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BRM615下関400km錦帯橋


出走前〜ブリーフィング

下関なので片道70〜80kmとギリギリ自走圏内のようなそうでもないような距離なのだが、前日に休みが取れなかったため大人しく車に自転車を積んでトランポ。
高速道路を使うほどの距離でも道でも無いので下道で向かうのだが、普段自転車で走るときは交通量が多く大型車の割合も高いため基本的には避けて通る国道2号線を自動車目線で走らせていると、こんなところを自転車に走られていると邪魔だろうなぁという思いと、自分は自転車乗りなのでこういった道であっても常に自転車が走っていることを想定しながら運転しているのだが、そうでないドライバーは自転車が現れたら一瞬ギョッとしてハンドリングを誤るとかもありそうだな、などと思う。

新下関駅前のコインパーキングに車を止め準備をしていると、他のランドヌールが入ってきたり隣接しているホテルからランドヌールが出てきたりしていたので、AJ福岡の下関開催だとこの辺りが拠点としては便利なのだろう。
D-309にバッグを着けたり灯火類を装着したりしながら準備を進めていたのだが、素の状態からどんどん重くなっていく車体を見てこんな400kmでこんな装備は必要無いよなぁと自分でも思うのだが、そもそもこの装備が必要なライドってどんな環境だろうと想像を巡らせてみたが適した環境を思い浮かべることが出来なかった。

受付場所に到着したのは5時を15分ほど過ぎた頃合いだったが、受付場所にスタッフが見えないのでとりあえず自転車を置いてトイレに行って戻ると今回主催の@KumaOnsenさんが待ち構えていたので挨拶をして受付を済ます。
パッと見ただけでオッケーですと雑な扱いをされたので、ちゃんと確認してくださいよとツッコんだのだが、どう見ても装備が足りてない自転車じゃないでしょうと言われてグゥの音も出なかったのでベルだけチリンと鳴らして諦めた。

ブリーフィングまでは暇なのでTwitterを眺めたり他の参加者の方と軽く会話をしたりしつつ、いつも通り車体の写真を添えて出走宣言を呟いたのだが、翌日確認したところいいねが1000件を超えており普段に比べてやたらと好評だったので不思議である。

ブリーフィングは@KumaOnsenさんの引くルートがいつもシンプルなこともあってコースに関しては特筆するような注意点はなかったのだが、PC4のローソンが直前に改装工事に入って休業になったらしく、代替手段として500mほど先のセブンイレブンもしくは休業中のローソンの写真でも良いとの案内があり、問題のローソンは前週のBRM608で通った際には元気に営業中だったので、ちゃんと本番直前に確認作業をしていて頭の下がる思いがした。

スタート〜PC1

スタート直後の菊川まで向かうルートは緩い登り基調が続き、前走車はすぐに見えなくなり一人旅と化す。
途中追いついてきた後続車にもすぐに置き去りにされるのだが、この辺りはいつものことで自分は走行ペースの遅さを休憩時間の少なさでカバーする走り方なので結局ゴールに到着する時刻はさほど変わらなかったりするからあまり気にはしない。
追い抜かれる際に先週の前週のBRM608でも一緒に走った方や、一昨年の日原天文台を登ったブルベで走った方なんかに声をかけていただいた。

緩い登り基調が終わったら今度は緩い下り基調で菊川まで下り、菊川を抜けてから湯谷温泉の登り坂を挟んで再び緩い登り基調で美祢まで抜ける。
今回のブルベは普段からよく通る道や個人的に縁のある土地ばかり繋いだようなルートなので、逆に言うと新鮮味は欠片も無いのだが、先週が大雨の中走るブルベだったせいか快適に走れるだけで全てが最高に思えてくるのだから不思議なものである。

PC1のローソン 美祢インター前店に到着したのは8時20分頃とグロスで20km/hは超えていたのだが先行しているランドヌールは既に出発した後で影も形も見えず、みんな速いなぁと思いながら買い物をしてレシートを入手。
ちょうどローソンでは盛りすぎチャレンジと題して食品を増量するキャンペーンをやっていたので、軒並み売り切れている中唯一見つけた盛りすぎ!和風シーチキン®マヨネーズおにぎりを購入したのだが、ずっしりとくる重さとバケモノみたいなボリューム感に笑ってしまった。

