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#ペットショップに行く前に って? 【その参】

今回もご訪問いただき、ありがとうございますmm

この記事がはじめましてという方は、ぜひ【その壱】【その弍】からお読みください!

# 真相解明シリーズも後半戦です。
#ペットショップに行く前に  、どこに行けばいいのか?

前回・前々回で、ペットショップで高額を出して命を購入することは、知らず知らずのうちに苦しむ命を増やすお手伝いになってしまっているかもしれない、というお話をさせていただきました。
ただ現在の日本では、なんとなくその事実を知っている人は増えているにも関わらず、何故か罷り通ってしまっている。
なぜここまで日本で『家族になる命を販売する市場』が根付いてしまったのかは、また別の記事でお話させてください。

今回は野良で生きる犬猫のお話です。
ペットショップに行く前に、こういう子たちもいるのだということを知っていただけたら嬉しいです。



みなさんは野良犬/野犬と野良猫/野猫の違いがわかりますか?

むむ。野犬はなんとなくイメージがつくとして、野猫ってなんだろう。。
と思いませんでしたか?
それらはどこで区別されているのか。

【1】野良犬/野犬、野良猫/野猫の問題

野良犬と野犬、野良猫と野猫の区別は以下のようになっています。
(写真はイメージです)

野良犬
・迷い犬や飼育放棄された犬が野生化したもの。一時的に野良となっている場合もあれば、野生化していく場合もある。
・生まれつき野生ではないため自身で狩りができない場合が多く、その場合は人間の生活に依存する傾向にある。
・人間は野良犬を虐待/虐殺してはいけない。
 人間が野良犬を虐待/虐殺した場合は動物愛護法のもと処罰される。

野犬

・森や山へ移住し、野生で繁殖した犬(一部の野良犬も含まれる)。
・人間には慣れていないので他の野生動物同様に攻撃性が高く危険な場合もある。
・食住を人間に依存しておらず、群れを作り集団で狩りを行う。他の生物を捕食することで生態系を破壊する可能性がある。
・狂犬病予防法が制定されて以降、野犬の捕獲と殺処分が強力に進められ減少傾向にはあるが、災害などがあるたびペットが野生化してしまうケースも多い。
・鳥獣保護法のもと、人間は野犬を駆除することができる。
 虐待/虐殺された場合であっても、動物愛護法では裁けない。

野良猫
・迷い猫や飼育放棄された猫が野生化したもの。一時的に野良となっている場合もあれば、野生化していく場合もある。
・生まれつき野生ではないため自身で狩りができない場合が多く、その場合は人間の生活に依存する傾向にある。
人間は野良猫を虐待/虐殺してはいけない。
 人間が野良猫を虐待/虐殺した場合は動物愛護法のもと処罰される。

野猫

・森や山へ移住し、野生で繁殖した猫(一部の野良猫も含まれる)。
・人間には慣れていないので他の野生動物同様に攻撃性が高く危険な場合もある。
・食住を人間に依存しておらず、自身で狩りを行う。他の生物を捕食することで生態系を破壊する可能性がある。
・繁殖力も強いことから、侵略的外来種に指定されている。
(例)沖縄固有種のヤンバルクイナやイリオモテヤマネコの減少など
鳥獣保護法のもと、人間は野猫を駆除することができる。
 虐待/虐殺された場合であっても、動物愛護法では裁けない。


■野良犬・野良猫は保護の対象
■野犬・野猫は駆除の対象


になっているのが現状です。

しかし野良犬と野犬、野良猫と野猫には遺伝子的な違いはなく、生まれや環境が異なるだけで、同じ犬であり同じ猫です。
また、この区別にはいくつか問題点が潜んでいます。

《問題点1》
「野良」か「野」かを決める判断基準は、食料調達の際に自ら狩猟できるか否かだが、中には迷い猫であっても自ら狩猟する猫もいるなど、この判断基準は曖昧で、現場の判断に委ねられてしまう。(誤って迷い猫を殺すことだってある)

《問題点2》
この法律を悪用して、虐待しても法で裁かれない野犬・野猫を探して虐待・虐殺する人間も存在する。

確かに、増えすぎた野犬・野猫は、食料欲しさに人間や他の生き物を傷付けたり、元々の生態系を破壊する可能性があり、放っておくことはできません。
でもこの判断基準のみで、野生で生きる犬猫が安易に駆除されるのはどうなんだろう?

