「メンタルが強い」は呪いだった【エッセイ】

こんにちは、花巻です。

私はよく人に「メンタルが強い」と言われます。
皆さんはどうですか?
きっと自信を持って「自分はメンタルが強いです」なんて言える人は少ないと思います。

私は、人よりもメンタルが強い方だと思います。
今までもそう言われてきたし、人に嫌な事を言われても落ち込むより先に火がつくタイプだし、おそらく「メンタルが強い」のだと思います。

そんなふうに人に言うと必ず
「メンタルが強いなんて羨ましい」と言われるのです。
私は全くそうは思いません。
なぜなら「メンタルが強い」という、この言葉は私にとって呪いでしかないからです。

はじめて私が人にメンタルが強いと言われたのは中学2年生の時でした。

当時私は女子バレーボール部に所属していました。
私の居た女子バレーボール部では少しギスギスとしていて、穏やかな雰囲気ではありませんでした。
1年生の頃は9人いた同級生の部員も、2年に上がる時に1人辞めてしまいました。

先輩たちの引退試合の後、次の部長・副部長が発表され私は副部長になりました。
といっても、私たちの代の副部長は私以外にもう1人いて(Aちゃん)、とてもしっかりとした真面目な子でAちゃんの補佐的な役割として与えられたものでした。

(この"もう1人の副部長"こそ、私のかつての親友で、私が絵を描くことが嫌いになったきっかけを作るAちゃんなのですが…それはまた別の話。

当時、Aちゃんは先輩たちから気に入られていたのでAちゃんが部長になるものだと思っていました。
そして、部長になった子が副部長になって、私は何も役職を持たずに過ごすと思っていたため、発表があった時かなり戸惑ったことを覚えています。
(副部長と部長が入れ替わった理由はAちゃんの言い方がトゲのある強い言い方だった事もあり、他の同級生と上手くいってなかったことが原因だと思います。)
その時の私は活発な生徒だったため生徒会や、他のクラブ活動を行っていました。
だからそんな私が副部長?と疑問に思ったのです。

私はみんなが帰ってから顧問にどうして私が副部長になったのかを聞きました。
すると顧問は
「部長ともう1人の副部長の子はどちらも真剣な分、周りが見えなくなってぶつかり合うことも多くて、
2人は精神面でとても不安定なところがあるからそこを支えてもらうために副部長になってもらった。」と言われたのです。
私は自分にそんな大層な役割は出来ないと断りましたが、その時に顧問に言われたのが
「花巻は他の子に比べてメンタルが強いから、少しの事じゃへこたれない」という言葉でした。

私はこの言葉を聞いた時に、「私は弱音を吐いてはいけないんだ」と思いました。

当時、中学生だった私は今思えば他の子よりは安定していたにせよ、かなり悩みや不安を抱えていました。
それを紛らわせるためにたくさん活動をして忙しくしてなるべく見ないように悩まないようにと振舞ってきたのです。
それが結果として「メンタルが強い」「凹まない子」と思われていたのです。

私はそれを理解した瞬間に呪いにかかりました。

転んだ時って最初はそんなに痛くないじゃないですか。
だけど、血を見た時などケガをしてることを認識してから一気に痛みを感じることってありませんか?
精神面でも同じことが言えると思うのです。
私は人から強く当られても気づかない振りをしてきました。
だけど、あとからあの時って私傷ついてたかも、と傷を発見すると一気に痛みが襲ってくるのです。

「メンタルが強い」という呪いをかけられてから、傷を自覚しても弱音を吐けないし凹んでる姿を人に見せられないから、人前では傷ついてない振りをし続けるしかありませんでした。
正直、今でもそうです。
どうしようも無く不安に駆られて衝動的に叫びたくなったり、弱音を吐きたくなったりします。
だけど、できないのです。
私は精神が不安定なタイプではないから、少しの事は我慢しないといけないのです。
自分にとっては大事でもはたから見たらきっとちっぽけな事、「たかがそれくらいで」と思われる事なのです。
それくらいの事で、メンタルが強い私は弱音を吐いてはいけないのです。

専門学校に上がってから同級生に1度こんな事を言われたことがあります。
「花巻ちゃんは、メンタルが強いから何言われても平気だよね」と。
私はその時は笑ってやり過ごしましたが、内心はこう思ってました。

いや、そんなわけなくね?
私だって1人の感情を持つ人間なわけであって、何を言われても平気なわけないだろ。
ただ人より耐久力があるだけで、ちゃんとダメージは食らってるわ。
サンドバッグじゃないんだわ。

こんなことを思っていましたが、これも結局本人には伝えずに卒業しました。

私は、noteを書き始めた時に「ここは私にとっての負の産物にする」と決めました。
普段の私は向上心に満ち溢れていて、元気いっぱいな『花巻さきの』です。
だけど、このnoteだけでは弱音を吐いたり、行き場のない気持ちをぶつけようと決めたのです。
『花巻さきの』を作るにはこうして吐き出していくことも重要だと思ったから。

私は人生の中で何度も人から「メンタルが強い」と言われてきて、自分でもそうなのかもしれないと思っていました。
だけど、実際にはメンタルが強い人なんていなくて傷ついてない振りをするのが上手いだけなんだと思います。
もちろん人によって何で傷つくか差はあれど、傷つかない人はいないと思うのです。

誤魔化すのが上手い人はどんどん弱音を吐きづらくなって、自分で自分に呪いをかけてしまうのだと思います。
少なくとも私は、きっかけは人に言われたからでも呪いを強くしていったのは自分自身でした。

幸運なことに私は途中でnoteという場所で吐き出せるところを見つけたから良かったですが、
きっと今もどこかでこの呪いに苦しんでる人はたくさんいると思います。
もしも、そんな人に出会ったら私は「弱くたっていいんだよ」って声をかけてあげたいと思います。

それでは少し長くなってしまったので今日はこのあたりで。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
またどこかで。

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