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猫は人間の行動を読んでいるのか(猫脳がわかる!より③)

前回までの記事はこちら↓

今回も今泉忠明先生の著書「猫脳がわかる!」から、猫の耳について興味深かった内容を取り上げようと思います。

猫を飼っている方で、出かけるとき、帰宅したとき、ご飯の時間、気付くと猫がスタンバイしていて、「いつからそこにいたの?」「なんでわかったの?」と思う時はありませんか?

保護猫たちの世話をしていると、どんなに静かに歩いてゆっくり扉を開けても、すでに扉の前に座ってスタンバイしている猫がいます。扉を開けると遊んで欲しくてすり寄ってきたり、猛ダッシュで脇をすり抜け脱走されることもしばしば。
ご飯の準備の際も、バレないように扉を閉めてなるべく音を立てずにご飯の支度をはじめますが、猫たちは違う部屋にいても早々に気付き、扉の前でスタンバイ。待ち切れない子はジャンプで扉を駆け上ったりと、すっかり暴れ出します。

あまりに先手を打たれるので、私の行動を読んでいるの…?と思うことも多々あります。

ご飯に関しては臭いと時間の影響もあるのだろうけれど、今回この本を読んで、猫の聴力の凄まじさを知り、猫の察知能力の高さに納得がいきました。

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耳の構造についてですが、猫の耳は、外耳・中耳・内耳の構造的には人間とほぼ同じです。
基本構造はほぼ同じですが、猫が特出している点が3つありました。

①猫の耳は筋肉と神経が発達している

猫の耳介の根元には、約30本もの筋肉があります。
これは人の耳の筋肉の約5倍です。
それだけ筋肉が発達しているので、猫は270度あまり耳を回転させることができ、それだけ音源探知能力も優れているのだとか。

また猫の耳には聴神経が多いのも特徴として挙げられます。
人の耳には聴神経が3万本あるそうですが、対して猫の耳には4万本もの聴神経があるそうです。

②超音波をキャッチできる毛がある

猫は獲物を捕まえるために聴覚が発達しており、俗にいう「地獄耳」と言われています。
具体的には、ネズミの発する超音波(2万ヘルツ以上)も聞き取れると言われています。

理由は耳に生えている毛にあります。
猫の耳には「房毛(ふさげ)」という1−5ミリの短い毛が生えています。

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写真の、猫の耳の先からピンと伸びている毛が見えますか?
これを房毛と言います。
特にメインクーンなど長毛種で目立ちます。
この房毛は、とんでもない能力を持っています。
なんと超音波をキャッチすることができるのです。

▼聞き取ることのできる最大周波数
猫 : 6万4000ヘルツ
犬 : 6万ヘルツ
人 : 2万3000ヘルツ

この毛のおかげで、猫は人の約3倍以上の音域を聞き取ることができるのです。

さらに猫の場合、聞き取ることのできる最大周波数がさらに増えるタイミングがあります。
子猫の時期と、母猫(授乳)の時期です。
生後3週間の子猫は成猫の2倍近い10万ヘルツの音を聞き取ることができますし、出産後から授乳中の母猫は8万ヘルツの音を聞き取ることができるそうです。

③集中しすぎると何も聞こえなくなる

関門作用」という神経生理学の言葉があります。
何かに集中するあまり周囲の音が耳に入らなくなる現象のことです。
猫はこの関門作用によって、1つの物事に集中しすぎるとまわりの音が耳に入らなくなるケースがあるそうです。
実際に実験でも結果が出ています。
メトロノームの音を聞いている猫の脳からは活動電位という反応が記録されますが、ネズミを前にするとメトロノームの音が続いているにも関わらず反応がピタリと止まったそう。
これは、視覚の刺激を優先して、聴覚的な刺激は一旦休止させている状態なのだとか。

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筋肉や神経や毛の働きによって人の何倍もの周波数を聞き取っている猫ですが、集中しすぎると何も聞こえなくなるとは。。

次回に続きます。

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