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新しい環境に慣れるまで

新しい環境にすぐ馴染める人、時間がかかる人、いますね。
習い事の場合も、始めたばかりの時は、新しいことが多いのでなかなか馴染めなくて戸惑うこともありそうです。

 保護者の方によくお話するのですが、ピアノのレッスンにお子さんが馴染むまでには大体3か月ほどの時間を見てくださいと告げています。
 最初からオープンマインドの子もいますが、中には慣れるまでずっと様子を見ている子、ママの付き添いがなくなるととたんにおしゃべりになる子もいます。
 下のお子さんがすぐ慣れて軌道に乗せやすいのは、入会前に上のお子さんの付き添いで私に慣れている、ということもありそうです。


  習い事が初めての子や、大人しくておしゃべりがあまり得意ではない子であっても、子どもの心の中ではいろいろなことをきっと考えている、と思って接しています。
 最初はすぐママのお膝に乗ってしまい、こちらから声をかけてもピアノの方へなかなか行けなかったような子が、小3くらいになって自分の考えを堂々と言うようになったり、しっかりして来たなぁと感じることもあって、とても嬉しいです。
 更に続けている子と最初に教室に来た時の話をすると、笑い話になりますけどね。

 ところで、私も新しい生徒さんや保護者様に「慣れる」までに大体3か月ほどの時間をかけています。
最初からオープンマインドになる子ばかりではありません。
生徒の様子を見て、どんな系統の教本をメインに使うかということを考えるのは、なかなか骨が折れます。
最初のお見立てとは変わってしまうこともあるのです。

 
 英会話やスイミング、サッカーなど、集団で受ける習い事が増えています。
一対一の個人レッスンである楽器の習い事は、現代ではなかなか異質なのかもしれないと最近感じています。
ある時間帯のクラスの中のひとり、ではなくて、何曜日の何時からの〇〇ちゃん、というふうに、ピアノの先生は見ていますので、ひとりをじっくり見つめることができるのですが、だからこそ、最初の印象を「これが絶対」とは思わないように、と考えています。

  時に保護者の方に、「ご家庭での様子」や「学校でのとりくみ」などを伺うのは、指導をするうえで生徒のバックグラウンドについてのヒントをできるだけ多く持っておくことで、宿題の量や出し方に工夫をしたり、評価をどうすれば本人のモチベーションアップにつながるか、ということを考えるヒントになるので重要です。

 「いつまで続くかわからないので」と、体験レッスンでお伝えされる保護者の気持ちを推測すると、
「もともと新しいことに飛びつきやすいお子さん」
がどうなるか心配という気持ち、
「前に短期でやめた習い事があり、またそうなるのではという心配」
「もし続かずやめる時の言い訳」
 私にはこんな風に伺えます。
保護者が予防線を張ってるのかもしれませんね。

 ですが、私はそういう言葉を言われるとがっくり来ます。
 個人レッスンの場合、3ヶ月程度、レッスン回数で言うとだいたい10回位継続してやっと、「この習い事、この先生はこんなかんじ」ということが見えてくるのです。だとすると、1年未満で「合わないからやめよう」は判断が早すぎるのではないでしょうか。
(10ヶ月程度でできることは、ほんの初級レベルですので、”ピアノを習いました”なんて言えないんです)

 何が勝ち負けなのか分からないんですけど、「続ける人の強さ」というのは自分の経験も、娘たちの経験もあって実感しています。勿論生徒さんの経験も。

 いろいろやらせたいのかもしれませんが、どんな習い事であったとしても、ある程度の年数の経験がある人と、2年3年程度でやめた人ではやはり違うのだと思います。
「極める」
というほどではないにしても、ある程度の年月を費やす経験というのは貴重なものだと考えています。

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