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俺はこのクソみたいな人生に中指を立てる(前編)

とても久しぶりの投稿。長く続くと思っていた就活もひと月ちょっとで終わってしまい、心は風に吹かれるビニール袋のように乾いた音を立てながらふわふわしていた。

でもこの空白の3ヶ月間の間にいろいろなことがあった。就活もそうだが、それはまた別でまとめることにする。今回は俺にとっては就活なんかよりもずっと大事だったことに関する話だ。
まずは次の記事を読んでほしい。

この記事の投稿以降も﨑原の心には暗く厚い雲が漂っていた。就活なんて正直何とも感じていなかった。どうせ内定は貰えるだろうし 、記事に書いたような「終わりのない刑罰」とも言える境遇に比べたらぬるま湯につかっているようなものだった。
そんな中新たな出来事は訪れた。今回はその一連の出来事を三部構成でレポートすることにする。


突然の連絡

さきはらさん~X日バイトの後あいておりますか?Tさんと飲みいこうって話をしてるのでよかったらぜひ!!

バイト先の後輩であるYから、ある日こんな連絡が来た。Yは都内の某大学に通う女の子であり、「Tさん」とは近々職場を離れることになっていた女性社員で、年は離れていたもののYとは仲が良かった。
「急だな」と思いつつ、「いく!奢られに行きます」と適当なスタンプを付けて返事をした。何の変哲もない連絡だったが、これがやがて大きな事件(﨑原にとっては)に発展することになる。

使用したスタンプはお気に入りの1つだったのだが、これがYのセンスに刺さったらしくコメントが返ってきた。これをきっかけにメッセージのやり取りが続くことになって、結局飲み会当日になるまで2週間ほど続いた。色んな話をした。互いの趣味の話、最近あった楽しい話。割と考え方の波が合っているような気がして、「続いている」という感覚もなく結果的に「続いてしまった」というほうが適切だろう。
思い返せばこの時からYへ仄かな好意を抱いていたのかもしれない。

そして飲み会当日。
メッセージのやり取りが続いている中で第三者を交えて会うというのはどこか気恥ずかしさがあった。「前の彼女ともこんな時期があったな」と正常な感覚の人間からすれば気持ち悪いとも思える内容の回想をしつつ、平生を装う。
飲み会では3人で話が弾んだ。Tさんは現在の職場含め教育に携わってきたので、主に教育論とか職場である塾に通う生徒の話(﨑原は塾でチューターのバイトをしている)だった。たまに互いの過去などプライベートな話もしつつあっという間に時間は過ぎ、会はお開きとなった。

しかし駅前でTさんを見送った僕らは、飲み足りないね、という話になり近くのコンビニでスト缶を買いベンチに腰掛けた。そこで終電まで酒を飲み話した。
Yはよく笑った。話に対して最大級のリアクションをしてくれた。でもそこに偽りはないように見える。1時間もないような短い時間だったが、とても楽しかった。酒のせいもあってかこの時には気持ちを自覚できた。でもそれは単に「居心地が良い」程度のものに過ぎなかったように思う。
そんなこんなで終電の時間になったのでそれぞれ帰路についた。

でも酔っていた僕らはそのあと結局電話をした。時間を忘れて話をした。そして通話が終わるころにはもはや心は完全にYへ傾いていた。また同じ過ちを繰り返すのか、﨑原。でもどうしようもない。
そして﨑原は勝負に出た。「今度、夜ご飯でラーメン行きませんか」と。ドキドキしながら返事を待つ。

返事は意外にも即答で「Yes」だった。でもここで喜んではいけない。ドタキャンの可能性だって往々にある。
「当日会えるまでは承諾と思うな。」
過去の傷がそう示す。もう胸は不安感でいっぱいだった。

次回予告
そして約束の日。
精一杯のおしゃれをして集合場所である赤羽へ向かう﨑原。まだキャンセルの連絡はない。
通い慣れているはずの赤羽の街すら異界に感じるほどの不安感と緊張感。
果たしてYは現れるのか...

#日記 #久しぶりの投稿 #長編

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