PC1〜PC2

PC1を過ぎてからPC2に至るまでの区間はもう完全に地元も地元、普段走る時には頻繁に通る場所ばかりなのでこのまま帰宅しても良いのではないかという錯覚に囚われる。

二本木峠を越えて小郡に入ると、普段であれば左に曲がって家に帰るところを右に曲がって秋穂方面に向かったとしてもそっちはそっちで毎週走っているようなルートなので、なんでこんな地元を巡るだけで400kmも走ってんだろうという疑問が湧いてきてしまい、地元のブルベは参加は楽だけど走ってる際に自宅の周辺を通る度に色々と違和感を覚えてしまう問題があるのだなという気づきがあった。

そんなこんなでPC2のローソン 山口秋穂二島店に到着したのは10時過ぎと、まだグロスで20km/h前後出ていたので非常に順調で、グロス17km/hで走ればこの先の大海直売所で海鮮丼を食べるのにちょうど良いななどと考えていたのだが、序盤の100kmも走っていない時点でグロス17km/hは幾ら過積載とは言えそこまで遅くならないだろうという自分の見込みより若干速かった。

このローソンでは盛りすぎ!ハムサンドが売られていたのでそれを食べたのだが、これに関してはハムサンドのジューシーさがハムの多さでスポイルされてしまい、肉々しいと言えば聞こえは良いのだがぼそぼそと食感の悪さを感じるような具合になっており、ただ増量すれば良いってもんじゃないんだなぁと考えさせられた。

PC2〜PC3

防府新大橋を越えて防府市に入り、中関辺りでお昼ご飯の予定だったのだが先ほどのハムサンドのせいかあまり空腹感も無く、目星を付けていた喫茶店がお休みだった事も有ったのでそのまま先へ進む。
防府市から周南市へ抜ける椿峠は10年くらい道路改良工事をしている気がするが、昨年開通した部分に広めの歩道が整備されたおかげで、行き交い大型車に狭く荒れた路肩で苦しめられた防府市側の登りがとても安全に走行できるようになって大変助かる。

本当に地元ばかりなのでコメントする事の無いルートが続くのだが、そんな中で下松市街地を通り県道63号線で熊毛方面に抜けるルートは初見の道だったので少しだけ新鮮さがあった。
前からあっちを通るとどこに繋がるのだろうかと気になっていたルートだったので参考にはなったものの、好んで選ぶような道では無かったのでプライベートで通る事は無さそうだったのが残念だが、こんな機会でも無ければ気になりつつも通る事は無かっただろうから良しとする。

PC3に到着する頃にはお腹が空き始めていたのでそこでガッツリ補給しても良いかなと思ったのだが、15kmほど先にガッツリ食べられるお食事処があるのでそこで食べることにして、アイスを囓りつつドリンクの補給だけで済ます。
なお、到着時刻は13時50分頃だったので、この辺りでは流石にグロスは20km/hを割っていた。

PC2〜PhC1

PC2を出発して15kmほど走り、周東でドライブイン あけみに突入。お昼頃であれば非常に賑わっている人気店なのだが、15時前という時間帯もあり閑散としていた。

豊富なメニューで価格もリーズナブル

大量のメニューのなかからどちらかというとシャキシャキ感のある野菜が含まれるやーつが食べたいドラゴンだったので、豚バラキャベツのマヨ炒め定食を注文。
10分ほどで出てきたのだが、あけみのご飯は何も言わずに頼むとデフォルトで漫画盛り状態なので素晴らしい。キャベツもシャキシャキで大変美味しくご飯の進む味でペロリと平らげた

目玉焼きの黄身はかなりとろとろで、ご飯に乗せて醤油をかけると美味しいのだ

満腹状態であけみを出発したので廿木峠はちょっとお腹が重かったが大した坂では無いので無事クリア。15時半頃の微妙な時間帯なのでお昼時や夕方以降は大賑わいのいろり山賊も正面の駐車場にまだスペースがあるくらいには空いていた。

廿木峠から錦川まで下り、普段であれば橋を渡って対岸を通って岩国市街地へ向かうのだが、今回のルートは橋を渡らずに手前の細い道を通ったのだが、この道は採石場か何かの工場への入り口だと思い込んでいたので道が繋がっているのは知らなかった。
自動車同士の離合も難しそうな薄暗い細い道で、途中後ろから来た大型車に道を譲ったりしつつ視界が開けたところまで出た途端に道路を横断するサルと遭遇し思わず「Oh…Monkey…」と呟く。幸いサルはこちらに興味を示すことも無く立ち去ったのだが、そういえばブリーフィング時に走行中にサルに威嚇されたサイクリストが居たから補給食とか持ってるだろうし気をつけるように言われていたのがフラグだったのかも知れない。

