見出し画像

第一金乗湯(だいいちきんじょうゆ)

第一金乗湯・レポ

新年一発目の銭湯は板橋区にある『第一金乗湯』さんに行ってきた。

※画像は「東京銭湯マップ」さんから。煙突がぴょこんと出てるのが可愛らしい。

「上板橋」から「徒歩10分」程度の場所にあるのだが、途中商店街を通って来れるのでちょっとした散策も楽しめる。

肝心の中身だが、リニューアルオープンしてそれほど年数が経っていないこともあり、非常に清潔感がある。また、木目調のモダンな作りと天井の優しい雰囲気のランプが温泉宿のようで居心地がいい。

※画像は「東京銭湯マップ」さんから。レトロな雰囲気が堪らない。

早速入ろうと意気込むと、常連らしき女性の方が次から次へと声をかけてくる。

常連さん「荷物、ここに置いて良いよ」
みたざらし「あ、はい」
常連さん「そこで身体洗ったら寒いでしょ?こっち来なさい、空いてるから」
みたざらし「ありがとうございます…!」(緊張)

おや?いつもと様子が違うぞ…?と思い始めるみたざらし。たまに声をかけてくるおばちゃんはいるが田舎のばあちゃんクラスで声を掛けられたのは生まれてこの方経験がない。

一抹の不安と妙に家庭的な空気を堪能しつつ身体を洗っていると何やら後ろでトラブルが発生。

常連さん「ちょっと!?身体は洗ってから湯に浸からんとダメでしょ!?」
見知らぬおばちゃん「え、ここの銭湯はそうなの?」
常連さん「そうに決まってるでしょ?ほらここの張り紙に書いてあるんだから!」

学級会マナー違反の注意喚起か何かかな?と思いつつ身体についた泡を流し、横目で隣のトラブルメーカーたちを盗み見る。

ちなみにここは「リンスインシャンプー」「ボディーソープ」が備え付けなので安心だ。
シャワーも地下水を使っているようで優しい水質が心地よい。

シャワーを浴びる筆者。むしろ石鹸いらないのでは?ってくらい気持ち良い。

さぁて、身体も洗ったことだし、おまちかねの浴槽へ。今日は全て白湯だったが地下約200mの天然井戸水を楽しむにはシンプルな方が却って都合が良い。

まずはバイブラ(泡風呂)からだ。冷えた身体を足先からゆっくりと湯につけると水流が勢いよく飛びかかり、43度の熱い湯が一気に肌へと突き刺さる。

気持ちいい…。

第一声はやはりこれだろう。銭湯独特の湯の匂い、煙る湯気、そしてバックには浮世絵風の鮮やかな富士の絵…。

※画像は「東京銭湯マップ」さんから。有名な方が描いたとか。

全てが出来過ぎている…ああ、なんと幸福なことか。

私はバイブラの水圧にしばらくのあいだ身体を任せた後、少しぬるめの鉄鉱石の湯へ移る。

こっちは40度くらいで冬だと少し寒いかな?
しかしこういった風呂も長く浸かっていられるのがまた一興かも知れない。

なんてことを思っていると、突然、例のマナー違反のおばちゃんから声をかけられる。

おばちゃん「ねえ、あなた」
みたざらし「え、へえっ!?ななな…なんですか!?」
おばちゃん「ここって洗面器もお湯につけちゃダメなの?」
みたざらし「ええ…いや、はぁ、たぶん、そうなんじゃないんですか?」
おばちゃん「ふぅん、そうなんだ」

今日は一体なんなんだ…何故こんなにも声をかけられる…?

気を取り直して、バイブラから水風呂へ。さすが、地下水を使っているだけあって水はキンと冷たく、(水温は10度くらいだった)それでいて重みがない。むしろ柔らかく身体を包み込んでくれる。

ーーああ、素晴らしきかな、水風呂よ。

私は天にも昇る気持ちでそっと手を合わす。喉の奥から冷たい空気が流れ出し、自身が神と一体化したような錯覚さえ起きる。

これぞ銭湯の醍醐味!!我が生きる意味よ!!!!

それから、バイブラ→水風呂までのセットを3回繰り返し、さすがにそろそろ出ようかなと思った時だった。

おばちゃん「ねえ」

みたざらし(ま た か !!!!)

もう勘弁してくれと思いつつニコニコした笑顔で相槌を打つ。愛想の良さは職場の妖怪たちとの戦いで慣れてるぞ!と意気込むものの、やはり人間裸だと装備が薄いせいかどうにも心許ない。

おばちゃん「さっきのごちゃごちゃ言ってきた人、知り合いなの?」
みたざらし「いえ…知らないです」
おばちゃん「そうなの?ねえ、さっきのことだけどさ」

(まだ引き摺ってるのか!!!!)

おばちゃん「やっぱり洗面器をつけちゃダメなんてそこの紙に書いてなかったのよ。ってか、私だって普段ここには来ないけど他の銭湯には行くんだから先に洗ってから風呂に浸かるくらい分かってるよねぇ」

みたざらし(どうでもいいけど洗面器はつけるなよ!!!!)「そうなんですね!」

おばちゃん、ブツブツ文句を言う。先の常連さんに注意されたのが余程気に食わなかったのだろう。気持ちは分かるが風呂場の真ん中で文句を言うのはやめてくれ、私が白い目で見られるから!!!!

そんなこんなで謎の銭湯抗争に巻き込まれたみたざらしだったが、風呂は大変気持ちよく、また、脱衣所も落ち着いた雰囲気と歴史を感じるロッカーに見知らぬ故郷を感じた。

ただしここは常連の巣窟だ!!運が良ければたくさん常連さんが絡んでくれるぞ!!!物好きは是非チャレンジしてほしい!!!

(色々書いたけど番頭さんはすごく優しかったし、風呂もとっても綺麗でいい銭湯だよ。場を荒らさなければ常連さんもとっても優しい)

次に行く銭湯でもより鮮烈な快感と謎の文化に会えることを期待している。

〜オマケ〜

初めて見るタイプの瓶ジュースがあったので購入。
近年稀に見る柑橘味の強さで一瞬

「漢方でも入れた!?」

と思うくらいパンチがあった。

温泉マークの王冠がなんとも可愛らしい。

量は少な目なので気軽に試せると思う。
レトロな栓抜きも使えるのでなかなか楽しい。

野生のあざらしへの飼育代はこちらから☆ エサを食べて無限に書きます。