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6才のママからの気づき

6才の女の子が歯の定期検診で来院。
主訴は下の抜けた乳歯がなかなか生えてこないとのこと。
(同業の方に分かりやすくいうと下顎側切歯の未萌出 B脱落後6ヵ月経過)

前回の定期検診でも同じ主訴がありかなり気にされている様子。
生えてこないのは下顎の成長不足で歯が生えるスペースが足りないため。
最近では毎日にように見かけるケースですね。
お母さんもよく理解されていて矯正も検討していきたいとのことでした。
母子手帳を持ってきてくださっていて6才の歯科検診欄に記入希望あり。
(母子手帳持っていくと記入してくれます。記録になるのでぜひお持ちください。)

定期検診の内容を済ませ私がしたことは
小児矯正開始検討時期の説明と
それまでに今できることとして前歯を使った食事の重要性についての説明。
まあ平均点的な対応ってところでしょうか。

説明後、お母さんから
「わかってはいるんですが、娘は生まれつき小柄で少食なのでついつい量を食べてくれる好きなものばかりを出しがちで...柔らかいものが好きなのもあって...」
と話してくださいました。

この時“はっ!”としました。
この年齢の子をもつ親としては、歯並びよりも体重が足りてないことの方がよっぽど気にかかるママの気持ちや、我が子の美味しそうに食べる姿が見たくてついつい好きなものを出したくなるママの気持ちが痛いほど共感できて胸が熱くなりました。

そうだよね。
母子手帳を持参されていたので先に気づくべきだった。
出生体重は少なめ、現在の成長曲線を確認するとやや下回っている。
説明の前に日々の食事の様子を尋ねてみるべきだったっと反省。

すかさずお母さんには娘さんのペースで良いこと
歯並びも大切だけど体重を増やすことを優先してもらうように伝えました。
ママの顔が不安そうな顔から安心した顔に変わりました。

診察後、カルテと一緒に母子手帳を記入していて気がついた。
全てのページにママから娘さんへのメッセージが書かれていることを。
母子手帳って月齢ごとに成長を記録するページがあって、
そこにママからのメッセージ欄があるんです。
一人目を育てている私ですらついつい書くのを忘れて健診の時に慌てて書いたり書かなかったり(笑)なのに、この子のママはすごく丁寧に記録されていていました。

歯科は口の中だけを見がちだけど、もっと寄り添えることがある気がしました。
自分がママになって現場に戻ったからこそ、たくさんのことを感じられた症例でした。

今日はそんな気づきのお話。
では、また。

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