フォトチェックでは無いが観光スポットとして紹介されていた世界一の大杉玉

県道1号線経由で錦帯橋いざない街道に入りフォトチェックの錦帯橋へ。
16時過ぎという半端な時間帯であるが故に観光客もまばらだったので、普段より写真撮影はしやすかった。

iPhone15ProMaxの広角レンズのおかげで錦帯橋と岩国城を同じ画角に収めやすい

PhC1〜PhC2

錦帯橋から先は国道187号線を日原までひたすら直進する分かり易いルートで、道の駅ピュアラインにしきまでは緩い登り基調の道を淡々と進む。
ちょうど風向きが南〜南東寄りという事も有り、追い風を背に快調に走ることが出来、登り基調の40km弱を2時間かからずに走り切ることが出来た。
ピュアラインにしきでいったん休憩を挟んだのだが、自販機で何を飲もうか物色したところTwitterで見かけて少し気になっていたFRISKのドリンクがあったので購入。かなり酷い味だとは聞き及んでいたものの、想像を超える味でさながら喉の奥に湿布を貼り付けられているような飲み心地だった。

ストレスは軽減されるどころか増しそうである

道の駅を出てから先は今回のルートで一番厳しい峠道で、先日試走した際には大変苦労した記憶があったのだが、いざ身構えて登ってみるとそれほどではなく拍子抜けした。
試走の際はそれほどキツい坂と思って居らず、途中でなんか結構険しいなと気付くまで舐めていたということもあり、今回の様にちゃんと身構えておけばそれほどでも無かったようだ。

プロフィール的にもさほど険しい峠ではない

山賊砦前を通過して以降は40km弱ほど延々と緩い下り基調なので、後半戦に備えてだらだらと下り続ける。
この辺りで完全に日が落ちたのだが、気温はそれほど下がらず信号待ちなどで停止すると少し蒸し暑さを感じる程であった。

長い長い下り基調を終えて日原に着くと、駅に至るまでにルートが少し複雑で迷いそうな気がしたが、ちょうど後続が追いついてきたのでルートミスをしないように気をつけながらフォトチェックの日原駅までの道を進む。
一昨年のブルベでは直進して天文台までの激坂を登らされた記憶があったおかげで曲がる交差点を間違える事は無く、無事に日原駅に到着した。

こんなに立派な駅舎が必要なのか疑問に思う日原駅

PhC2〜PC4

日原駅を過ぎてからは山口県との県境までは延々15kmほど登り坂が続く。
厳しい勾配は出てこないが、後半に関してはしっかり峠と呼べる程度の勾配であり、津和野の城下町はどこからアプローチしてもこんな道を通らざるを得ないので、自転車で向かうにはあまり適していない観光地である。

長い長い登り坂を終えて山口県に戻ってくるとすぐに道の駅願成寺温泉があり足湯に浸かれるのだが、脚よりも体をサッパリさせたくなるのでスルーしてそのまま先へと進む。
途中流石に徳佐の辺りはそれまでと比べて少しひんやりとしていたので道の駅長門峡でウェアを着替えて居ると、通りすがりの方にやたらと自転車がピカピカして走ってるけど何かイベントをやっているのかと問われたので、まぁそんなところですと返しておいたのだが、あんたの自転車が一番目立ってたから良かったよとお褒めの言葉もいただいた。

木戸山峠を越えて山口市街地に下ると後はひたすら平坦基調で山場が存在しない。
最大の山場は320km近辺で自宅の近くを通るため、この先なんの山場も無い道を眠い目を擦りながら90km弱走るくらいならこのまま家に帰りって風呂に入ってベッドで寝たいという欲望との戦いであった。
車を止めているのも新下関駅前のコインパーキングだから朝起きてから電車で向かえば良いだろうなどという悪魔の誘惑も振り払い先へ進み、小郡に入り朝もこの辺走ってたから大分大回りして帰ってきたなぁと感慨にふけっているあたりで帰宅への誘惑は辛うじて断ち切ることが出来ていた。

