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通草(あけび)
口あいて五臓の見ゆるアクビかな
秋の野山でぶらんとした紫の実をみつけたら、それがアケビの実です。誰が作ったかは不明ですが、先の句にもあるような、アクビしたかのような、ぱかんと開いた口のなかには、確かにそれとも見えるような果実がみえます。
そのグロテスクは、むかし父から「うまいぞ」とお道化るように差し出されて以来の食わず嫌い。
アケビを見るたびに、なぜうちのお父さんは、ああも生るもの取るもの口に入れるのか、と、げんなりした思い出がよみがえります。(田舎で元気にしております)笑
アケビは「開け実」の転訛とも「アキエビ」の変化とも言われますが、この「エビ」は葡萄の古称で、葡萄茶(えびちゃ)というと、このアケビにもみられる茶色がかった葡萄色のことをいうんだそうです。
今だこの実を食べようとは思いませんが、この錆び色ばかりは、見つけるたびに美しいなと魅入ります。
さて気がつけば、明日は立冬。いよいよ冬隣りまできました。今朝にはやっと季節らしい雨も降りました。もとの青空にかえるころには、また日ざしも弱くなっているでしょう。今日もいちりんあなたにどうぞ。
アケビ 花言葉「才能」
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