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コロナ禍で就活生が不安に思うことを聴いてきた!

採用に携わってもう数年。
これだけインパクトのある環境変化は初めて。

そこで、今回 bosyu を利用して、
現在大学4年生の就活生とお話ができました。
協力ありがとうございます!

就活生の視点で、
「コロナ禍での就活に対してどう感じているか」
伺うことができたので、まとめます。

不安に思う6点

以下の6点を、不安事項として挙げてくれました。

①コロナは採用数にどれほど影響するのか
②オンライン説明会のみで会社の雰囲気がわかりにくい
③オンライン面接に未知の恐怖を抱いている
④最終面接までもオンライン面接になっている企業がある点
⑤採用活動の延期でいつ内定がもらえるのか
⑥コロナの影響で内定取り消しされるかもしれない恐怖

これらについて、それぞれ考えてみたい。

①コロナは採用数にどれほど影響するのか

有効求人倍率も1.4を下回るなどと報道(4/29時点)

読売新聞(4/20時点)からは、
新卒採用「減らす」倍増、「増やす」大幅減…主要100社アンケート
といった記事が流れていたり。
※ 「変わらない」の比率は変動していない。

<私見>
採用数の変動は、読売新聞のアンケート調査にもあるように、業界による部分が大きいのではと考えている。業界によって収益構造も異なり、この環境下で需要が増加している分野もある。

予算という点からは、採用予算は削りやすい部分でもあるので、経営が厳しくなればなるほど、採用企画を練り直すのも実施するのも難しくなってくるのでは。。

企業によると言ってしまえばそれまでだけど、今までの貯えとか、各企業における採用のプライオリティとか、事業の方針によって同業種・同職種であっても取り組み方は様々と感じる。

21卒の就職活動はもうすでに始まっており、各企業ごとに採用スケジュールを走らせ始めている。既に周知している内容を変更する、取り止める、といった采配がされないよう祈るばかり。

②オンライン説明会のみで会社の雰囲気がわかりにくい

この点は恐らく、学生・企業双方が感じている点かもしれない。

<企業側>
企業にしてみれば、どんな学生が興味を持ってくれているか知りたいし、聞いている様子から説明内容を変更したりといったことが難しくなってしまうところは残念なところ。
<学生側>
学生からしてみれば、人事担当者や先輩社員と”直接”話ができないというのは、少し味気無さがあるかも。オンラインだからこそ、どこまで加工された「見せるための」情報なのか判断が難しくなることも。

企業・学生双方とも、目の前のリアルな反応や対応といった人間味や雰囲気をどこかで感じたいのかもしれない。ふと、「雰囲気」とは何なのか。

(脱線)
「企業の雰囲気が分かりにくい」などという表現で就活シーンではよく聞く『雰囲気』というワード。

 職場環境(設備・施設・清潔感など)と説明会等で登場する一部社員の印象など、限られた情報しか持てない学生からすると貴重な判断材料になる。

加えて最近個人的に重要だと思っているのが、「説明会でどれほど聞き手の視点に立った説明をしてくれるのか」といった『スタンス』が雰囲気に直結するのではないか、ということ。

話を聞かせてくれた学生は、以下のような話もしてくれました。

学生側から見て安心感を感じた企業の特徴は、「企業も不安である」ということをしっかり共有していただいたということです。説明会に参加した際も会社によって雰囲気がだいぶ違う印象を受けました。

素直に情報や気持ちの共有を行うということが不安を和らげることになる。説明会であっても、コミュニケーションの一環であることに変わりはないので、信頼感をいだけるか、という点はここでも大切。

③オンライン面接に未知の恐怖を抱いている

先んじて面接をオンライン化していた企業もあるかと思うけど、あくまでも中途採用とかがメインだったのでは。
そういった意味からも、オンライン面接は”双方”にとって恐怖なのでは。

<企業側>
このコロナをきっかけに面接をオンラインに切り替えた企業は多いと感じている。その中でも、これまで準備してきて、このタイミングでオンライン化に踏み切った企業と、これまで何も準備していなくて取り急ぎオンライン化した企業の2種類がある。

ⅰ.準備してきた企業
設備の確認・操作手法はもとより、面接時に面接官が気を付ける点、学生に配慮する点などまで検討されている印象。
他者への配慮は心に余裕がなければできない。

ⅱ.準備してこなかった企業
オンライン化するか否かでさえ、決裁にまず時間が喰われる。予算措置も講じていないので、やっつけでの対応が関の山。ITリテラシーの低い人事担当者しかいない場合は、更にお粗末な採用手法になりかねない。

直接会って感じる情報というのは思いのほか多かったと気づかされる。
オンライン面接は面接官からしても拾える情報が少なくなる。
学生は最初から「見られている」という意識で望むので、面接官からすれば「どこまで面接用に作りこまれているか」を見にくくなる。
(逆にリラックスし過ぎて臨む学生もいるらしいけれど…)

採用過程での判断精度を高めるために接触回数を増やすなど、採用企画を管轄する人事の働きは高まりそう。

<学生側>
学生にとっては、就活は初めての経験だろうし、面接も慣れていなくて当たり前。そのうえ手法が今までとガラッと変わるとくれば、先輩などから経験談などアドバイスを受けるのも難しくなってくる。そういった意味では未知のモノという印象が強いと思われる。

ただ、大学の授業等ではオンラインでの実施に切り替わったり、最近では学会発表等もオンラインツールを利用したものに変わってきているという話も聞く。話を聞かせてくれた学生もゼミでZOOMを利用しているとのことだった。

