保守は何に怯えているのか?リベラルにも必要な「目配り」とは
『なぜリベラルは敗け続けるのか』岡田憲治氏に聞く #3
梶原 麻衣子(ライター・編集者)
岡田憲治氏に聞くシリーズ最終回。保守サイドの課題も取り上げる
首相の靖国参拝を支持するのに屈辱的な日米地位協定に文句を言わない不思議
政治には日常を支える人への目配りが重要。意見の違う人と学び合う居場所を
『なぜリベラルは敗け続けるのか』著者の岡田憲治・専修大教授(政治学)にいまの政治のありようを聞く連続インタビュー。最終回は保守側の課題についても触れていきます。
――「保守」は何を守りたいのか。独立、国柄、ということになるかもしれませんが、少なくとも日米地位協定を変えようともしない状況で「自主独立」を唱えるのはおかしいですね。
岡田 守りたいものは何なのか。大日本帝国の栄光なのか、連綿と続いてきた歴史なのか、皇室なのか。僕の友達にも、「ゴリゴリの保守」と言っていい人物がいますが、彼が「首相の靖国参拝、何がいけないんだ」と言う一方で、あれほど屈辱的な日米地位協定に少しも文句を言わず受け入れていることが、不思議でならない面はあります。日米地位協定がある以上、皇居前にオスプレイの基地を作られても文句は言えない。それを保守は許せるのか、と。
しかし一方で、彼と僕との間に「普段、守りたいと思っている対象とその手法」についての違いはあっても、突き詰めて話をすれば最終的に何を守りたいのかという点では、そう大きく違わないはずです。
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