詩「やわらかな大地、そして暗闇」

宇宙人がいる確率は、どれくらいだと思う?
それはわたしが今淋しいと感じるのと
同じくらいの確率じゃないかな。
なんか怖いなとあなたは笑って、
布団を肩まで掛けてくれた。
替えたばかりの少し厚みのある布団。
優しさの重さと香りとぬくもりがする。
こんやは照らされることよりも、
沈んでいくことを選びたい。
だれの影ももう見えなくなった。
背骨を撫でられ、
半歩先はやわらかな大地で、そして暗闇だと気付く。
これが終わったら台所で梨を剥いて食べる。
だれといても孤独なの、人間の本質じゃありませんか。
だれといても淋しい自分を愛することが
だれかの存在を受け容れること。
あなたも淋しい? なんて訊かない。
だからどうかあなたの先も、
やわらかな大地、そして暗闇であってほしい。
どこからか果実の香りが漂ってくる。
どれだけ歩いてもどこにも辿り着けない、この法則で
丸い世界を確かめるように、なめらかな闇を踏む。
それは怖いことではないのかもしれない。
生きていると、そう思える瞬間が、たまにあるね。



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