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虹と蛇

たでの花簾にさすと寝ておもふ 
日のくれ方の夏の虹かな
与謝野晶子

虹と蛇。いずれも虫偏なことに気づきました。虫という字はもともと「ヘビ」の象形文字だといいます。ちなみにどちらも夏の季語。語源を調べれば、なんと昔の人は空にかかる虹を見て、大きな蛇と思ったとありました。

一方は、雨上がりの薄墨色の空の中に、七色の弧をなして現れます。一方は、じりじりと物音も絶えた地の上にのたりと現れ、不気味な眼を光らせる。

そんな似ても似つかぬ両者ですが、先人は美しさよりも、天に現れた現象に、驚きばかりか空恐ろしい思いでも抱いたのでしょう。

虹と蛇。子供の頃は、夏に一度は見ましたね。しかし蛇においては、今やこれだけ暑ければ、地中で大人しくしててくれるだろう、という期待。そして蛇が眠るまに、夢のようにあらわるる奇跡の橋を待つ期待。

虹を誘ってくれるなら、ひとときの雨も待つのにな。今日もいちりんあなたにどうぞ。

イヌタデ 花言葉「あなたの役に立ちたい」

蓼食う虫も好きずき

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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
https://www.hanaimo.com/

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