ハートにブラウンシュガー 7
嫌な予感というものは常々よく当たるものだ。
その日は朝から雨で、11月も後半に入り、北国では雪便りがちらほら舞う季節になった。このところ毎日が慌ただしく過ぎて行き、物事が何も進まない気がする。日が暮れるのが早くなったせいだろうか。
真柴怜はアパートの自室で、昨晩切れたエレキの弦を張り直していた。切れた弦は一本だが、全ての弦を張り替える。そうでないと音のバランスが取れない気がしていた。古い弦と新しい弦がバラバラに混ざった状態で演奏するのは、どうにもしっくり来ない。
その