阿知須を抜けて宇部市に入る辺りで若干眠気が襲ってきたので、コンビニによって顔拭きシートとガムを購入してサッパリしてから先へ進む。
顔拭きシートは積んでいたのだが、大分前に購入してそのままのやつだったので乾燥しきっていたのでただの不織布と化していた。

元PC4のローソン 山陽小野田理大前店に到着したところ、置き型の看板は点灯しているものの確かに店舗は閉まっており営業していない。
実はここまで道中でPC外に含めても何店舗かローソンに寄っていたのだが、他店舗でも改装工事のために休業する旨の告知の張り紙があったり、姫路かどこかのブルベでもPCのローソンが休業していたなんて話をTwitterで見かけたので、各地のローソンで何らかの目的でまとめて改装工事を行っている可能性があるようだ。

代替のPC4として先ほどのローソンから500mほど先のセブンイレブン 小野田竜王山公園入口店ではお腹は空いておらずドリンクも十分あったので雪印のコーヒーだけを購入して飲んでいたのだが、お店の関係者の人にこれから下関に行くんですかと声をかけられる。
ブルベの事を認識した上で声をかけてきたのか、この日開催されるツール・ド・しものせきの事を想定しているのか分からなかったためそうですとだけ返事しておいた。

ちゃんとしたコーヒーが好きだが、ちゃんとしてないコーヒーも好きである

PC4〜ゴール

PC4が369km地点だったので残りは30km強なはずなのに、何故か40km弱ある不思議。
何故ならゴール地点がキューシート上では407.6kmだからであるわけだが、ブルベの距離は平気で1〜2%上乗せしてくるくせに下回る事は全く無いから酷い話である。
特に200kmブルベでゴール受付が210km地点+受付に辿り着くまでに10分くらいかかった去年のとさにっき最終日だけは絶対に許さない。

下関市に入る直前でドライブインみちしおの前を通ったのだが、24時間営業していたみちしおが今年に入ってから7時〜翌1時までに営業時間が短縮されてしまっており、初めて閉店しているみちしおの前を通過したのでなんとなく寂しい思いがした。というか事前に知ってなかったら貝汁を食べに寄ろうと思っていたはずが閉まっていて絶望したであろうから、直前にニュースサイトで情報を見かけていて助かった。

長府から新下関方面に抜けるあたりは若干分かり難いルートなのだが、以前のブルベでも通ったルートなので慣れたものである。
最後の最後に坂があるのでちょっとうんざりするものの、距離自体は大したことは無いので途中で飲むつもりが忘れていたinゼリーを直前で飲み干して気合で乗り切る。

新下関側に抜けた辺りで既に400kmなのに、なんで追加で7kmもあるんだよとブツブツ文句を言いながら、日中であれば交通量の多いゆめシティ近辺が早朝という事も有り閑散としているところに新鮮味を感じつつゴールの植野自転車店に到着。
サイコンがここを指し示しており、AJ福岡の幟がはためいているためそこがゴールであることが分かるのだが、ここがそうであると知らなければとても進入していく気にはなれないほどの民家の裏口であった。

自転車の立てかけられそうな壁が無く、スタンドは設置されているが入りそうも無く、樹木に立てかけるのは気が引けるからその辺に転がそうかと思案していると家屋から人が出てきて、その中に@KumaOnsenさんも居り木に立てかけても大丈夫ですよと許可を貰ったので立てかける。
その際に一度持ち上げながら方向転換をさせたのだが、その自転車持ち上がるんですねと何故か感心されてしまった。

フォトチェックの写真はTwitterで確認されていたりなんかでゴール受付はスムーズに完了し、無事認定完走でメダルも購入。
少し話をしてから眠気が来る前に帰るために退散したのだが、10分も居なかったと思うのだが右足を五ヶ所くらい蚊に噛まれてしまったのが今回のブルベにおける最大のダメージとなったのであった。

今回もゴール受付で撮影し忘れたので、コインパーキングで撮影

実は今回のブルベは自分の実家や居住地を線で結ぶようなルートになっていたのだが、そこに住んでいた当時や引っ越した頃には遠く隔たったところにあると感じていた距離を、今になって自転車でしかもたったの24時間足らずで駆け抜けられる程度の距離となってしまったことに謎の感動を覚えて、BRM615下関400km錦帯橋は幕を下ろしたのであった。

距離は100km伸びたのに先週よりも登ってない
ルートの交差してる辺りに住んでいるので全編通して普段走ってるところなのであった


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