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高校時代からの友人の結婚式に出席したら実質アイマスライブだった話

↓ このnoteはこういう人に刺さる ↓
○アイドルマスターが好きな人達
○現実社会では非オタクの仮面を被って生活しているオタク
◎結婚式を自分達らしくオタク全開で行きたいけど悩んでいるオタク夫婦


 知人の結婚式に参加して、その後に結婚式という空間を共にする思いやその時の行動を文字にしたためる人の多くは、感動であったり感謝であったり、普段なかなか言葉にはしない何かを表現しようとしているのだと思うが、以下で私が書き記すのは、もちろん感情の揺れ動きはあったがメインはそこではない。ないのだ。

 わたしは間違いなく高校時代の同級生の結婚式に出席したのに、今はアイドルマスターのライブに行ってきたような気分になっている。

 アイドルマスター(以下アイマス)のライブに参加したら、その後することはなにか

 「内容を考察してレポを残す」

 そういうこと。(?)



前置き


 わたしは27歳なのだが、これまで結婚式というものに出席したことがなく、いわゆるオーソドックスな式というのがよくわからなかったりする。今回は1.5次会に新郎友人ということで案内を受け取った。
 1.5次会というのはつまり少ない知識での推測だが、例えばブーケトスとかは新郎新婦の性格的にしないんじゃないかなと思っていたし、実際なかった。まあ多分ちょっとだけ普通の式とは違くて、自分たちに合うものだけやろう、という感じなのだぐらいに思っていた。

 新郎友人と書いたが、彼とは高校時代から現在まで続く友人で当時は非オタクであった。部活が同じで卒業後も趣味が同じということでよく遊んでいる。一方の新婦と新郎の馴れ初めは大学のサークルで、新婦とわたしとはアイマスが共通項となり最近になって仲良くさせてもらっている。彼氏が彼女の影響でアイマスにハマった、ということなので、よくあるケースとは逆かもしれない。
 ということで、参加者は両者の学生時代の友人がメインなようだった。オタク同士の結婚というと、好きなものに全傾倒をイメージした方もいたかもしれないが、今回それをするとネタが通じないのだ。

 つまり何が言いたいかというと、「彼らはきっとオタクじゃない側の人間として普通の式をする」と思っていた


 そもそもアイドルマスター(正式は IDOLM@STER)とはという話だが、略してアイマスと呼ばれる2005年にゲームセンター用で始まったコンテンツで、アイドルの卵を自らの手でプロデュースし、トップアイドルに育て上げる育成シミュレーションゲームである。現在は5つのグループに分かれていて、アニメ化も順次されていて、今年4月には最新のシャイニーカラーズのアニメが放送される。また作品のファンのことを"プロデューサー"と呼び、略してPなどと呼ぶことも多々ある(以下それに倣う)。

 また、現実世界でライブが行われたりする。ライブって誰が歌うんだよという疑問が湧くだろう。声を当てている声優だ。声優が歌って踊るのを見て何がいいのと思う方もいるだろうが、こればっかりはライブに来てもらわないと説明するのは難しい。




開演前


 都内某所。電車を降りて10分ほど歩いたところにある洒落たレストランが会場だった。入り口のスタッフに名前を告げて入るといきなり

ハットと蝶ネクタイのイカくんカワイイネ

 会場間違えたので一度出ることにしよう。
 いや間違えていない。ここにあるのは彼らの趣味だし、私は新婦Pの推しのアイドルがシンデレラガールズの速水奏であることを知っている。ご丁寧にシャイニーカラーズ最新ユニットのコメティック鈴木羽那のスタンドまである。アクセントとしてミリオンライブの茜ちゃんが異彩を放っている。



 ところで私は参加する側だ。当たり前だが対価として会費を支払う必要がある。普通の結婚式ならご祝儀として奇数万円を持っていくところだが、この式は会費が定められていることが事前に連絡されており、入場時に徴収される。これはチケット代か??
 
