映画作品 かきとめ───『ザ・プレーヤー』=ロバート アルトマン(監督)・1992年=

     これはいまGYAO!という動画配信サイトで無料配信中の映画だが、まえもそこで無料配信されてるのを見かけた。 GYAO!はこの作品をときどき配信することにしてるのか?
     それはともかく、いまの配信期間がおわってこれの作品のページGYAO!から削除されてみれなくなってしまうまえにここにかきとめておくことにした。
     むかしから大すきな作品であり、いままで何ど見かえしたか数えきれない。 最初にみたのはいつだったか、VHSテープがふつうに現役だったころだろう。 もしGYAO!がこの作品をときどき配信することにしてるのなら、おれとしてはそのあつかいを歓迎しないわけにいかない。 ネットでみた映画には★★★★★を満点とする(ぎゃくの0点は☆☆☆☆☆とする)ゆるゆる採点を以前からおもしろ半分にしているので、さしずめこの作品などは文句なく満点★★★★★の得点になるところだが、いかんせんネット時代がくるまえにすきでさんざんみちゃってるので、いまさら得点もなにもあるかってかんじだ。
     個人的にはそれぐらい好評なのだが、これはしかし観客(というか視聴者というか)をかなりきびしくえらぶ作品であり、常識や良識にぼんやりあまえて迎合しているだけのような無批判のあたまにつめたい水をあびせかけ、ぴしゃりと門をとざしておいはらう、そんなイジワル映画であることははっきり云っておく。 GYAO!ではこの作品を「洋画 サスペンス」のカテゴリーにいれて配信しているが、同カテゴリーのページでは、この作品の評価値が★★★★★満点中の★★☆☆☆につけられていて、はっきりいってひくい。 それも当然なので、前記のようなイジワル作品だからだ。 また、このたびの配信期間では視聴者からのコメントが1コしかつけられておらず、その1コもこの作品を好評する内容のものだが、ずっとまえに配信されてたときはコメントがもっとたくさんついていて、しかもそのほとんどがひややかな意見で不評を云い立てていた。 それまた当然であり、こんなすじがきの映画が大多数に好評されるようでは世のなか狂いすぎててあぶねえってはなしだ。 こういうイジワル映画でもすきなひねくれ者のおれとしてはかつてのそのコメント欄での不評ぶり・冷淡ぶりにほくそえんでたのだが………


     USA国産の映画・ドラマはわが朝でもいろんなのがむかしから数おおく上映・放映されてきていることはだれもがしるところ、それらへの出演者として見おぼえある役者たちがおもいのほかたくさん出演している、それがこの作品で目をひく1つだろう。 そこでかんがえさせられるのは、この作品が、USA国 映画業界にはびこる害悪をどぎつく批判する内容であることだ。 つまり同国 映画業界では、世界的にもよくしられる1級品の業界人たちが、自分たちの業界に対してことほどさように強烈に批判意識をもっていて、しかもそれをこのようなかたちで大々的に世にひけらかして問題提起しちゃえるってことだ。 この作品はUSA国 映画業界人たちによる自己批判映画である。
     こういう仕ごとが、わがニッポン国 映画業界人たちにもできるだろうか? と、そうかえりみるに、この作品は、特殊な1業界だけにとどまらない、USA国 人民にひろくふかく共有されている批判精神・反骨精神のあらわれなのであろうナともおもわされる。 なによりもまず自分をすてて「みんなといっしょ」になることをこそすべてに優先する至高の原理としてうごく究極の迎合社会ニッポンのわれわれ人民がこの映画にみるべきなのはそのあたりにこそあるといえようか。
     GYAO!サイト作品ページにある作品紹介文などをつぎにひいておこう。

ザ・プレイヤー
映画会社の重役の男が脅迫まがいのハガキを送りつけられたことから、自分に恨みを持つ無名の脚本家を犯人と断定し問い詰めるも、はずみで相手を殺してしまう。その後、男は何食わぬ顔で仕事をこなし、脚本家の恋人と親しくなっていくが、一方で警察の捜査も進んでいて…。1980年代以降、ハリウッドとは一線を引き製作を行ってきた鬼才ロバート・アルトマンが、名作『黒い罠』を彷彿とさせるオープニングのワンカット長回しから、殺人事件に発展するミステリー仕立てのストーリー展開で魅せる、映画の醍醐味が凝縮された必見作!ジュリア・ロバーツ、ブルース・ウィリスほか、総勢60名以上の映画スターが実名で登場!

キャスト
ティム・ロビンス、グレタ・スカッキ、ウーピー・ゴールドバーグ、ピーター・ギャラガー、ブライオン・ジェームズ

スタッフ
監督 : ロバート・アルトマン

再生時間
02:04:23

配信期間
2021年12月1日(水) 00:00 〜 2021年12月31日(金) 23:59

タイトル情報
ザ・プレイヤー
100万ドルスターが次々と横切るハリウッドの内幕。
ハリウッドの大手スタジオのプロデューサー、グリフィン・ミルは多忙な日々を送っていた。連日売り込みの電話は125本。持ち込まれる5万もの企画の中から、彼が選ぶのは年間たったの12本。その厳しい選択から、恨みを買いかねない仕事のさばき方をしていた。そんなある日、差出人不明の脅迫文を受け取るグリフィン。その日を境にエスカレートする脅迫に耐え兼ねた彼は、半年前に脚本を却下した無名ライターのデビッドを疑い、本人に会いに行く。しかし口論の末、グリフィンは激高したデビットを誤殺してしまう。だが翌日も彼のもとに、「まだ生きてるぜ」という脅迫文が届くのだった。
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