猫が必要のない狩りをする理由(猫脳がわかる!より⑧)
飼い猫が小鳥や虫を捕まえ、持って帰ってきてしまった経験はありませんか?
どうして猫は狩りが好きなのでしょうか?
しかも異様に成功率が高い気がする…!
今回は、猫のハンター能力についてのお話です。
【1】猫はなぜハントするのか
「種特異的行動」という言葉をご存知でしょうか?
その種だけが持つ、他の種には見られない行動のことです。
この種特異性行動、猫は他の動物と比較しても、ほぼ完全に祖先ヤマネコから現代のイエネコに受け継がれていると言われています。
その代表的なものに「捕食性行動」があります。
獲物に忍び寄り、飛びかかり、前足で抑えるけ、噛みつく、といった行動パターンです。
つまり、猫は環境や学習で狩りをしているのではなく、狩りという行動は遺伝子レベルで刻まれた本能だということです。
しかし狩りをする必要のないイエネコは、この本能的な衝動を満足させることができません。
そのため、小さな獲物を見つけた際には狩りを行なってこの本能を満たしていると考えられています。
(コオロギなど一部の虫は、食欲からくる狩りの可能性も考えられるはずです)
【2】狩り成功のポイント
野生時代、ヤマネコの狩りの成功率は10%前後だったそうです。
つまり10回に1回しか成功していないわけですが、他の動物と比べると成功率は高いそう。
成功のポイントは、①瞬発力、②鋭い爪、③太くて丈夫な牙にありますが、中でも牙には重要な役割があります。
猫の歯の根元には感覚細胞があるため、獲物の頸椎の間にピンポイントで牙を差し込み神経を切断することができるのです。
それだけではなく、獲物にトドメを刺せたかどうかも感覚細胞で感じとっているそう。
また、こちらは現代の狩りに活かされているかは不明ですが、祖先ヤマネコ時代、狩りのポイントは時間帯にもありました。
メインの獲物である鳥などの小動物は、明け方に動き出し、夕方に巣に帰ります。
この2つの時間帯はどちらも薄暗く、獲物は動きが鈍ります。
一方で、以前noteにも書いたように、猫は暗闇の中でも僅かな光を拾い、しっかりと獲物の姿を捉えることができます。(下記記事参照)
そのため、この2つの時間に狩りを行うと成功率が上がるのです。
猫の視覚についての記事はこちら↑
何気ない行動でも、きちんと理由があるのだなと実感!
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