コンプレックスの煮こごり

こんにちは。花巻です。

私は今年の3月で専門学校を卒業します。
そこで、2年間の敗戦記録を残しておこうと思います。

1年のはじめ、私は専門に入学し絶望しました。
周りのレベルの高さに、場違いな自分を情けなく思い「私はプロになれない」そんなことを感じました。
講師からも早々に「花巻ちゃん、絵下手だね。」「おもしろくない。」そんな批評を受けたのを鮮明に覚えています。
私は専門では1番下の劣等生であることを痛感し幾度となく涙を飲みました。

でも、私はここで折れませんでした。
多額のお金を投資して、周りの反対を押し切って入学したのに、わずか幾日で諦めてたまるか、そんな風に闘志を燃やしました。
私は人一倍努力する、そう決意し自分を奮い立たせました。
(高校の頃に染み付いた逃げ癖は抜けず、何度も言い訳をかさね、私はサボりつつ邁進していきました。)

その結果、なんと私は1番になりました!
…なーんていうのがドラマや映画だったらお決まりの展開ですが、現実はそんなに甘くありません。
私はそこから2年間今でもずっと一番下のままです。
2年間落ちこぼれ続けた私はコンプレックスにコンプレックスを重ねていき、少し解消してはまた増やしを繰り返しました。消すよりも前に増していき、私の「コンプレックス負債」は増える一方でした。

2年になり、実力のある後輩に、才能のある後輩に、努力の結晶のような後輩に、ますます私は落ちこぼれていきました。
不安や焦燥感に日々駆られ続け、いつしか私はマンガを描くことを怖がるようになりました。マンガを描くことからも逃げた私には何も残されておらず、ただの抜け殻になってしまいました。

そんな時、舞い込んできたアシスタントの募集、周りと差をつけるならコレしかない。
チャオチュールを前にした猫のように真っ先に飛びつきました。
そこからすぐにアシスタントを始めました。

しかし、これが燃料を枯らす原因となります。
アシスタントの仕事によって私は「成長を実感」してしまいました。
自分はできる奴だと錯覚してしまったのです。
今までために貯めたコンプレックス負債を一気に返済してしまった私は、からっぽの抜け殻になってしまいました。
こうして私はますます自分のマンガから逃げていくことになりました。

今でも結局マンガから逃げています。
しかも、逃げ切れてもいません。
中途半端にむきあっては逃げてをループしてる状態です。

からっぽになった私とは対照的に周りのクラスメイト達はどんどん結果を残したり、成長して中身を増やして、味わいが豊かになっています。
そんな頑張るクラスメイトを見てはまた1人で火をくべることもできずに右往左往しています。

それなのに、時間は過ぎてしまいます。
もう、卒業しなければいけないのです。
答えの出ないまま、抜け殻になった私は、先に進むことを余儀なくされます。
そんな私にはふつふつと1つの考えが浮かんできます。

いっそ、諦めたらいいんじゃないか。
諦めて就職してしまえ、家庭に入ってしまえ、死んでしまえ。

だけど、それでも、私はどうしても夢を諦めきれずにいるのです。
諦める勇気がないから、捨てる勇気がないから、追い続けてしまいます。

夢を諦められる人は凄いです。
とても勇気のある人です。羨ましいとすら思ってしまいます。
決断力のある、素晴らしい人です。
自分の人生を自分で切り開いた開拓者とも言えるでしょう。
諦めなければ夢は叶う、
なんて所詮諦めなかった人達の結果論に過ぎないのだから。

努力は報われる、誰かがそう言いました。
私は決してそうは思いません。

咲かない花はあります。

蕾をつけても萎れてしまう花だって、摘み取られてしまう花だってたくさん見てきました。
花屋の娘がそういうんだから間違いありません。

けれど、ここで忘れて欲しくないのが、咲かない花にだって価値がある、ということです。
咲かなくたってどんな植物だって必死に成長したんです。葉を伸ばそうとしたんです。根を広げようとしたんです。
誰も見てないかもしれないけど、自分だけはしっかりと見て、愛してあげなければいけないんです。

だから私はこんな逃げてばかりでコンプレックスもなくなってしまった、ただの抜け殻の私を好きでいてあげようと思います。

長々と書いてはみましたが、結局はただの私の記録なので、私のこの文章が誰の人生にも、誰の価値観にも携わらないで済むよう祈ります。
辛くなったらこれを見て、また自分を好きになれるように。

それでは、今日はこの辺で。

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