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仕事でより良い関係性を築くために

キャリアコンサルタントとして学んだこと経験したことについて、普段の仕事や生活でも活かせることについて。

今回は、「仕事でより良い関係性を築くために」

より良い関係性とは

普段の生活の中では、多くの人との接点があります。

仕事の中では、
挨拶だけかわす人もいれば、業務の話だけする人もいて、仕事の合間のお喋りだけする人もいる。

話をする相手によって、話す内容の深度を変えていたり、緊張度も変わるものです。ただ、これらは普段意識しているものではありません。

無意識のうちに、私たちは接する人たち全員と1人1人と違った個別の関係性を結んでいるのです。

ラポール?

キャリアコンサルタントの勉強をしている時に初めて知った言葉が、
「ラポール」

「クライアントとの間にはまずラポールを形成して…」
「ラポールを構築することで相手が本音を話しやすくなる」

といった使い方で出てきました。

「信頼関係」と互換されることが多く、私もそのように認識してます。

国語辞典等では、
ラポール:
心理学で、人と人との間がなごやかな心の通い合った状態であること。親密な信頼関係にあること。

また、勉強をするほど、相談を実際に受けるほど、
「コミュニケーションは、信頼関係の強弱によって変化する」
と、実感するようになりました。

コミュニケーションとラポール

ラポールがしっかりと構築されていると、コミュニケーションはどう変わるでしょうか。1つ例を挙げてみます。

上司との1on1面談を想定してみましょう。
「最近の仕事はどう?困っていることはない?」
と聞かれたとします。


<ラポールがそこまで構築されていない場合>

「大丈夫です」
「特に問題ないです」

などといった反応を私はしてしまいます。

この時の気持ちとしては、相手に情報開示をこちらからするつもりは無く、早く面談を終わらせたいと思っています。
加えて、話したところで意味が無いと見限っている場合もあります。
上司の役職の力でなんとかなりそうな話のみ伝える。そんなところでしょうか。

打算的なやり取りですね。
(淡々としていてこういったやり取りを好む方もいらっしゃいます)


<ラポールが構築されている場合>

「この業務は○○まで進んでいて順調ですが、強いて言えば、✖✖にもう少し注力したいと思っているのですが、どうでしょうか」
「先日風邪をひいてしまってから朝がきつくて…」

この時の気持ちは、話を聴いてくれるから、現状報告と一緒にアドバイスも貰いたい。上司への不信感もなく、自然と自己開示をしている状態です。

こちらの方が、上司部下という関係性に信頼感があるように感じませんか?

仕事ですから、仕事の出来不出来が信頼構築のうえで重要ではありますが、人としての信頼関係もあった方が、人の集合体である企業の中では何かとメリットのあるものです。

ラポールを構築するとは?

ラポールを構築するとは、信頼関係を構築するということ。

構築するのに必要な態度について、
キャリアコンサルタントは「受容的態度・共感的理解・自己一致」が必要であると学びます。

そして、技術としてマイクロ技法を学びます。
心理学ではペーシングを学ぶかもしれません。

マイクロ技法のベース:「かかわり行動」
 ・言語的追跡:話を遮らない、うなづきなども。
 ・身体言語:相手が話しやすい姿勢など。
 ・視線:合わせる。
 ・声:トーンや速度に気を付ける。

このような態度や行動をしつつ、キャリコンは問い掛けなどを組み合わせて相談を進めていくことになります。

また、この態度や行動はラポール構築の基礎でもあり、話を聴いていく中でもラポールは強化されていきます。
(もちろん、相談者に合わない進め方をすればラポールは構築されません)

会話でラポールを築けるか?

肩書などは信頼獲得をするために手っ取り早いものです。
(勤め先によって銀行の融資がスムーズに進む場合とそうでない場合があるなどは、よい例かと)

しかし、会話の中で信頼を獲得するというのは、難しいようで簡単。
そして簡単なようで難しい。

ただし、間違いなく会話でラポールは築けます。
(と、私は思ってます)

ここからは経験からくる持論です。

会話の中で、いつラポールは築かれる?

・相手への「誠意」
・相手への「好意」
・相手への「敬意」
を相手が感じ取った時に築かれることが多いです。

どれも当たり前のようですが全てをかっちりこなそうとすると、
結構難しいです。

はたから見て、先輩をナメているようにしか見えない態度をとっている人はどのコミュニティにもいるかと思いますが、その人が先輩から好かれていることもよくある話です。

このような態度をとっている後輩が、実は上手いこと上記3つを(知らず知らずに)混ぜていることが往々にしてあります。

その様子を勘違いして、単に先輩をからかったりすると、言わずもがな、痛い目を見ることになります。

また、誠意・好意・敬意を思いっきり伝えても、上手くいきません。

誠意を伝え過ぎれば、
相手が遠慮してしまったり。

好意を伝え過ぎれば、
気味悪がられてしまったり。

敬意を伝え過ぎれば、
逆に距離感が開いてしまったり。

今までの人生で思い当たる経験は、
何かしら皆さんも持っているのではないでしょうか。

どうすればいいのか。

相手の求める熱量 = こちらの与える熱量
となるように調整をするのです。共感すること。とも言えます。
(共感については、いずれ…)

一番意識的に会話量(仕事のことについても、プライベートについても)を増やす方法は、相手への好奇心を持つこと。

好きな人、仲良くしたい人には、これが自然とできています。
普通の関係でいいという人の方が仕事がらみでは多いかと思いますが、意識的に好奇心を持ってみると案外気付かぬ内に会話していることも増えてくるかと思います。その中で、仕事についての考え方など出てくると、お互いに仕事がしやすくなることも充分考えられるわけです。

おわりに

信頼関係すなわちラポールは、コミュニケーションをとるうえで、安心・安全の環境を整えるためには重要なカギとなります。

仕事において、部下の抱えている悩みを聴いてあげたい、同僚とぎこちなくてもっと上手く連携したい、上司にもっと仕事を任せてもらいたい、営業先の人に任せてもらいたい、などなど。

ラポールを強める程に、解決する可能性が見えてきます。

それは、ラポール形成が強ければ強いほど、自然と相手に話す内容の深度が深くなっていくからです。

表面的なことだけでなく、自身の考えや悩みといった部分を引き出しやすくなると、相互理解も促進され、より良い関係性を築くことができます。

おわり

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