【知覚・認知心理学】知識と思考


知識とは

 個人が経験や学習を通じて蓄積するものであり、記憶に貯えられているすべての情報

概念としての知識

カテゴリー

日常生活において出会う事象や事物が、何かしらの仕方で分類された集合体のこと

概念

カテゴリー化されたグループにつけられる名前であり、カテゴリーについて抽出された知識の内容のこと

事例

それぞれのカテゴリーに属する事象や事物のこと

概念の分類方法

定義的属性

カテゴリーの構成の全要素に当てはまり、それ以外のものには当てはまらない属性を設定すること。ただし日常的なカテゴリーには定義的属性に当てはまるものは少ない

家族的類似

緩やかな属性の重なり合いを持つこと。
例:とある家族を例に取ると、全員が完全に重なる容姿を有している訳ではないが、いくつかの特性は持ち合わせている

典型性

概念に属する事例の「らしさ」のこと
例:スズメやインコは鳥らしいが、ダチョウは鳥らしくない
  空を飛ぶが、地面を走るかの違い?

目標志向カテゴリー

その場の目的や状況に応じて柔軟に構成されるカテゴリー

スキーマとしての知識

スキーマ(schema)とは

経験に基づいて形成された知識や活動の枠組み
例:レストランに入店してから、出るまでの一連の行動に関する知識

思考のしくみ

思考とは

ある問題を解決したり、一連の事象を理解したりする等の目的に向けて、適した概念やスキーマなどを操作することにより、必要な情報を引き出す精神活動

推論

手持ちの情報から論理的に正しい結論を導き出すはたらき

演繹的推論

手持ちの知識や観察している事実に論理的規則を適用して合理的結論を導き出す方法

帰納的推論

観察した事実にもとづいて仮説を構成し、仮説検証して、一般化した法則を導き出すはたらき
帰納的推論には以下2つの代表的な歪みが生じる場合が多い
確証バイアス:自分が持っている仮説を支持するような事実を集めようとする傾向
利用可能性ヒューリスティックス:経験から導かれるもので、必ずしも正しい結果に至るとは保証されていないが、適用が簡単な手続き

問題解決の過程

問題

達成したい目標と現実に乖離が生じていること

問題解決

利用できる手段を使って、目標に達成するまでの過程

現実の中での思考

状況的認知

特定の状況に応じた思考や行動のプロセスであり、環境や文脈に依存する例:交通渋滞に巻き込まれた際に、最も早く目的地に到達するための別のルートを考えること

批判的思考

情報を分析し、評価し、判断する能力であり、信頼性や妥当性を見極めるために重要である
例:ニュース記事を読んでその信憑性を判断すること

身体知としての思考

身体の動きや感覚を通じて行われる思考プロセス
例:阿波踊りを習得するために先輩の踊りを真似をすることで、動きを感覚的に理解すること

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