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桃の日(上巳の節句)

雛祭る 都はづれや 桃の月 与謝蕪村

3月3日は桃の節句、五節句のひとつ「上巳(じょうし)」です。古来、中国では、川で身を清めて不浄を流し取るという習慣があり、それが平安時代以降、ひと形(形代)に穢れを移して託して川に流す「流し雛」の風習へと変わったといいます。お雛様を飾るという現在の風習も、その流れの変化にあるものだそうですね。

現代のお祝いの習慣として、桃の花、ひし餅、雛あられ、白酒で祝いますが、ここに見られる「ピンク・緑・白」の3色は四季を表しており、四季を通じて娘が幸せでありますように、という願いが込められています。

ひし餅ひとつをみても、この3色が使われています。ここにあるピンクは桃の花、緑は草萌える大地、白は雪の純白です。春も近づく雪解けの頃、いよいよ雪の下には緑の草が息吹き、雪の残る大地には春の光を受けて桃の花が咲く。

実はひし餅は、そんな春の訪れを喜んだ、情緒あるお菓子なんです。

色彩は自然の微笑み、と言った人がありましたが、春の色は見ているこちらまで微笑ましくなります。かさねて暖かくまろやかな光、漂う匂いを感じるたびに、ありがたい、懐かしい情景が目に浮かびます。

今日は楽しいひな祭り。朝からとってもいいお天気。あらためてこの春色に、皆さまが健やかでありますよう、願いをこめて。今日もいちりんあなたにどうぞ。

ハナモモ 花言葉「あなたに夢中」

桃花、春風に笑む

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