早記の踊り子年譜✍️⑤【反抗期突入】
挨拶しかしないけれど、そういえば毎週レッスンに来るよね、くらいには認識してもらえたら…
というようなスタンスで、とにかくその事だけは自分に負けないように通い続ける先生のレッスン。
私が黙々としつこく通い続けるものだから、先生も顔を覚えてくれたようで、
ねぇ、名前なんていうの?
と聞かれた時には、天にも昇るような嬉しさだった。
その時の感情を今、急に思い出したけれど、毛穴という毛穴から汗が噴き出し、ベタな感じに吃りながら、
早記です…
って小さい声で答えるのがやっとだったな。
恋する乙女なのか。笑
そんなこんなでスタジオの発表会に出るようになれば、
いくらコミュニケーション能力の低い私でも、挨拶以外の会話が自然に出来るほどには馴染んでくる。
『そういえば毎週レッスンに来る子』から、
『だいたいいつもいるメンバー』になり、
更にしつこくレッスンに通い続けたこともあり、
先生のクラスのアシスタントを任せてもらえるようになったり、お仕事も少しずつもらえるようになったり、
ようやくダンスに集中出来るくらいに、その場にいることへの違和感がなくなってきた頃。
20代前半の頃の私は、今よりも更に、
こうじゃなければいけない。
という、良くいえば真面目、しかし実際は頭が固い…だったから、すごく視野が狭かったと思う。
誤解を恐れずにいえば、
ダンスの基礎もやらないで、勢い(持ち合わせているエネルギー)だけで、感情を曝け出す踊り方が苦手だった。
私と正反対の踊り方。
ダンス(表現すること)には、スキルだけではなくて、その人のバックグラウンドが滲み出たり、持っているオーラだったり、積み重ねてきた色々が感じられたりする瞬間が、
面白さだったり深みだったり、観ている人の心を動かしたりする、ということを、
今だったら腑に落ちるのだけれど、
その頃の私には到底、理解不能。
受け入れようとすらしなかった。
(受け入れるもなにも、あんた何者だ!笑)
ただ暴れてるだけじゃん。
と、思っていた。
ある日のレッスン、
先生が最後に、何人かの生徒をピックアップして踊らせたことがあった。
私と正反対の踊り方をする子。
ダンスを始めたばかりだけれど、全身で振付を表現しようとする子…
踊り終わった後に先生が、
わかる?
と言った。
わからない。
さすがに声には出さなかったけれど。
絶対に、首を縦には振りたくなかった。
言わんとすることは、わかる。
でもお腹の底から【わかる】とは認めたくなかった。
もはや先生ではなく師匠と呼べるほど、
長く濃く習ってきたという意地と、
なんだかんだ言っても、師匠は私を引き上げてくれるという甘え、驕り。
そんなものが、私の中にはあったのだと思う。
好きがゆえの、反抗期突入。
これからさんざん泣くことになる早記嬢。笑
さてこの反抗期の行方は…
次回、早記の踊り子年譜✍️⑥【泣こうが喚こうが卑屈になろうが、納得するものを出すまでは、前では踊らせない】
に、続く♡☟
https://note.com/sakiii_bi/n/n3a84490f8a79
最後まで読んで下さりありがとうございます🙏✨
早記の踊り子年譜✍️①から読む方はこちらから☟
note.com/sakiii_bi/n/n522983d8644b
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