2月5日(月) 我が家の音はだいたい私の声

夫と一緒に休みを取っていたけど、仕事が入ってしまった夫。だけど在宅だからいつも通りの休日という感じ。夫は休日も仕事をしていて楽しそうだったり大変そうだったりする。

昨日買っておいたスティッキオというハーブ。肉巻きにするとおいしいらしい。夫の打ち合わせが終わる頃には「スティッキオの肉巻きできたよ〜」が理想。現実は支度が終わって買い出しに行こうと思った頃に東京から送った段ボール大3つが届いた。買い出しよりも段ボールが気になって仕方がなかった。

荷解きを始めてしまった。荷解きを始めたら収納スペースがなくて、いまある物の整理も始まってしまった。打ち合わせを終えた夫に着ないアウターを捨ててくださいとお願いした。お〜スティッキオ。

結局14時にふたりでスーパーに行き、タイのお寿司と太巻きとブリの刺し身と甘エビの唐揚げを買った。あと豚バラ肉も買った。スティッキオは夜に巻き巻きすることにした。

つくづく思うのは、夫は私の自由すぎる行動にあまり口出しをしてこない。仕事が忙しいのもあるかもしれないけど、お昼ご飯作っとくねって言ったのに荷解きをし続ける私に何も言わない。多分私だったら何か言う。絶対に余計な一言を添えて何か言ってしまう。あとから聞いたら夫はお腹が空いていなかったらしい。

お昼のお味噌汁を作ろうと思ったけど、東京から持ってきたお皿がシンクに溢れかえっていた。夫にお味噌汁担当になってもらい、私はお皿を洗った。ふと顔を上げると白いカーテンが見えた。今日見たいのは白いカーテンじゃない。雪だ。そう思って「ちょっと行ってきまーす!」と洗いかけのお皿を置いてカーテンを全開にした。

一気に私の心が静かになった。角銅真実のアルバム「Contact」を流す。音に合わせてとても静かに踊っている雪が見えた。「ねえ、いま私たちがいるのは北海道ですよ。新婚旅行で行った北海道です。」時間が消えた気がした。とても静かに食器を洗った。夫は普段から必要以上に喋らないからいつも通り静かだ。私が喋らなかったらこの家はだいぶ静かなんじゃないかと思う。

静かに食器を洗い、味噌汁をつくる夫の動きに合わせて少し場所を移動する。言葉のない動きにこの前体験したコンタクト・インプロビゼーションを思い出す。相手への思いやりがあるからこそできる動きだ。夫の腕に私の腕を触れさせて流れている音楽に合わせて踊りたくなる衝動を抑えお皿を洗う。一人だとここでお皿洗いを投げ出して踊りだしている。

あまり会話のない静けさが心地よくて食事中も雪を眺めながら音楽を聴いていた。タイのお寿司には醤油よりも塩が合いそうだと思いろく助の旨味たっぷりの塩をかけるとタイの甘みが引き立って消えていった。

今日は静かな気分だ。休みにしておいてよかった。静かに雪を眺めることができた。だけどちょっと雪遊びもしたくて、雪の中を歩きたくて夫をカフェに誘った。夫が雪のつもった傘を指でピンッと跳ねて雪を飛ばしてきたので、私は夫に向けて傘を閉じて瞬時に開き思いっきり雪をかけた。が、傘を盾にして防いでいた。くそう。

カフェで静かに読書をした。静かに一日を終えたくて夜の予定をキャンセルした。静かにスティッキオを豚バラ肉で巻いて焼いた。味付けは塩コショウ。フェンネルのようなディルのような甘みと爽やかさがたまらん。ピンクペッパーも散らした。静かにできず「うんめええええ」と叫んだ。甘エビの唐揚げは味噌汁に入れるんです。「うんめえうんめえうんめええええ」我が家の音が戻った。



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