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木曽平沢で暮らす、2023年の現在地

奈良県から移住して4年、山の谷間に手仕事の根づく小さな町に住んでいて、この場所で心地よく暮らし、その暮らしが全てお仕事にも繋がっていっています。
何しているの?と聞いて頂く機会が増え、さらには2年前の取材記事を引っ張り出してくださる方が増えているので、更新された現在地を留めておこうと思います。



2023.3 春に雪が降ると奇跡のように美しい数時間が現れる

こんにちは、近藤です。

奈良県出身。
注文住宅・店舗の設計施工を一貫で請け負う工務店で働かせて頂いた後、地域おこし協力隊の制度を利用して長野県塩尻市木曽平沢に移住。
2023年はここで暮らしはじめて4年目です。

フリーランスのローカルアクティビストで、この3年は地方の小さな町を居住地として維持していくための活動やそれに付随することをたくさん行ってきました。
建築/不動産(空き家発掘-再生)・観光(宿の運営/ツアー造成)・編集(記事や冊子の編集)・移住アドバイザーなど。

空き家の再生、一棟貸切宿/喫茶営業をしている日々別荘

こうなりたい!という野望みたいなものはあまり無く、色々なことを考える時の基軸は「みんなそれぞれが幸せな状態で、自分も満たされた状態にありたい」と大きな枠組みで思っています。
そして働くために生きるのではなく、自分にとって豊かに生きるとはどういう状態であるかを探求し続けていて、現在のところ私は、できるだけ顔の見える範囲での様々な循環が暮らしを健全にするのではないかという予想を自分の生活をもとに実証実験を繰り返している状態です。

暮らす場所を変えてみて、気づいたこと

こんなにも自分に合う土地があるなんて知らなかった!という感動が、4年目でもまだ毎日のようにあります。
飽きることのない穏やかで静かな美しさがこの町にはあって。何がすばらしいのかはまた別の記事で長く語ろうと思います。

変わったのは働き方もで、会社員からフリーランスに。
仕事がなくて実家に出戻るかもしれないという心配も今となっては露ほどもなく、両親には奈良に帰ることはもうないと思うと伝えているほど。

木曽平沢の本通りの様子

100人がそれぞれの心地よい居住地を見つけることができるように。

でも、仕事と住まいを移して初めて気づいたこともあります。
移住って0か100しか想像できていなかったけど色々な段階があり、どの段階が自分にとって合うのかは人によってそれぞれだということ。
勢いで動いて、違和感を感じなかったのはとても幸運だったということも。

例えば、私にとって山の谷間で生活するということ(日照時間が少し短い)・冬の気温は時に-10度近くなること・買い物は車で15-30分かけて行くこと・隣家が近くなんとなく近隣住民の生活リズムがわかること。
これらは生活していく上で全く懸念材料にならないですが、これまで数百人の人と塩尻市で出会った中でこの辺りを気にされる方はとても多いように思います。
こういった生活の実情をWEB上でも拾いやすくしていけたらいいなと思いますし、発信を通して誰かの暮らしの選択肢が広がったら嬉しい。

暮らしている場所や仕事が合わなくて、でも合わないことに気づかず、小さな不調をこんなものかと積み重ねている人がこの世の中多すぎる気がしています。
それぞれに合う場所を見つけて、多様な価値観のもとで健やかに暮らす人が増えることを願っています。

今年の山菜 第一弾→ここから夏野菜→秋のきのこと続いていきます

やっぱり、人が巣とする住まいに関わり続けたい。

私にとってやっぱり家は生き方を左右する特別なもので、どう生きていきたいかを表現する場でもあります。
自分の暮らしもより広く開示していきたいと思っていますし、今一番時間をかけたいのは木曽平沢に合う人を見つけて、その人の住まいをここに増やしていくということ。(空き家の発掘と再生には引き続き、多めに時間をかけていく。)
そのためにはこの町に住みたいと思ってもらう環境を作っていかなければと思っていて、この分野での仕込みを増やしています。
また、今年は住宅を地域内に2棟購入し中長期滞在(暮らすように滞在する)を体験してもらえうように事業を開始。
長期で住める賃貸物件の発掘と再生も今年さらに2棟叶いそうです。(しおじり街元気カンパニーとの協働)
そしてこの町がもう少しだけ活気づき、居住地としての機能と数百年前から続く文化も未来に継承されていくといいなと思っています。

手仕事の文化を未来に紡いでいくということ。

木曽平沢は座卓や箪笥などの大物を得意としていた漆器の一大産地です。
木曽平沢住所の漆器組合登録事業者は70前後あり、おそらく住民の半分ほどは産業従事者です。
現在は生活様式が変わり和室が減り、漆器の大物家具の生産量は落ちてしまいましたが、それでも多くの会社や工房がそれぞれの強みでものづくりを続けられています。
この4年の生活の中で、漆器の良さをたくさん知りました。
一つでも、二つでも普段の暮らしに漆器を取り入れる若い世代が増えたら。
そのためにできることも来年、時間を増やして取り組みたいことです。

2023年までの仕事と、私のできること。

あわいに立ち、その両側を繋げることを主な仕事にしてきました。
分野は建築や不動産、ソーシャルビジネル系統のプロジェクトマネジメントを得意としています。

・プロジェクトマネジメント(住宅規模、10人以下程度の)
・ローカルにおけるエリアマネジメント ※街カンと協働
 1000人前後の地区における町づくり方向性調査
 連動して、詳細な空き家の調査、再生、運営
・木曽平沢-奈良井宿を含む観光商品の造成/地域コーディネート/ガイド
・移住相談、塩尻市の山村留学(特に楢川小中学校)に関わる情報提供

工房を訪ねた時に、蔵の前で干されていました

Business Achievement

<空き家の再生・移住>
日々別荘 運営(2020より継続中)
日々別荘_采 喫茶営業(2022-継続中)
・(株)しおじり街元気カンパニー(2020より継続中)
 移住アドバイス、塩尻耕人ディレクション、平沢地域の空き家調査・活用検討

<その他リサーチ/プロジェクトマネジメント>
・地場産業振興センター ソリューション発掘、企画(2021-2022)
・(株)Goldilocks 塩尻市における移住リサーチ他(2022)
・塩尻市 自営型テレワーク推進事業「KADO」 プロジェクトマネジメント(2022-2023)
・緑と水の森林ファンド 事業成果物取材-編集/ディレクション (2022-2023)

<観光>
・塩尻市観光協会 観光庁助成事業での旅行商品の開発、地域コーディネート(2020-2022)
ANA meets ART COM 木曽平沢 現地コーディネーター(2020-2021)
DINING OUT KISO-NARAI 木曽平沢漆器 体験ツアー ツアーコーディネート(2022)

山の谷間に暮らす


引き続き、この町を拠点に穏やかに楽しく暮らせますように。
2023.9.6

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