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真面目な猫の性事情(猫脳がわかる!より⑨)

野良猫の困ったエピソードでよく聞くのは、猫の性事情についてのものが多いなと気付きました。

「発情期の猫の鳴き声に迷惑している」
「発情期の尿のニオイがキツくて困る」
「気付いたら庭で子猫が産まれて住み着き、どうしたらいいかわからない」


これらの問題を根本解決することは非常に難しいですが、猫の生態を知ることで彼らのことを少しだけ理解してあげることはできると思います。

今回はそんな真面目な猫の性事情のお話です!

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(1)猫の発情
から交尾の流れ


現在、猫が性に目覚めるのは1歳前後
です。
対して、野生時代は1歳半〜2歳半で成熟していたと考えられています。
イエネコになってから栄養条件などが整い、早熟になった
ようです。

特にメスの方が早熟で、4−9ヶ月で発情がはじまります。
発情したメスのフェロモンは400〜500m以上先のオスへ届きます。
オスはメスの発情時のフェロモンや鳴き声に反応して、そこではじめて性衝動が起こる
仕組みになっています。
(ちなみに犬のメスは発情出血がありますが、猫にはありません。
)

その後、独特の鳴き声やスプレー行動により交尾のアピールをするのはオスで、それを受けたメスの体は子育ての準備に入ります。

準備が整った段階でいざ
オスを前にすると、床に頬をつけ腰をあげるなど誘惑行動をしますが、オスに近付かれると一度距離をとり、敵意がないかどうかを慎重に確認しながらオスを繰り返し誘惑していきます。

あの独特な鳴き方やニオイの強い尿は、自分の子孫を残すための精一杯のアピール方法なわけです。


また、猫にはいくつか特筆すべき性質があります。
1つは、「季節繁殖動物」であるということ。
もう1つは、「交尾排卵」をする動物であるということです。

(2)猫特有の性事情 ①季節繁殖動物



猫は「季節繁殖動物」に分類できます。
季節繁殖動物とは文字通り、特定の季節に繁殖する動物のことです。

体の中で何が起こっているかと言うと、まず目から入る光の情報が多くなります。
すると、視床下部が作用して睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌が減ります。
それが副腎を刺激することで副腎皮質ホルモンが出ると、再び視床下部が作用し、発情に至ります。

つまり簡単に言うと、日が長くなるに比例して発情が増えるということです。
獲物も多く気候的にも子育てしやすい春夏に発情し子育てをした方が、獲物も少なく環境も過酷な冬に子育てするよりも生存率が高いためだと考えられています。

つまり猫は、年がら年中発情しているわけではなく、本能的に子孫を残しやすい季節を狙って、子作りに励んでいるわけです。

(3)猫特有の性事情 ②交尾排卵


猫は交尾するとほぼ100%の確率で妊娠する
と言われています。
それは、猫の排卵が交尾後に起こるようになっている「交尾排卵」だからです。


理由はオスのペニスにあります。

ペニスの表面には棘状の突起物が付け根の方向を向いてついています。

この突起物による刺激が脳に伝わることで視床下部から命令が出て、下垂体前葉から黄体形成ホルモンが分泌されます。

すると交尾から24〜48時間後には排卵が起こるのです。
そして妊娠。期間は平均63日
(約2ヶ月)です。

余談ですが、
猫の世界でのモテる条件は、毛並みや顔立ちではなく、体の大きさであることが多いようです。
年齢も若ければいいわけではなく、5−7歳前後のほうが望まれる傾向にあるのだとか。
体が大きく強い個体、かつサバイバル生活を生き抜いてきた強い遺伝子との子供を残そうとしているのでしょうか。



猫は、
より繁殖しやすい相手を選び、
より繁殖しやすい季節に、
ニオイや鳴き声で精一杯相手を探す。

人間よりもよっぽど理にかなった繁殖方法だなと感心してしまいました。





次回は猫の育児についてです。


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