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釣鐘草(カンパニュラ)

かわいい釣鐘草が
地面からあらわれて
たちまち芽をふき
うつくしい花をつけます

そこへ蜜蜂がきて
上手に蜜をすすります

こうしてふたりが生きるのも
ほんとに相手のためでしょう

「似合いのひと組」
『ゲーテ詩集』より

ゲーテの詩にも、とても多くの草花が登場しますが、これもまた可愛らしい詩です。

目的にかなった自然界にある営みを、科学者の目でとらえながらも、子どもにも届くような言葉で、優しくわかりやすく歌っています。

釣鐘草とは「カンパニュラ」のこと。カンパニュラと呼ばれる花には品種も多いので、その和名も釣鐘草のほか、風鈴草、蛍袋など、いくつかあり、

どの花をみてそう呼ぶかは、厳密な品種区分によるものとは別に、見る人の感情や感覚的な違いもあるような気がします。

西欧には教会も多いですから「釣鐘」に見立てたこの名前は、景色にも馴染んでお似合いですね。

またこの詩の釣鐘草は、どんな花、何色のカンパニュラだったのかしらと、ゲーテに聞いてみたい気分です。

今日もいちりんあなたにどうぞ。

ツリガネソウ 花言葉「思いを告げる」

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