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切り絵【おさるさんとゲーム】

つい先日、初めての腰痛を経験いたしました。
自分には椅子の生活が体に合わないのかもしれないと、改めて感じております。
前職では、ほぼ立ち仕事をしておりましたので、現在通所しているB型作業所での椅子に長時間座り続けるデスクワーク作業は、まだ体に馴染まない部分もございます。

自宅では、細かい作業を長時間やることもあるのですが、床の生活が好きで正座での作業が一番落ち着くというのが、正直なところでございます。
正座が苦手な人にとっては、椅子の方がありがたいという声をよく耳にするのですが、長時間座っているということ自体が、腰に大きな負担となってしまうのは、どちらもあまり変わらないのかもしれません。

休憩を挟むとはいえ、ある程度の時間は、机に向かっていなければならないというのは、たとえ作業自体が難しくないものであったとしても、体力が必要なことなのだろうと感じております。
B型作業所での作業は、そこまで難しいものではないとか、誰でも出来るような作業だとか、そんな話を聞くこともございますが、長時間机に向かっているというだけでも、人によって平気な人もいれば、辛い人もいるのではないかと思います。

私の通っている作業所は、パソコンなどの作業が無いので、光に弱い私にとっては目を労わることが出来ていて、とても助かっております。
パソコン作業は好きなのですが、どれだけ光を弱くしても作業中は目が痛くなってしまい、おそらく一日は務まらないと思います。
それでも、世の中には、パソコン作業の仕事がありふれていて、たとえパソコンのスキルを持っていて、パソコンが好きであったとしても、どうしても腰痛や肩こりが酷くなってしまう人は、泣く泣くその仕事を断念しなくてはいけなかったりするのでしょうか。

今は体に負担の少ない机や椅子、キーボードやマウスなどが売られているようでございますが、すべての会社がそうであるわけではないようで、これから少しずつ体に負担のないデスクワークができる社会になっていくよう、願うばかりでございます。
個人的には、パソコンの光を目が痛くならない光にしてもらえたら、私は非常に嬉しいです。

私は普段からストレッチが非常に好きで日課にしているのですが、さっそく腰痛に良いストレッチを調べて日々のストレッチに取り入れることにいたしました。
作業が立て込んだ通所日の次の日に、とても腰が痛くなり、最初はびっくりしたのですが、腰のストレッチをするようになり、だいぶ良くなりました。
腰痛は、ありふれているような気にもなってしまいますが、体幹でもあり、体の真ん中にある腰が痛いと、何もできなくなってしまうということを痛感いたしました。

仕事を減らすことは出来ないから、負担は減らせないとしても、慢性にならないように、痛みが出る前にストレッチなどをして、筋肉を普段から緩めておくことが改めて大事だと感じた体験でございました。

私の母は、腰痛持ちで子供の頃から腰が痛かったと、よく言っておりましたが、慢性の腰痛と日々向き合っている人は、どんな姿勢が自分にとって負担かをよく知っていたり、歩き方や座り方などにも常に気を配りながら暮らしているものなのでしょうか。
それも仕事選びの一つの要素になったりするのかもしれません。

私の兄は、母に似ているのかもしれませんが、若くして腰が痛いと言うことが度々ございました。
背中は触るとピンと張っていて、腰はいつもカチコチだったように思います。
体が硬いので、ストレッチなどは好まないのですが、腰が痛くなると床に寝転がって、大きく伸びをしながら腰をひねり、ポキッと骨を鳴らす姿を、よく見かけておりました。

自分の部屋でやればいいのに、わざわざ私の部屋まで来て、くねくねしながら、全身の伸びをして、気持ち良さそうに寝転んでいた兄はいつも、休む時は自分の部屋でなく、人の部屋で休むとより気持ちが良いと、よく言っておりました。

私にはよく意味が分からなかったのですが、そんなことを言っていた兄が、今年から一人暮らしを始めました。

長らく実家暮らしをしていた兄が、ようやく独り立ちをしたので、母は大層寂しがっておりまして、1か月ほど連絡がこないと、おろおろして何かあったのではないかと、私に連絡をしてきました。
私が「ラインで連絡をしたらいいじゃない」と言うと、せっかく一人暮らしを始めたのに、こっちが心配していることを伝えたら負担になっちゃうから嫌だと、元気でやってることが分かればそれでいいと、母が言うので、スマホが使えない母のために、兄のツイッターをみせてあげることにしました。

連絡を取らなくても、直接会えなくても、生存確認が出来ることに、母は感激しておりましたが、たまたまくだらないことをつぶやいていた兄を見て、「心配して損したわ!」と、少し元気になったようでなによりでございました。

兄は子供の頃、木登りが得意だったり、体が小さくとてもすばしっこい子だったせいか、おさるさんみたいと周囲の大人によく言われておりました。
その影響だろうと思うのですが、ネット上では、おさるさんをもじったニックネームを使っていたり、私におさるさんのアイコンを描いてくれと言ってきたこともございました。
兄にとって、おさるさんは自分を表す大事な象徴になっているのかもしれません。
そんなわけで、私は兄の絵を描くときは、おさるさんの被り物をしている姿をよく描くことがございます。

さるには、腰痛が無いと聞いたことがありまして、それなら私もおさるさんでもいいかもと、最近思う今日この頃でございます。
動物園の猿山などで見かけるおさるさんたちは、みんな猫背な感じに見えるのですが、姿勢が良い方が腰痛は良くなるというのは、果たして本当なのでしょうか。

兄と言えば、ゲームというくらい、子供の頃から大変なゲーム好きでございまして、今でもそれは健在でございます。
兄がゲームに夢中になる後ろ姿は、猿山のおさるさんが丸まって座っている姿にそっくりだったなぁと、改めて思い出します。

ゲームボーイを買ってもらった兄の真似をして、私もゲームボーイを買ってもらったけど、自分の力でサクサク進めていく兄とは対照的に、当時の私には難しすぎたのか、「お兄ちゃん、私のもやって!」とすぐ投げ出してしまうような子でございました。

そのうち、自分でプレイするのはやめて兄がやっているところを見ている方が楽しいことに気が付きまして、上手な人のプレイを見る爽快感を知った瞬間だったように思います。
本来は、自分でクリアして達成感を得るものなのだと思うのですが、全クリできないどころか、序盤で躓いてしまう私みたいな人にとっては、攻略本を見ながらクリアしてもあまり面白くなく、考えたり苦戦しながらやっている兄の様子と画面を見ているだけの方が格段に楽しかったりするものでございました。
YouTubeなどでゲーム実況の配信を楽しんで見ている人たちのコメントを眺めていると、実際に自分でやったことがあるゲームに関しては、それぞれが自分のやり方でやってきて、攻略法や知っていることも人それぞれだということがよく伝わって参ります。

私のように見たことはあるけど、やったことはないゲームばかりという人はゲーム好きとは言えないのかもしれませんが、幼いころ、兄の隣で一緒にゲームをした気になっていたあの頃の日々は大変懐かしい思い出でございます。
兄の一人暮らしが今後も楽しいものでありますようにと、願っております。

また次も見て頂けましたら、幸いでございます。

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