考えようによっては席がご用意されるかどうかは夫妻の一存によって決まるということ。ライブで席がご用意されるか否かよりおそろしい。


 着てきたコートをブライダルのスタッフに渡し、代わりにウェルカムドリンクと一緒に数ページほどの小冊子を差し出された。表紙がこんな感じ。

「C@MPUS!」 C"A"MPUSではない
IDOLM@STERがIDOLM"A"STERでないのと同じなのだろう

 たしかに新郎新婦のどちらかを知らない人も来ているからこういうの必要よなと思い、中を開けたら2人のスペシャル対談と人物紹介があたかも出演声優のごとく掲載されている。さながらライブのパンフレット。

一部切り抜いたにも関わらず情報が多い

 どこからツッコもうかという感じだが、担当や推しを惜しげもなく記載していて、自分はキャラクターが分かるが故にこれから執り行われる内容とのギャップに脳が追いつかず、冊子を一度閉じ首を傾げながら10秒ほど立ち尽くした。



 気を取り直し、わたしが注目したのは"サイン"。アイマスのキャラクターにはそれぞれサインがある。コンテンツ創生期にキャラクターが実在したらこんなサインを書くのではないか、ということで声優が各々発案し作成したのがキッカケで、そのアイデアを拝借したのだろう。
 新郎のは元ネタがあるのか編集時点でわかっていないのだが、ここに写っていない新婦のフルネームのサインが、推しである"速水奏"風のサインになっている。奏のサインは濁点が「XX」になっており(割愛するがちゃんと意味が込められている)、偶然にも速水奏にも新婦の本名にも濁点が入っているので、きっちり濁点が「XX」になっている。時間をかけて閃いたのか、日頃から自分のサインを妄想していたのか気になるところ。多分後者だろ

速水奏のサイン 「で」の濁点が「XX」になっている
実物の一部 そういうこと


 パンフレット写真右上に見切れている新婦のドレスの全身像は、写真の奏のポーズで撮影されている。開演後に司会の方が「推しのポーズ(口元に人差し指を重ねる)で撮影されています~!」と話しており思わず「知っとるわ!」と声を出してしまった。そんなつもりではないのに同卓者から笑いが起きた。夫婦愛より担当への愛をまざまざと見せつけられている。

 考察の余地があるのは、新婦のパーソナルカラーが青なのは奏のカラーに合わせたとわかるのだが、新郎の緑はなんの由来なのだろう。
 彼はシャニマスの風野灯織P兼、樋口円香Pだ。両者のカラーは青と赤、新婦とのカラー被りや、男が赤で女が青だと逆だとかそういうことを気にしたのか。もしかして黛冬優子Pになったのだろうか、それなら緑で確かにとなるが。第三の可能性としてSideM(メンズアイドルグループのイメージカラーが緑という意味で)の色だろうか。聞かないとわからなそう。

 もう一つ言及しておきたい。「C@MPUS」だ。
 ①馴れ初めが大学(キャンパス)であること
 ②キャンプ(CAMP)が好きな私達(US)のことを知ってほしい
 ③この場所(at=@)からゲストと新たな絆をスタートしたい
 ということで決まった表題らしい。
 とても言葉遊びが上手だ。スペシャル対談でも自賛していたし、わたしもそう思うが、「とにかく表題に@を入れよう」と考えましたよね?①②③とどっちが先ですか?@が先じゃないですかねぇ??


 パンフレットで驚くのはまだ早かった。会場入りし指定された席に着くとすぐに気づいた。開演までの時間に流れている曲が100%アイマスなのだ。
 今日の参加者のうちの何%がこの曲たちをわかるのだろうか。
少なくとも一緒に出席している高校時代の友人で分かるのは自分以外に一人だけだ。



開演

 アイマスライブに一度でも参加したことのある方は分かると思うが、開演前は何かしらの曲が流れていて、始まるときに曲の落ちサビで音量が大きくなってゲストに開演を察知させる。比較的よくある手法だが、この式もご多分に漏れずそういう形で始まった。

 ホワイトバックにこの日のために制作された2人の仲睦まじい姿が収録されたビデオが流されているが、BGMは ♪CRYST@LOUD。突然のライブ開演である。
 わたしは2人とこの曲が主題に据えられたライブ"M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023"に行っているので、イントロで吹き出した。結婚式なのに。

 どうもここから先流れる曲はずっとこんな感じで、他方で参加者は知らない方がほとんどだと思うのでみな気にせず結婚式の参列者を全うしている。真面目の空気の中でわたしだけ元ネタがわかり一人笑ってしまうのだ。勝手に笑ってはいけない結婚式24時が始まった。


「かんぱーい!」
♪Let's get a chance~ 次の奇跡 探しに行こうよ

「ウェディングケーキの登場です!」
♪ラブ・ボナペティート

「歩み進める2人での共同作業、入刀お願いします!」
♪パステルカラーパスカラカラー


 某番組なら3回ともお尻を引っ叩かれている。笑うなって無理や。一緒に行ったカラオケで3曲とも熱唱してたもの。

 ラブ・ボナペティート、ボナペティートはフランス語で「召し上がれ」という意味だ。つまり"愛を召し上がれ"に合わせてウェディングケーキを食べさせあっている。ものすごい惚気の瞬間であることにこの世のわたし以外誰も気づいていない!!!!!!!!


