着物を着る生活 2024.07.15
昨日一昨日はニュースレター原稿を書いた。
長らく不真面目な不定期更新になっており、特に無料登録読者さん向けの記事を書く余裕がまったくなかったので、久しぶりに更新できてよかった。
早起きライティング生活は思いのほかあまり苦もなく続いている。この調子ならニュースレターの毎週配信のペースも取り戻せるかもしれない。「書こう!」という意識でPCの前に座ればなんだかんだでいろいろと書けるので、やはり書くための環境を整えるのが大事なんだなぁ。
昨日は、とあるものづくり仕事の打ち合わせで夜に友人宅を訪問。
蒸し暑さはあるものの気温はそこまで高くなく、雨の予報もなくなったので、ここぞとばかりに最近仕入れた夏着物を着て出かけた。
この友人も少し前から着物にどハマりしており、会う時には必ず着物を着るようになった。着物を着る機会なんて普通にしていればないので、「着物好きの友人に会う」がちょうどいい言い訳になる。
着物にハマったきっかけは、自宅からすぐに行ける場所にアンティーク着物のお店があり、その店名が娘の名前と同じ、というのを知ったことだった。
着物の着方も必要な道具もまったく知らない状態でふらっと見に行ったら、膨大な色柄の布の質量に圧倒され、その勢いで一式揃えたのがはじまり。買ったもののしばらく着れずにいたところ、一足先に着物にハマった友人に声をかけてもらい、無事に着物を着る生活がスタートしたのだった。
少し前まではまったく和装には興味がなかったのだが、着るたびに着物愛に目覚めていく感じがする。
やっぱり日本人、着物が似合うんだよねぇ。特に、30代半ばになってから、よりそれを感じるようになった。
洋装でおしゃれをしようとすると、それなりの価格帯のものを着ないとサマにならなくなってきて、お金ばかりがかかってしまう。着物もそれなりに種類を集めたり小物を揃えたりすると多少のお金はかかるのだけど、今の時代、メルカリを見れば中古の着物グッズが格安で山ほど出品されているので、必要なアイテム数の割に出費はそこまで痛くないのだ。
「おばあちゃんの着物」がタンスに眠っている家庭は意外と多いようで、着ない人にとっては荷物でしかないから、どんどん処分されているのだと思う。いざ着物を着るようになると、こういう処分品が宝物に見えてくる。
日頃は「海外みたいな〜欧米のインテリアは〜」と外の国の文化を持ち上げる発言ばかりしているが、何百年も続いてきた自国の文化にはやはりかなわないとも思う。
それが日常的に親しむ文化ではなくなってしまって、処分の対象になっているのは、少なからず寂しいことである。
それにしても着物にこんなに魅力を感じるようになるとは思わなかった。でも、よく考えたらその素養はあったな……とも感じる。
元々、社交ダンスドレスを作ることも、インテリアコーディネートに凝り始めたのも、「映える色柄を組み合わせてかわいいものを作ること」に対する異常なまでの興味関心と情熱から始まっていた。
この欲求がいったいどこから来るものなのか自分自身でもよくわかっていないのだが、「あれとあれを組み合わせて、こうデザインしたら、めっちゃかわいい」という思いつきを四六時中脳内で展開しているのである。目に映るもの全部、そのための材料だと思っているところがあって、なぜか脳が勝手に素敵な組み合わせを探してしまう。
今までは、作るのに手間がかかるダンスドレスや、入れ替えが楽ではないインテリアでその脳内のイメージを現実にしてきた。
しかし、「着物」なら。
それらよりもものすごく手軽に、しかも非日常感溢れる鮮やかな色柄を使って、かわいい組み合わせを無限に作り出せる、ということに気づいてしまった。やばい。これは沼だ。沼ですよ。
これまでにも、扱うモノの量が多くスペースを取る活動を中心に生きていたというのに、ここにきてさらに「モノ」を増やす方向の関心ごとが現れてしまった。近年のミニマリズムな流行とは完全に逆を行っているが、やはりこういうことが自分にとって大切で楽しい活動なので、この新しい興味も大事にしていきたい。
私は「モノ」に縁が深いタイプの人間で、モノを集めて、組み合わせて、何かを作り出すことに幸せを感じる方だ。
でも、それは無駄なものをどんどん溜め込んで捨てるような性質ではない。世界に存在する価値をきちんと受け止めて、味わって、それを次に繋いでいくような、そういうモノとの向き合い方でありたいと思うし、実際にそうしていると思っている。
モノを持たないこと・捨てることばかりがもてはやされる世の中ではあるけれども、何かを手にいれること、その価値を最大限引き出すこと、大事に長く残すこと、そういうモノとの付き合い方がもっと主流になってもいいのではないか。こんなに物を捨てないといけない社会は、やはり何かがおかしいのではないだろうか。
どこかの家のタンスから縁あって我が家にたどり着いた、かわいい色柄の布たちを見ながら、やっぱりそんなことを考えてしまう。
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