学生の方がツールの利用経験や慣れるスピードは、社会人を遥かに上回っている。そういった面では、学生は不安に思うことは無いと私は思う。
ただ、面接という場に慣れていないだけ。

オンライン面接については、学生よりも企業の方がより焦りをもって順応しなければならないと痛感する。

④最終面接までもオンライン面接になっている企業がある点

<学生側>
今回お話を伺った学生からは、
 ・最後まで一度も直接会わないままというのは釈然としない
 ・企業や社員の雰囲気に直接触れないままというのは不安が残る
<企業側>
コロナの影響を考慮するなら、
 ・会場に来させる(電車等利用させる)リスクを学生に負わせたくない
 ・オンラインで一本化した方が効率が良い
 ・万が一会場に来させて罹患者が出た時の企業が負うリスクは大きい
 ・役員には重症化しやすい高齢な方もいらっしゃる

学生側も企業側も、本当は直接どこかで会っておきたい。
という考えがあるように感じる。
しかし、新型コロナの影響を考えれば、採用工程の一部分だけオンライン化するというのは、ちぐはぐな対応。

(脱線)
面接手法を変えたくないとする企業も多いだろう。
正直、変更する方が手間が掛かるのも事実。

役職者・役員に頑固な方がいらっしゃったり、新しいことへの挑戦心が無かったり、自分の仕事を囲い込もうとする人が居れば居るほど、挑戦や変更を実行するのは並大抵のことではない。

どうしたって内定を出す側と出される側とでは、力関係が生じてしまう。
そしてこの時世である。
「会場に来てください」と言われれば、「行く」という行動をとる学生は多いだろう。
こういった不条理が産まれないようにしていきたい。

パラダイムシフトとも言われるこのコロナ禍を経て、ものの考え方も変わっていくかもしれない。テレワーク等も一層進めば、入社後にほとんど顔を直接会わせない同僚や先輩も増えてくるのかも。

そう思うと、この先の未来、および自分の変化に対して一層の興味が湧いてくる。

⑤採用活動の延期でいつ内定がもらえるのか

21卒について言えば、明確なスタート時期というのはコロナによってうやむやにされてしまった。スケジュール感が見えないというのは精神的に負荷がかかるもの。

採用スケジュールを検討中とする企業や、秋以降にスライドさせる企業、従来の告知通り実施する企業、様々。
今後のコロナの影響も読めず、21卒については長期化の可能性もある。

(脱線)
感染拡大を踏まえ、採用活動を柔軟にするよう企業への呼びかけも始まっており、一層、採用の通年化が加速しそうである。
そうすると益々、「だいたいこの時期に最終面接があって内々定が貰える」などというスケジュールの型がなくなってしまう。

学生1人1人の裁量によってスタートもゴールもバラバラになってくる。
今まで以上に学生にとっての採用活動は個人で過ごすことが増え、個人差が大きく開き始めることになるだろう。
(企業の採用担当も仕事は増えそう…)

⑥コロナの影響で内定取り消しされるかもしれない恐怖

21卒、とりわけ早い段階(3月中など)で内々定を出されていた学生に関しては正直、内定取り消しが絶対に無いとは言い切れない、というのが私の個人的意見。

6月や7月以降に内々定が出される学生については、企業もある程度はコロナ禍の環境に耐性がついてきて、この環境や今後の経営判断を考慮の上に最終決定を出されるだろうから、事後で取り消されるという可能性は低くなるかと思われる。

企業も人の集まりで、信用があってこそ営業ができる。なので、どの企業だって「内定取り消し」ありきで採用はしない。採用内定を出したからには、その約束を履行するために最大限の努力をするはずである。

ただし、今後どのような環境変化が生じるのかというのは、まるで予測がつかない。不安を煽るように地震や噴火の発生確率のニュースも最近増えたように感じるし、年々被害が増えている梅雨の時期にも入っていく。
もっと言えば、新たなウイルスが猛威を振るうことだって可能性としては0%ではない。考え出したらキリがないが、楽観的に世の中を捉える気運ではないことは確か。

そんな中であっても、お話を頂いた学生から、こんなコメントも!

今回就活に失敗したり、内定取り消しになっても、
どうにか生きていくしかないと考えている自分もいます。
とにかく今を頑張って乗り越えるしかないですね!

このような時世においても、学生たちは自分の将来を模索して前を向いて動いている。逞しい限りで、見習う点である。

こんな話も頂きました

<以下、いただいた話>
私自身は、コロナによって良くも悪くも様々なことが変化していく機会だなと考えています。例をあげますと、説明会の様式です。
今年の採用活動はオンラインで行われることが多いですが、オンラインでの採用活動は学生側からの視点でメリット・デメリットあるなと感じています。

メリット:
交通費かからない、満員電車乗らなくて良い
デメリット:
会社の雰囲気が掴みにくい、人事の方に顔を覚えてもらうことが難しい
など。

企業の人事の方が今回の採用活動を成功させるためには、学生側に安心感を与えること、会社の情報を学生にしっかりと提示することが重要かなと思っております。

学生にとっても企業にとっても、適応力が試される険しい時代が始まったようにも感じる。

おわりに

今回は、このコロナ禍の中での学生の声を聴くことができ、また自分の考えや人事に所属している社会人としての考えを聴いて貰うという貴重な機会でした。感謝している。

ありがとう!!

しょうもない感想ですが、普段からインドア派の私にとって、あまり普段と大差のない日常を送っておりましたが、Stay Home週間ということもあり、オンライン上に人が増えていて賑やかさがあって良いなぁと感じているところでもある。

これを機にもっと様々な話を聴いていきたい。




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