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沈丁花は朝早く、金木犀は一日の終わりに漂う。

今年はじめて金木犀の香りに包まれました。澄みきった秋空に広がる花の匂いの濃さたるや、あの小さな花のいったいどこに、秘めているのだろうといつも思う。

日本では橙黄色を金木犀、白色を銀木犀と呼びます。原産地の中国では黄花を金桂、白を銀、赤を丹桂というそうです。

陰暦八月の異称に「桂秋」とあるのは、文字通り木犀の花が咲く秋をあらわしているから。「桂月」ともいいます。

月には木犀の大木が生えているという伝説があり、これは中秋の名月の頃、月に生える桂花の巨木が花をつけ、その花色が月を金色に染めるという言い伝えです。

夕暮れどき、どこからともなく漂ってくる金木犀に気付くだけで、秋の深まり感じるこの季節。沈丁花は春の朝早くに漂い、金木犀は秋、一日の終わりに香りが届く。そうあれは、月から香ってくるからなのね。今日もいちりんあなたにどうぞ。

寂しさが人生に美しさを加える
落日にとっておきの輝きを加え、
夜気に心地よい香りを添える
-ヘンリー・ロリンズ

キンモクセイ 花言葉「変わらぬ魅力」

香りのたびにあの日のことを思い出す

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