人間関係の指導で気を付けていること
何年生になっても付きまとうのが人間(友達)関係のトラブルや悩み。
近年私は高学年を持つことが増えてきたので、高学年の子供のトラブルや悩み相談を受け、どのように対応しているかを改めて考えてみました。
もちろん、その子その子の性格や周りの人間関係も大いに関わってくると思いますのであくまで概念としてと思っていただければいいなと思います。
先生が解決できるほど、子供の人間関係は単純ではない
前提としてですが、6年生とはいえもう感覚は立派な大人と思って接します。もちろんみんながみんがそうではありません。
「ごめんね」「いいよ」の関係は幼稚園まで。小1もその関係のまま行くと、途中で絶対にこじれます。
一度怒ってしまったことは、何度も起こります。かつて担任した6年生の女子も結果何度も何度もけんかになったり、気まずくなったりしたことがありそのたびに話し合いを設けることになりました。
許す、許さないは1日やそこらでは無理です。された方は相手の行動や言動を知らず知らずのうちに観察しています。
「なんだよ、あの時、ごめんねってあんな神妙な顔して言ってたのにもうヘラヘラしてんじゃん。反省してるの?」
こういう些細な事を見ていくうちに、見なくていいものまで見るようになり結果的にドツボにはまってしまいます。
子供の本音まで踏み込むことはできないにせよ、人間関係は複雑でかつ最終的に解決するのは本人同士ということを念頭に入れておかないと、こちらも必要以上に悩むことになります。
ですので、安易にすぐに解決しようと考えることはやめましょう。
その安易さが大きく膨らみブーメランとして返ってきます。
あくまでファシリテーターとして関わる
話し合いになったら基本私は聞きに徹します。
はじめと原因の確認と、まとめだけはしますが。
「ふたりに来てもらったのは、〇〇さんが△△さんに伝えたいことがあるみたい。それをふたりで話をしてほしいです。先生はしばらく聞いてるね。」
それでまずは二人だけで話をさせます。ちょっと話が逸れたり、変な方向に行きそうな時だけ、
「って〇〇さんは言ってるけど、△△さんはどう?」
「って〇〇さんは言ってるけど、△△さん間違いやつけたしはある?」
みたいな感じです。
いわゆる事実確認です。ここは丁寧にしましょう。
最後に話がまとまったらいい残したことがないかの確認をしましょう。
ここであると、実はあの時、、、みたいな余計面倒なことが起こります泣
最終的にどうしたいのかを問い続ける
相談に来る子に私が必ず「あなたはどうしたいの?」と伝えます。
すると関わりたくないとか、誤ってほしい、行動を改めてほしいなどいろいろ出てきます。
それを明確にしないと、こちらのアプローチも変わってきます。
それと絶対にやってはいけないのは先生が伝書鳩にならないことです。
友だちに直接言いにくいから先生に言ってほしいという子が極まれにいるのですが、アドバイスはしますが、最終的に直接伝えさせます。
これから子供たちは相手に言いにくいことも言わないといけないことがたくさん出てきます。そういう場面でどんな言葉で、どんなタイミングで言うかを学んでいきます。
確かに先生が言えばその場は乗り切れるかもしれませんが、子供たちが自分で解決する力は身に付きません。
JICA時代にさんざん言われた「魚を釣ってあげるのでなく、魚の釣り方を教えなさい」という言葉はまさにこの考えからです。
ピンチになったらそれをチャンスに変えていく思考と、そのピンチを切り抜けていく力、そして人間関係をほどほどに作っていく力。
学校で育てたい力の一つなんじゃないかなと思っています。
人間関係のトラブルが起きた時は、その子が着実に成長するチャンスと捉えて前向きに指導していきましょう!!