いついたメロディやコード進行を1曲にまとめるためには別の時間が必要となるため、例えば

  • 一週間のうち4日は「弾き語り作曲」によってメロディとコード進行を生み出す

  • 残り3日を使って、生み出したアイディアを吟味して1曲にまとめ上げる

  • 次の一週間程度を使って曲をきちんとした1曲として完成させる

というような計画で進めれば、毎日作曲をしつつ、曲を随時完成させていくことができるはずです。

以下はまとめです。

  • 毎日作曲をすることでメロディ/コード進行作りに慣れ、感覚を磨いておくことができる

  • 「敷居を下げる」「定型化する」「定時化する」という三点が続けるコツ

  • 「アイディア出し」と「曲の完成」を分けて行うのがおすすめ

ここまでに述べた内容に沿って作業を繰り返すと、一週間のうちにかなりの数のメロディやコード進行が溜まっていきます。

私自身も、当時この毎日作曲を実践して実際に変化を体感できました。その経験から、作曲する感覚が磨かれ、かつ曲も次々と完成していく良さもあると実感できているため、本格的に作曲へ取り組む際にはぜひこの「毎日作曲する」を実行してみて下さい。



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