上記のような問題もあり、多くの保護団体が野良犬・猫だけでなく野犬・猫も保護してくれています。
人慣れしていない野犬・野猫でも最低限人間に心を開き生活を共にできるよう、トレーニングをしてから里親募集を行います。
簡単に書きましたが、一度刻まれた性格を変えたり、一度味わった人間への恐怖心を消し去るのは、並大抵の努力ではないと思います。そのため通常よりも里親募集までに時間がかかるのは当たり前です。

そして多くの保護団体は、基本的に保護された犬猫で常に飽和状態です。
保護団体が飼養できる限界以上の頭数を引き受けてしまったら、簡単に多頭飼育崩壊を招いてしまうので、慎重に計画し、一匹里親へと卒業したら、また次の犬猫を迎え入れています。

そのようにして、いくつもの保護団体が必死になって野良で生きる犬猫を保護してくれている一方で、保健所には日々野良の犬猫が運ばれています。

野良で生きる犬猫たちの問題は、根本部分を解決しない限りはイタチごっこなのが現状です。


では根本解決するにはどうしたらいいか。
結論、野良を減少させるためには以下の取組が必要です。

【2】野良犬/野犬、野良猫/野猫問題の解決策

(1)安易に買わない

■野良が増える理由
日本の犬は、かつて人間とともに日本列島に上陸したとされていますが、現在の野犬の多くは、元々飼い主の飼育放棄で路頭に迷った犬が森や山で野生化したものと言われています。

一方で日本にいる猫は完全に外来種で、日本に入ってきた時期は諸説ありますが、最近では弥生時代と言われています。
書物や穀物を食い荒らし、明治時代にはペストを流行させた鼠を駆除するためにたびたび野に放たれ、そのうちに野生で繁殖していったと言われています。
現在は犬同様、ペットブームの影響で飼育放棄で野良になるケースも少なくありません。

昨今の日本で、野良で生きる犬猫が増えてしまうのは、身勝手に飼育放棄する人間が原因の大部分を占めているのです。
かわいいから/寂しいからという理由で、安易に買わない。命に責任を持って、終生飼養する。
これだけで、日本で野良で生きる犬猫は減少していきます。
しかしそれがどれだけ難しいことなのかは、また別の記事でお話させてください。

(2)餌だけあげない

■繁殖を手助けしているもの
かわいそうだからと言う理由で無差別に餌だけをあげる人々の存在により、犬猫の繁殖はさらに加速してしまいます。

空腹な犬猫に餌をあげればそれだけ生き延び、繁殖を繰り返します。
生まれてきた子犬子猫たちは同じようにお腹を空かせて弱り、カラスに狙われたり、病気になったりして死んでいきます。
また生き物である限り、排泄をします。特に猫は、糞尿の臭いを嫌がる人間によって保健所に送られてしまうケースが多いです。
餌だけをあげて放置するという行為は、残念ながら結果的に不幸な命のループを生み出すお手伝いにしかなっていないのです。

かわいそうと思うのなら、我が家に迎えてあげてください。
自分の家が無理なら、里親を探してあげてください。
猫たちに幸せに暮らしてほしいなら、TNRをしてください。(後述)

そういった努力をする覚悟がないのに、無責任に餌だけをあげてはダメです。
私も高校生大学生の頃は、呑気に人懐こい野良猫とランチをしたりしていました(自分のご飯と猫の餌を買って、外で一緒に食べる。牛乳半分こしたりしてました)。
でも今は、無知だった過去の自分を恥じてグッと我慢します。

(3)丁寧な里親募集・譲渡

多くの保護団体のみなさんが気をつけていることがあります。
保護や譲渡をゴールにしない。

ペットブームの影響で、保護団体への里親希望者が増えてきています
それ自体は本当に素敵なことなのですが、同時に飼育放棄も増えています
これはペットショップからの購入でも同じことが言えると思います。
飼ってみたら「こんなはずじゃなかった」という問題が発生。
せっかく保健所から保護した犬猫が、飼い主の手によって再度保健所に連れて行かれてしまうケースもあります。
これでは保護団体さんが必死に頑張ってくれている意味がありません。

対応策として、保護団体は譲渡までに時間をかけて、ミスマッチがないかを入念に確認しています。
保護団体からの譲渡が、ペットショップで購入するようにサクッといかないのは、こういった理由があります。

(4)TNR

野生で生きる猫に関しては、TNRという取組があります。
聞き慣れない略語だと思うので、説明させてください。

TNRとは…

その地域に住む猫と上手に共存するために、飼い主のいない猫の不要な繁殖を防ぐ活動(その地域の住民の理解を得たうえでの共存が大前提)。

Trap(捕獲する) Neauter(避妊手術をする)  Return(元の場所に戻す)の略で、捕獲したのち避妊去勢手術を受けさせ、もとの地域に戻すことを言います。
猫には一代だけの生を、その土地で謳歌してもらいます。
1つのコロニーの約8割を避妊去勢することで、そのコロニーはそれ以上増えなくなると言われています。