 アイマスを知らない方はこれらの曲を歌っている「アルストロメリア」というグループ、ぜひ覚えて帰ってください。この日流れた曲の30%ぐらいは歌っていたようです。





 頃合いでお色直しの時間となった。♪ハミングバード(桜守歌織) をバックに新婦がこれまで付けていなかったティアラを付けて再登場。
 古のアイマスPとしてはティアラというとお姫様ティアラを思い出す。プロデュースを始めると最初に、担当するアイドルへプロデューサーから最初のファンとして贈るアイテムなのだが、まぁきっとこれに心を重ねているということはないでしょう。


 いよいよ佳境、結婚式といえばやはり手紙だ。両親への手紙はたとえ親御さんとの関係性を知らなかったとしてもグッと来るものがある。
 ♪花(音無小鳥) とともに新婦が手紙を読み上げる際に言葉を詰まらせた。普通ならつられて鼻をすすったり奥がツンとしたりするところなんだろうが、わたしは悪い人間なのでこのとき考えたことは、ライブのMC中に感極まって声を震わせる声優を応援をするファンのマネで「がんばれ~!!!!!!!」と声をかけるか否かだった。最後の良心が邪魔をして阻止された、というかネタとして通じない。


 式も終盤となり、火を付けたキャンドルに覆いを被せて灯火を消すと浮かび上がるメッセージに感嘆し、その日一番の拍手に送られながら、新郎新婦が退場した。

 束の間、サプライズと言わんばかりに2人が用意した参加者へのメッセージ動画が曲とともに始まった。

♪Anniversary(アルストロメリア)
どこまでゆけるのかな 伸ばせば届くのかな
ふたりで描いた夢を追いかけて 今はまだ旅の途中

歌い出し

 この曲は2人が大好きな曲であることを知っている。そしてアイマスシリーズの曲の中で1番結婚式のクライマックスに相応しい曲と言えるだろう。わたしもずっと使われていないことを気にかけていた。そんな曲を自分たちのためでなく参加者のために使うのが、彼らの人間性の素晴らしさを暗示している。
 とてもいい曲なのでぜひ聞いていただきたい。


 参加者は事前に2人へお祝いのメッセージを送っており、つまり流された動画はその返答という位置づけになる。わたしはこんな内容のメッセージを送った。

結婚おめでとうございます。
(中略)
これからも関係を保ちたい限りです。
2人の人生という長距離列車が美しいジョイント音を"かなで""まどか"ら見える景色は美しいものばかりであることを祈念しています。

 改めて言うが、新郎は樋口"円香"P、新婦は速水"奏"Pであるため、門出に合わせるべく少々すかした内容であるのは百も承知の上でこのような文を送った。
 蓋を開けたらこの結婚式、夫婦も夫婦ならわたしもわたしである。こんな結婚式だなんて聞いてない。一人で作ってほくそ笑んでいたのに結果的に合わせに行ったような形になってしまった。いわれのない悔しさを感じている。感動なんてするものかっ!!
 
 ちなみに2人からのメッセージには、わたしの推しのキャラの名前である「にちか」が入っていた。すぐに機嫌を直した。

七草にちかをよろしくな!



終わりに

 あーだこーだ言ってきたが本当に2人らしい素敵なライブだった。ガラじゃないので当日は言わなかったが、末永くお幸せに。
 さて、今日のセットリストを絡めて考察をする会を設定しなければと思っているところに彼らからラインが来た。

 まさしく誰も頼んでいないのだが、ちょうど切らしていたので助かる。
今から考察しに押しかけに行くことにしたのでここでペンを置くことにするが、最後にそのセットリストを公開しよう。

非アイマスは退場時の一曲だけ。


おわり

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