TNRでは、手術済みである印として、耳に切り込みを入れます。
切り込みを入れることで耳が桜の花びらの形に似るので、この取組により手術をされた猫は「さくら猫」と呼ばれています。
一般的に雄は右耳、雌は左耳に入れることが多いです。
またTNR後、その地域で住民と共存する猫は「地域猫」と呼ばれています。


一般的に猫の避妊去勢手術は、去勢で1〜3万円程度、避妊で1.5〜5万円程度かかります。
ですが最近では、1ヶ月前に申請、TNRの活動報告を行うことでほぼ無料でTNRができる財団法人の助成金制度もあります。
私はその制度を利用して、自分のできる範囲でTNRを行なっています。

中には、自然に生きている猫を人間のエゴで避妊去勢させ痛い思いをさせるのは反対という意見もあるかと思います。
しかし、日本で野良として生きる猫が存在すること自体、「ネズミを駆除したい」「もう飼えないから捨てる」などの人間のエゴで始まったことで、本来あるべき自然の姿ではないのです。
その結果、現代の日本では餓死・病死・事故死・殺処分される猫が増えてしまっています。
私個人の考えですが、現代の日本で野良として生きる猫たちの環境を少しでも良くするべく、TNRは必要な取組だと考えています。

またTNRを推進する理由の一つとして、野良のリアルライフについてお話させてください。
自由気ままに見える野良猫には、危険がいっぱいです。

〜野良猫のリアルライフ〜

■過酷なサバイバル生活

・野良猫は平均寿命2−5歳、家猫は15歳
 野良猫は家猫の寿命の半分以下しか生きられない

・冬は寒く夏は暑いが、安全で安定的な居住地はない
 猫同士の縄張り争いも絶えない
 人間に保健所送りにされることもしょっちゅう
・毎日食料や水があるとは限らない
 餓死や、弱った結果病気で死亡する猫も少なくない
・死亡率の高い伝染病が多い
・弱ったらカラスや他の動物の餌食になる
・自動車やバイクとの接触事故が多数
・寒い時期に熱を発する機械に入り、死んでしまう猫も多数
・危害を加える危険な人間もいる

■ネズミ顔負けの繁殖力

・メスは生まれてからだいたい半年で子供を産めるようになる
・一回の出産で子供は4〜8匹前後生まれる
一年間に4回は出産することができる

※単純計算で、一年で1匹がMAX20匹前後にまで増える
 さらに生まれた1匹1匹が増えるとなると、リアルねずみ算になってしまう。


野良猫の平均寿命を知った時、それまで猫に対して抱いていたイメージが180度かわりました。
だらだらして人生イージーモードだと思っていた野良猫たちは、感染病や飢餓や事故など、毎日死と隣り合わせの危険な日々を送っていたのです。

また、これだけ繁殖力が高いので、食料不足になったり、繁殖期の鳴き声や糞尿で近隣住民に迷惑をかけてしまい、保健所に連れて行かれ殺処分されてしまうケースも多いです。

ちなみに保健所での殺処分の約6〜8割が子猫だといいます。
そもそも子猫は2時間置きに授乳や排泄の世話をしないと死んでしまいます。
もし毎日何十匹もの子猫が運ばれてきたりしたら、保健所の方々も世話できないですよね。

だから野良で生きる猫をこれ以上増やさないための運動『TNR』が必要なのです。

うちの預かり犬、キキちゃん


いかがでしたでしょうか?

多くの野良を生み出しているのは、身勝手に飼育放棄する人間だということ。

そして野良として生きるのは、実はとても過酷で辛いことなのだということ。

だからこそ私たち人間がしてあげるべきことがあるということ。


今回の記事をお読みいただき、野良で生きる犬猫を見る目が少しでも変わればいいなと思います!



最近嬉しいことに、里親募集についてや近隣に住む野良猫についてなど、知り合いから相談を受ける機会が増えました。
私で力になれることがあれば心からお手伝いしたいと思っているので、もし悩んでいることがあれば、お気軽にInstagramのDMにメッセージください。
すべてを解決することは出来なくても、まずは一緒に考えせてもらえたら嬉しいです。

次回は、ペットショップにかわるペットとの出会いの場、里親制度についてご紹介できればと思います!

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!


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